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点状表層角膜炎 犬

点状表層角膜炎(犬)臨床要点
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まず「潰瘍か非潰瘍か」

フルオレセイン染色で角膜上皮欠損の有無を確認し、抗菌中心か免疫介在性中心かの初期方針を分けます。

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涙液と刺激因子の評価

シルマー涙液量試験でドライアイの合併を拾い、眼瞼内反症・逆さまつ毛・被毛刺激など慢性刺激の有無も同時に確認します。

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治療は「保護+原因治療+再発対策」

ヒアルロン酸等で角膜保護を行い、免疫介在が疑わしければ免疫抑制点眼を検討し、紫外線や乾燥など悪化因子も介入します。

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点状表層(点状表層性)角膜炎では、角膜中央〜傍中央に「白い点々(点状〜円形の混濁)」が多発し、目やに・結膜充血などの訴えで来院することがあります。

臨床的に厄介なのは、同じ「角膜が白い」「しょぼしょぼする」という表現でも、外傷性の角膜びらん・角膜潰瘍乾性角結膜炎(KCS)、慢性表層性角膜炎(パンヌス)などが混在し得る点で、見た目だけで決め打ちしない姿勢が重要です。

疼痛は症例差があり、眼瞼痙攣流涙・前肢で掻く・床に擦るなどが強い場合は、点状混濁の背後に実際の上皮欠損(=潰瘍成分)や強い炎症が隠れていないかを必ず確認します。

現場の説明としては「白い点=全部が傷」ではなく、「炎症のサインとしての混濁」もあることをオーナーに共有すると、点眼が長期化した際の納得度が上がります。

また、犬種で所見の出方が異なることがある(例:ミニチュア・ダックスフンド等では血管新生や痛みを伴うとされる、など)ため、眼表面の血管新生・透明性低下・色素沈着の有無を毎回同じフォーマットで記録し、経時比較できるようにします。

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点状表層性角膜炎は、免疫が介在していると考えられる炎症性角膜疾患として紹介されており、単純な「傷の治療(抗菌+保護)」だけでは改善しにくいことがあります。

一方で、角膜炎全体の原因には外傷・感染・慢性刺激・免疫介在性疾患・神経異常など幅があり、点状所見が見えるからといって免疫だけに寄せすぎると、刺激因子(逆さまつ毛、眼瞼内反症、涙液膜機能低下など)の介入が遅れるリスクがあります。

実臨床での「落とし穴」は、軽い上皮障害が反復して点状に見えているケースで、原因がKCS(ドライアイ)や被毛刺激、あるいは眼瞼異常にあるのに、免疫抑制点眼を先行してしまい二次感染や治癒遅延を招くパターンです。

また、角膜炎は角膜潰瘍を伴うことがあるとされ、点状病変が「表層の炎症」なのか「表層の欠損(びらん/潰瘍)」なのかを分ける視点が、治療の安全性(特にステロイド使用可否)を左右します。

免疫介在を疑う場合でも、まずは感染・潰瘍の除外(染色、細隙灯観察、必要なら細胞診)を優先し、免疫抑制は“安全に使える条件”を満たしてから段階的に導入する設計が実務的です。

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角膜炎の基本検査として、視診に加えて細隙灯検査、フルオレセイン染色(角膜染色)、シルマー涙液量試験が挙げられています。

フルオレセイン染色は、角膜の傷の有無や深さの確認に用いられ、潰瘍が疑われる症例で実施する重要な検査として説明されています。

シルマー涙液量試験はドライアイ(乾性角結膜炎)の有無を評価でき、角膜障害が「乾燥由来の反復外傷」なのかを見極める上で、点状病変の鑑別に直結します。

上皮欠損がある(染まる)場合は、抗菌点眼+角膜保護を土台にしつつ、疼痛が強ければ散瞳/調節麻痺薬や鎮痛も含めた設計を考え、再診間隔を短くして穿孔リスクの芽を早期に摘みます。

さらに、角膜表面の細胞や膿を採取して顕微鏡で炎症や細菌の状況を調べることもあるとされ、反応不良例や感染疑い例では「検査を足して治療を絞る」姿勢が、結果的に治療期間とコストの最適化につながります。

点状表層角膜炎 犬 治療 抗生物質 ヒアルロン酸 免疫抑制

角膜潰瘍の治療では、細菌感染を管理する抗生物質点眼と、うるおいを保って治癒を助けるヒアルロン酸点眼が一般的とされ、点状表層病変でも「潰瘍成分があるかどうか」でこの土台治療の比重が決まります。

角膜炎の治療として、感染があれば抗生剤点眼、免疫の異常が関与する場合はシクロスポリンやステロイドなど免疫抑制剤点眼が使われることがある、と整理されています。

したがって、点状表層角膜炎で免疫介在性が疑わしいときでも、フルオレセイン陽性(上皮欠損)や感染疑いが残る段階では、免疫抑制を急がず、まずは上皮化と感染制御を優先するのが安全側の運用です。

また、掻破による増悪を防ぐためにエリザベスカラー装着が推奨されることがあり、点眼回数が増える症例ほど「家での掻かない仕組み」を治療計画に組み込む価値があります。

臨床で“意外に効く”介入としては、薬の選択そのものよりも、点眼コンプライアンス(1日合計回数、左右の入れ間違い、冷蔵保存が必要な製剤の管理など)を、初回からチェックリスト化して再診で確認する運用で、再発・長期化の印象が大きく変わります。

点状表層角膜炎 犬 予防 紫外線 ドライアイ 独自視点

角膜炎は、慢性刺激となる原因を事前に取り除くことで予防できる場合があり、日常的な観察で早期発見・早期治療につなげることが推奨されています。

角膜潰瘍の予防としても、外傷を防ぐこと、シャンプーなど刺激物の接触を避けること、ドライアイを適切に管理することが有効とされ、点状表層角膜炎の管理でも同じ発想(悪化因子の除去)が再発率に影響します。

独自視点として、点状表層角膜炎を「眼だけの病気」として閉じず、生活環境の“マイクロ外傷”を棚卸しすると、治療反応が上がることがあります(例:冬季の暖房による乾燥、加湿器の風がケージに直撃、散歩コースの枯れ草・枝、顔周りシャンプーの泡残りなど)。

とくに短頭種や眼球突出傾向の犬では外傷を受けやすいとされ、同じ点状所見でも「守るべきリスク(擦過傷→潰瘍)」が高い群として、予防介入(散歩時の草むら回避、室内動線の角対策、被毛管理)を強めに提案します。

医療従事者向けに補足すると、再診時の評価項目を固定化(混濁の数・分布、血管新生、色素沈着、フルオレセイン、STT、疼痛スコア、点眼実施率)すると、症例の「良くなっている/いない」の議論が主観から脱却し、上司チェックでも説明可能性が上がります。

角膜炎の一般的な検査(細隙灯、フルオレセイン染色、シルマー涙液量試験)と原因分類の整理(感染・外傷・慢性刺激・免疫介在など)。

FPC
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角膜潰瘍の検査(フルオレセインで傷と深さ確認)と治療(抗生物質点眼、ヒアルロン酸点眼、点眼頻回・重症例の注意点など)。

犬の角膜潰瘍。初期症状は? 治療法は?
角膜は眼の表面にある、複数の層でできている透明な膜です。外傷や刺激物質、感染症、ドライアイなどの影響で角膜が傷つくと、角膜潰瘍という病気を起こします。 角膜の深層まで侵されると穴が開き、眼球内部の炎症や感染、視覚障害にいたることもある疾患で...

点状表層性角膜炎が免疫介在性と考えられ、犬種で所見が異なることがある点(臨床の見え方の参考)。

https://www.pal-animal.com/791/