手指変形性関節症治療と装具固定術

手指変形性関節症の治療

手指変形性関節症の治療:現場で迷いやすい3点
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「治す」より「症状と機能」を狙う

手指OAは根治療法が確立しにくく、疼痛・こわばり・ADL制限の緩和と自己管理が主目標になりやすい(ガイドラインでも情報提供と自己管理が重視)。

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装具と運動は「最初に試す価値」

運動療法は短期的に痛み・こわばりを小さく改善し得るが、効果量は小さく持続性は課題という整理が実務的。

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「どの関節か」で手術の目的が変わる

DIP(へバーデン結節)では除痛・整容性を狙った固定術が選択肢になり、保存療法抵抗例で議論が必要。

手指変形性関節症の治療とへバーデン結節

 

手指変形性関節症は、DIP関節(いわゆるへバーデン結節)やPIP関節(ブシャール結節)などの小関節に、疼痛・腫脹・こわばり、結節様の骨性隆起、可動域低下が出現し、日常のつまみ動作や細かな作業を阻害しやすい病態として扱われます。

臨床の説明で重要なのは「変形=すぐ進行」ではなく、疼痛が自然に軽快するケースもあるため、症状の波(炎症期と落ち着く時期)を前提に、治療の目的を“変形の完全な矯正”ではなく“痛みのコントロールと機能の最大化”に置く点です。

また、鑑別として炎症性関節炎(関節リウマチなど)や、乾癬性関節炎結晶誘発性関節炎などを念頭に、罹患関節の分布・朝のこわばりの質・多関節性・炎症反応・画像所見をセットで評価し、単なる「へバーデン結節」と決め打ちしないことが安全です(手指OAの管理は個別化が推奨される、という大枠にも合致)。

現場で患者が求めるのは「この出っ張りは戻るのか」「仕事は続けられるのか」「手術は必要か」の3点が多く、初診では“痛みのフェーズ”と“関節の部位”を分けて説明すると納得が得られます。

参考)https://mol.medicalonline.jp/newbunken?GoodsID=ap5meree%2F2020%2F000244%2F010amp;name=0058-0063j

手指変形性関節症の治療と保存療法と装具

保存療法は、情報提供・自己管理・生活動作の工夫、装具(スプリント)やテーピング、運動療法、薬物療法(外用を優先しやすい)などを組み合わせるのが基本線として語られます。

日本の整形外科クリニック実臨床でも、まず局所の安静、装具・テーピング、疼痛が強い急性期の鎮痛や注射などを段階的に使う流れが紹介されています。

装具のポイントは「完全固定」よりも“痛い角度・痛い動作を減らす制動”で、患者の生活背景(家事、介護、PC作業、農作業、楽器など)に合わせて設計するほど継続率が上がります。

装具の選択を医療従事者向けに言語化すると、次のように整理できます。

・装具設計で外しにくい落とし穴

✅ 目的が曖昧:除痛目的か、変形進行を抑えたいのか、作業時だけの補助かを明確化する。

✅ 関節を間違える:へバーデン結節はDIP、ブシャール結節はPIPで、必要な制動角度が違う。

✅ 使う場面が合っていない:常時装着が必要なのか、疼痛が出る作業時のみなのかを合意する。

意外に効く“説明”としては、「装具=骨を元に戻す道具ではなく、炎症が暴れにくい環境を作る道具」という言い方です(変形の完全な改善ではなく、疼痛と機能が主目標)。

手指変形性関節症の治療と運動療法

運動療法については、手指OAに対する運動が短期的に痛みを小さく減らし、こわばりを改善し得る一方で、研究数が多くない・効果量は小さい・中長期で効果が持続しにくい、という現実的な結論が示されています。

Cochraneレビューでは、運動は痛みを0〜10の尺度で約0.5点低下させた(NNTB 9)など、臨床的に「ゼロではないが過度な期待は禁物」という数値感が提示されています。

医療者が介入設計をする際は、次の3点をセットで運用すると失敗しにくくなります。

・運動療法を続ける設計

✅ 目的:痛みを下げるだけでなく、握力や巧緻性(ボタン、つまみ、ペン)を“守る”ために行うと説明する。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11766085/

✅ 用量:研究でも頻度・内容がばらつくため、最初は「週2〜3回」など現実的な処方から始め、疼痛反応で調整する(過負荷で炎症が増える報告もある)。

✅ 評価:痛み・こわばり・生活動作を指標にし、画像での構造変化(関節裂隙など)を短期ゴールにしない(構造変化は研究でも測定されないことがある)。

ここでの“意外な情報”として、運動療法は「痛みが強い時ほど禁忌」ではなく、“炎症を悪化させない範囲での関節周囲の安定化・機能維持”として設計されると、患者が自己効力感を取り戻しやすい点です(自己管理の枠組みが重要)。

論文の参考(運動療法の効果量を把握するのに有用)

Cochrane Review: Exercise for hand osteoarthritis(運動療法の痛み・機能・こわばりへの短期効果と限界)

手指変形性関節症の治療と注射と手術

保存療法で疼痛が抑えられない場合、実臨床ではステロイド関節内注射が急性期の疼痛コントロールとして語られることがありますが、部位や回数、適応の見極めが重要になります。

大学病院の解説でも、注射はステロイドが中心となるため、疼痛が強い時の最小限の使用にとどめる、という慎重な運用が示されています。

手術は「変形があるから」ではなく、「痛みと機能障害が強く、生活に支障が出る」場合に検討され、代表的には関節固定術や関節形成術(人工関節を含む)が挙げられます。keiyu-seikei+1​

とくにへバーデン結節(DIP)の場合、除痛や変形改善目的でDIP関節固定術が行われることが多い、という整理がリハビリ領域の総説でも述べられています。

医療従事者向けに“手術の目的”を短く言うなら、次の対比が実用的です。

・手術目的の対比(現場用)

✅ 固定術:痛みを取り、安定した指先を作る(可動域は犠牲になり得る)。

✅ 形成術・人工関節:可動域を温存しつつ疼痛と機能を狙うが、関節ごとに適応と術後管理が変わる。

また、検索上位でも触れられることがある“新しめの選択肢”として、へバーデン結節で「異常な血管(もやもや血管)が痛みに関与する」という説明と、塞栓を意図した治療が注目されている、という臨床コラムもあります(保険適用外の扱いに言及されることがある)。

参考)指変形性関節症(へバーデン結節、ブシャール結節)|新中野整形…

この領域は期待が先行しやすいので、「変形そのものの改善は別問題で、科学的検証が今後も必要」という形で説明のトーンを整えると、誤解とトラブルを減らせます。

参考)ヘバーデン結節 – 動脈注射治療で痛みを改善

権威性のある参考(自己管理と非薬物療法・薬物・手術の位置づけの骨格)

EULAR evidence-based recommendations for the management of hand osteoarthritis(手指OAの推奨:教育・自己管理、運動、装具、薬物、手術の考え方)

手指変形性関節症の治療と粘液嚢腫

(検索上位で定番ではないが、現場で説明価値が高い“独自視点”として)へバーデン結節の周辺では、DIP背側に粘液嚢腫(いわゆる水ぶくれのようなこぶ)ができる人がいる、という資料があり、患者の主訴が「痛み」より「こぶ・破れそう・見た目」になることがあります。

この場合、痛みの評価だけでなく、皮膚トラブル(薄い皮膚、びらん、感染リスク)と、関節の骨棘・変形が背景にある可能性を意識して、皮膚所見とX線所見をセットで説明する方が臨床的に噛み合います。

粘液嚢腫が絡むと、患者はセルフケアとして穿刺や自己処置を試みることがあり、感染や難治性潰瘍に発展するリスクが上がります。

そのため医療者側は、「痛いから治療」だけでなく「破れて困る前に相談」という受診動機を作る説明(注意喚起)が、結果として重症化予防になります。

参考)https://takanawa.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2018/03/3koukaikouzasaishuu.pdf

最後に、へバーデン結節・ブシャール結節の治療は、患者の職業・利き手・家事育児・趣味で“許容できる固定度”が大きく変わります。

医療従事者が最初に握っておくべき問いは、「痛みが一番困る動作は何か」「その動作を減らす工夫と装具は現実的か」「どの関節が主病変か」の3点で、これだけで治療の組み立てが一段クリアになります。keiyu-seikei+1​


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