胃瘻(いろう)とは、胃と体表面を直接つなぐ人工的に作られた穴のことです。主に経口摂取が困難な方の栄養補給を目的として造設されます。
胃瘻の特徴
- 腹部に小さな穴を開け、そこにカテーテルを挿入して胃に直接つなぎます
- 内視鏡を用いて造設する方法をPEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)と呼びます
- 栄養剤や薬剤の投与、消化管減圧に使用されます
適応となる主な疾患
- 脳血管障害による嚥下障害
- 認知症
- 神経筋疾患
- 頭頸部腫瘍
胃瘻のメリット
- 必要な栄養を確実に摂取できる
- 誤嚥性肺炎のリスクを軽減できる
- 経鼻胃管と比べて患者の負担が少ない
- 在宅や施設での管理がしやすい
胃瘻の管理
- 定期的な観察と清潔保持が重要
- 栄養剤注入前後のケアが必要
- カテーテルの固定状態や皮膚の状態を確認
- 半年に1回程度のカテーテル交換が目安
胃瘻は長期的な栄養管理が必要な患者さんにとって有効な選択肢の一つですが、造設の判断には患者さんの状態や希望、家族の意向などを総合的に考慮することが大切です。