ヤヌスキナーゼとチロシンキナーゼ
ヤヌスキナーゼのチロシンキナーゼ分類とJAKファミリー
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、受容体そのものにキナーゼ活性があるタイプ(受容体型チロシンキナーゼ)ではなく、受容体の細胞内領域に“会合して働く”非受容体型チロシンキナーゼに分類されます。
JAKファミリーは4種類(JAK1、JAK2、JAK3、TYK2)で、サイトカイン受容体に結合し、サイトカイン刺激の情報を細胞内へ中継する役割を担います。
ここで重要なのは「チロシンキナーゼ=がん領域の分子標的」だけではなく、免疫・炎症領域でもチロシンリン酸化がシグナルの中核になっている点で、医療者向け説明では分類(受容体型/非受容体型)を冒頭で揃えるだけで理解が進みます。
ヤヌスキナーゼのJAK-STATシグナル伝達とSTATリン酸化
多くのサイトカイン受容体は、リガンド結合で受容体サブユニットが近接し、会合しているJAK同士が相互にチロシンリン酸化されて活性化する、という流れでシグナルが開始します。
活性化したJAKは受容体側のチロシン残基をリン酸化して足場を作り、STATがリクルートされ、STAT自身もリン酸化を受けて二量体化し核へ移行、遺伝子転写を誘導します。
臨床的な言い換えをすると、JAK-STATは「膜上のサイトカイン刺激を核内の遺伝子発現へ直結させる最短距離の配線」であり、炎症の立ち上がりが速い(逆に止めると効きも速い)という薬効イメージの説明に使えます。
ヤヌスキナーゼの阻害薬機序とATP結合部位
JAK阻害薬の基本は、JAKのATP結合部位に競合してキナーゼ活性を抑え、STATのリン酸化~転写誘導を弱める、という“上流の制御”です。
一方で、JAKは多数のサイトカイン受容体シグナルに関与するため、「単一サイトカインだけをピンポイントに止める」というより、複数経路の出力をまとめて下げる方向に働きやすい点が特徴です。
実務上は、薬剤ごとの“選択性(JAK1中心、JAK1/2、JAK3関連、TYK2など)”の違いが話題になりますが、患者説明では「免疫の伝達経路をまとめて調整する薬」という骨格を提示してから、感染症などのリスクへ自然につなげる方が納得感が高くなります。
ヤヌスキナーゼ阻害と感染症・帯状疱疹・血栓の注意点
JAK阻害薬では感染症、とくに帯状疱疹の増加がしばしば強調され、国内外データでも注意喚起されています。
日本人ではJAK阻害薬投与下で帯状疱疹が高いという指摘があり、トファシチニブで9.2/100人・年という市販後調査の報告が紹介されています。
さらに、心血管系事象や静脈血栓塞栓症、悪性腫瘍などが報告されているため、開始前評価(既往、リスク因子、併用薬、慢性感染のスクリーニング)と、開始後の“症状ベースの早期受診指導”が臨床の要所になります。
帯状疱疹については「免疫抑制だから」で終わらせず、インターフェロン系シグナルなどサイトカイン経路の抑制が背景にある、と説明すると患者の行動(違和感時の受診)につながりやすい面があります。
参考)関節リウマチでヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬服用の方は、帯状…
参考として、帯状疱疹ワクチンに関する総説では、免疫抑制薬(JAK阻害薬を含む)で帯状疱疹頻度が上がる話題や、人種差に触れた記載があります。
参考)https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/202403_70_P6-11.pdf
ヤヌスキナーゼとチロシンキナーゼの独自視点:完全遮断ではない説明設計
JAK阻害薬はJAK-STAT経路を「完全に止める」というより、部分的に遮断・調整する、という見え方が実務では有用です。
この見立てを使うと、「効く=免疫を全部止める」ではなく「炎症の過剰な出力を下げる」という説明になり、過度な不安(自己判断での中断)と過度な楽観(感染徴候の放置)の両方を減らせる可能性があります。
また、JAKは4種類で、受容体ごとに組み合わせが違うため、“何がどれだけ下がるか”は一律ではなく、病態(RA、乾癬、炎症性腸疾患、アトピー性皮膚炎など)と薬剤特性で臨床像が変わり得る、という視点がチーム医療の会話(薬剤師・看護師との連携)にも役立ちます。
【参考リンク:JAK-STATの基礎(JAKの活性化、STAT二量体化、核移行)を日本語で概観】
【参考リンク:RAに対するJAK阻害薬の注意事項(帯状疱疹、VTE、心血管系事象などの整理)】
日本リウマチ学会:関節リウマチ(RA)に対するヤヌスキナーゼ阻害薬使用の手引き
【参考リンク:日本人での帯状疱疹リスク(JAK阻害薬下で高い旨、トファシチニブの発症率の紹介)】
【論文(総説PDF):JAKが非受容体型チロシンキナーゼであり、JAK-STATの流れを確認】
【論文(総説PDF):RA治療におけるJAK阻害薬とATP結合部位競合の記載を確認】
J-STAGE:関節リウマチ治療におけるJAK阻害薬の役割(PDF)

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