ギラン・バレー症候群は、急性の炎症性末梢神経障害で、免疫系が自己の末梢神経を攻撃することで発症する自己免疫疾患です。
症状
- 初期症状:脚の脱力感やしびれ感から始まり、腕や上半身に広がることがあります
- 進行:数日から数週間で症状が悪化し、最大4週間程度で症状のピークに達します
- 重症例:呼吸筋の麻痺や自律神経障害を引き起こす可能性があります
発症メカニズム
多くの場合、感染症(風邪や腸炎など)の1~2週間後に発症します。感染症によって活性化された免疫系が、末梢神経の髄鞘を攻撃することで神経障害を引き起こすと考えられています。
疫学
- 発症率:年間10万人あたり1~2人程度
- 性別:男性にやや多い傾向があります
- 年齢:全年齢層で発症しますが、20~30代にピークがあります
診断と治療
診断は主に臨床症状と神経学的検査に基づいて行われます。治療には以下のようなものがあります:
- 免疫グロブリン大量静注療法
- 血漿交換療法
- 支持療法(呼吸管理、血圧管理など)
- リハビリテーション
多くの患者は回復しますが、約20%の方に1年後も何らかの障害が残ることがあります。早期診断と適切な治療が重要です。