オプジーボ(一般名:ニボルマブ)は、がん治療における革新的な免疫チェックポイント阻害薬です。この薬剤は、体の免疫システムを活性化させてがん細胞を攻撃する力を高める新しいタイプの治療法として注目されています。
オプジーボの特徴
オプジーボは、PD-1(Programmed Death-1)とPD-1リガンドの経路を阻害することで、体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化します。具体的には、T細胞表面のPD-1に結合し、がん細胞のPD-L1との結合を阻止することで、T細胞の免疫反応を持続させる働きがあります。
適応がん種
オプジーボは、以下のようながん種に対して効果が期待されています:
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
- 非小細胞肺がん
- 腎細胞がん
- ホジキンリンパ腫
- 頭頸部がん
- 胃がん
- 悪性胸膜中皮腫
- 食道がん
- 尿路上皮がん
- 原発不明がん
投与方法と副作用
オプジーボは点滴静注で投与されます。主な副作用には、間質性肺疾患、重症筋無力症、心筋炎、大腸炎、1型糖尿病、肝機能障害、甲状腺機能障害などがあります。
開発と承認
オプジーボは、2014年に日本で悪性黒色腫の治療薬として承認されて以来、複数のがん種において重要な治療選択肢となっています。現在、65カ国以上で承認されており、がん治療の分野で大きな注目を集めています。
オプジーボの開発は、2018年のノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑先生の研究成果をベースにしています。この革新的な治療法は、従来の抗がん剤とは異なるメカニズムで作用し、がん治療の新たな可能性を切り開いています。