テリルジー 薬価 3割負担の具体額と臨床での説明ポイント
テリルジー 薬価 3割負担の1日薬価と1か月自己負担額
テリルジーはフルチカゾンフランカルボン酸エステル、ウメクリジニウム、ビランテロールの3成分を含む1日1回吸入の3剤合剤で、喘息およびCOPDに用いられる吸入薬です。
中医協資料では、テリルジー100エリプタ30吸入用の薬価は1キットあたり8853.8円、1日薬価は295.10円とされています。
同じく14吸入や200μg製剤では薬価が異なり、テリルジー200エリプタ30吸入用は10043.3円と報告されており、ステロイド量増加に伴い1日薬価も上昇します。
外来で説明しやすいよう3割負担額の目安を整理すると、テリルジー100エリプタ30吸入用では1日薬価295.10円の3割で約90円弱、1か月(30日)換算で約2700円前後の自己負担額となります。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000737249.pdf
一方、喘息向け解説サイトでは「1か月毎日吸入した場合の薬価(3割負担)はテリルジー100で2550円、テリルジー200で2902円」と紹介されており、実臨床では処方日数や端数処理により若干の差が生じうることがわかります。
医療従事者としては、「1日あたり3割負担で約90~100円、1か月で2500~3000円程度」というざっくりしたレンジで説明しつつ、具体額は処方日数と薬局計算に依存することを添えると誤解を避けられます。
テリルジーはジェネリック医薬品がまだ存在せず、ブランド薬のみでの提供である点も費用感に影響します。
参考)喘息・COPD治療薬「テリルジー」の特徴と効果、副作用
このため、長期処方を行う際は、薬剤費だけでなく、再診料・処方箋料との合計負担を患者と共有しておくと、突然の支払い増加感を和らげることができます。
参考)薬剤の自己負担額
なお高齢患者では1割または2割負担となる場合が多く、同じ薬価でも実際の自己負担額は年齢層や保険区分で大きく変動することをあらかじめ頭に入れておく必要があります。
テリルジー 薬価 3割負担とスピオルト等他吸入薬の薬価比較
COPD領域ではテリルジーのほか、LAMA/LABA合剤としてスピオルトレスピマットなどがよく使用されており、薬価と3割負担額を比較することで費用対効果のイメージを持ちやすくなります。
スピオルトレスピマット60吸入の薬価は5353円で、3割負担は1606円とされ、1か月毎日吸入した場合の3割負担額は1606円という目安が提示されています。
同じく28吸入製剤では薬価2866円、3割負担860円とされ、投与期間や吸入回数に応じてコストが変化することから、処方設計時には単位あたりの薬価のみでなく「1か月あたりの自己負担額」で比較することが重要です。
テリルジー100の3割負担が1か月あたり2550円程度とされているのと比較すると、スピオルト単剤よりはやや高いものの、別個のICSやLAMAとの多剤併用コストを考えると、合剤としてはバランスの取れた水準と言えます。
さらに、レルベアなど他のエリプタ製剤と比べると、テリルジーは1日1回でICS/LABA/LAMAの3剤をカバーできるため、吸入回数が減りアドヒアランス向上が期待でき、その点を費用面と合わせて評価する必要があります。
参考)ぜんそく・COPD治療薬
複数の吸入器を併用するMITT療法と比較した費用対効果評価では、テリルジーエリプタ(FF/UMEC/VI)がCOPD患者において費用削減および費用効果的治療であることが示されており、薬価単体よりも総医療費・増悪抑制効果まで見た評価が重要であることが強調されています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000768616.pdf
以下のような簡易表を診察室メモとして用意しておくと、患者説明がスムーズになります。
| 薬剤 | 規格・本数 | 薬価(10割) | 3割負担目安 | 想定期間 |
|---|---|---|---|---|
| テリルジー100エリプタ | 30吸入 | 約8854円 | 約2550~2700円 | 30日 |
| テリルジー200エリプタ | 30吸入 | 約10043円 | 約2900~3000円 | 30日 |
| スピオルトレスピマット | 60吸入 | 5353円 | 1606円 | 約30日 |
| スピオルトレスピマット | 28吸入 | 2866円 | 860円 | 約14日 |
こうした比較を提示すると、患者は単純な「高い・安い」ではなく、「1日1回で3剤がまとまっているか」「吸入回数が減って飲み忘れが減るか」といった要素も含めて選択できるようになります。
医療従事者にとっては、薬価を丸暗記するよりも「代表的な吸入薬の1か月3割負担額のオーダー感」を持っておくことが現場での即答力につながります。
テリルジー 薬価 3割負担と費用対効果評価・長期処方戦略
テリルジーエリプタは、公的な費用対効果評価の対象となった数少ない呼吸器領域の吸入薬の一つであり、その結果が薬価にも反映されています。
厚生労働省の資料では、テリルジーについて費用対効果評価に基づく価格調整の計算方法が示され、価格調整係数(β)を用いた有用性加算部分の見直しが行われたことが記載されています。
国立保健医療科学院による評価では、MITTやICS/LABA、LAMA/LABAと比較して、FF/UMEC/VI(テリルジーエリプタ)はCOPD患者で費用削減および費用効果的な治療であることが示され、現在の薬価水準を支持する結果となっています。
臨床現場では、テリルジーの3割負担額そのものだけでなく、増悪頻度の減少や入院回数減少による医療費全体の抑制効果まで考えると、患者にとって長期的には経済的メリットがあるケースも少なくありません。
参考)https://c2h.niph.go.jp/results/C2H1901/C2H1901_Company.pdf
特に増悪リスクの高いCOPD患者では、救急受診や入院のたびに高額な医療費が発生しうるため、「1か月数千円の吸入薬負担で重症増悪をどこまで減らせるか」という視点を患者と共有することが重要です。
参考)https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=12342
また、長期処方(90日処方など)が可能な患者では、1回あたりの調剤基本料・処方箋料の回数を減らせるため、年間トータルの自己負担額を抑えられる可能性があり、テリルジーのような安定した1日1回吸入薬との相性が良いといえます。
費用対効果評価の資料を一読しておくと、「なぜこの薬価なのか」「他の吸入薬と比較したときの位置づけは何か」を患者へ簡潔に説明しやすくなります。
医師・薬剤師・看護師が同じコスト感覚と費用対効果の理解を共有しておくと、チームとして一貫性のある説明ができ、患者の納得感も高まりやすくなります。
厚労省 費用対効果評価結果資料へのリンク(費用対効果評価の根拠と薬価調整方法の詳細)
テリルジー 薬価 3割負担と患者説明・医師看護師薬剤師の実務ポイント
外来で「この吸入薬はいくらぐらいしますか?」と聞かれたときに即答できるかどうかは、患者の信頼感に直結します。テリルジーについては、「3割負担なら1か月あたり2500~3000円前後、1日あたり90~100円程度」と端的に伝えるとわかりやすく、生活費との比較もしやすくなります。
さらに、「同じCOPD・喘息治療薬の中でも、スピオルトなどLAMA/LABAよりは高めですが、3剤を1日1回で済ませられるため、飲み合わせや吸入回数が減り、結果として治療全体はシンプルになります」と補足すると、単なるコストではなく価値として受け止めてもらえます。
説明の際は、患者の収入・家計事情を過度に詮索せず、「薬代が負担になっていないか」「月いくらぐらいまでなら無理なく続けられそうか」といったオープンクエスチョンで聞き取り、必要に応じて他剤への変更や処方日数の調整を提案することが望まれます。
薬剤師は、薬局で実際の請求額を基に「今回のテリルジーの自己負担は○○円で、1日あたりにすると大体△△円程度です」とレシートを見ながら具体的に説明でき、患者の実感と結び付ける役割を果たせます。
看護師外来では、吸入手技指導とセットで「せっかく負担して使う薬なので、できるだけ効果を引き出すために、今日は吸入手技を一緒に確認しましょう」と伝えることで、費用とアドヒアランスを結び付けた教育が可能です。
参考)さまざまな吸入薬!!こんなにあるの!|秦野の内科と呼吸器内科…
医師・薬剤師・看護師の間で「テリルジーの1か月3割負担額」「想定される高額療養費適用ライン」「他の吸入薬とのおおよその価格差」の共通認識を持っておくと、誰に相談しても同じメッセージが返ってくる体制を作りやすくなります。
意外なポイントとして、薬価の説明をきっかけに、喫煙本数や飲酒量、栄養状態など生活習慣の話題へ自然に移行できるケースもあります。「この吸入薬に月3000円かけるなら、タバコ代とどちらが大事か一緒に考えませんか」という対話は、費用と健康行動の両面からアプローチできる有効な切り口になりえます。
また、夜勤明けの患者や介護者に対しては、「1日1回で良いので、生活リズムに合わせて『起床後すぐ』『就寝前』など、無理なく続けられるタイミングを一緒に決めましょう」と提案することで、コストをかける価値が十分に回収されるような服薬設計が可能になります。
喘息・COPDの治療薬と自己負担額に関する一覧(他薬剤の自己負担目安を確認したいときに有用)
テリルジー 薬価 3割負担と高額療養費・負担軽減の独自活用アイデア
テリルジー単剤の3割負担だけで高額療養費制度の自己負担上限に達するケースは稀ですが、多剤併用や入院、ほかの高額薬(生物学的製剤など)との併用があると、一気に年間医療費が増大します。
このような患者では、「テリルジーを核にした吸入療法のシンプル化」と「高額療養費制度の活用」をセットで検討することで、トータルの負担感を軽減できます。
例えば、アトピーや蕁麻疹でデュピクセントやゾレアなど高額生物学的製剤を使用している患者では、1回あたり1万~3万円台の自己負担が加わるため、呼吸器系の薬剤費も含めた全体像を把握したうえで、「月ごとの自己負担上限」を意識したスケジューリングが重要になります。
独自の視点として、テリルジーの3割負担を「喘息・COPDのコンディション管理料」と捉え、患者と一緒に「この金額でどこまで生活の質を上げられるか」を具体的に言語化するアプローチが考えられます。
例えば、「この吸入薬のおかげで、階段を途中で止まらずに上がれるようになった」「夜間の咳で起きる回数が減った」「在宅酸素の導入を先送りにできているかもしれない」といった生活上の成果を見える化することで、3割負担額への納得感が高まり、中断・自己中止のリスクを減らせます。
また、患者によっては、テリルジーを電子お薬手帳アプリやスマートウォッチのリマインダーと連携させ、「1日1回・この金額を無駄にしないための行動」として習慣化を図るといった、デジタルツールを活用したアドヒアランス支援も有効です。
高額で話題になりやすい皮膚科系薬剤や生物学的製剤の自己負担額一覧(呼吸器薬との併用時に年間費用を俯瞰する際に参考)