睡眠ポリグラフ検査の費用と保険適用

睡眠ポリグラフ検査の費用と保険適用

この記事でわかること
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検査費用の目安

簡易検査は約2,000円~3,000円、精密検査は約1万円~3万円(保険3割負担時)

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入院費用と総額

1泊2日の入院を含めると、総額2万円~6万円程度(医療機関により異なる)

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医療費控除の適用

年間医療費が10万円を超えた場合、確定申告で所得税の還付を受けられる

睡眠ポリグラフ検査の基本的な費用

睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)は、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を診断するための重要な検査です。検査には簡易検査と精密検査の2種類があり、それぞれ費用が大きく異なります。

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簡易検査は自宅で実施できる検査で、保険適用3割負担の場合、約2,000円~3,000円程度の自己負担となります。この検査では指先につけるパルスオキシメーターや鼻に装着するセンサーで呼吸状態を測定し、基本的な睡眠呼吸障害の有無を確認します。

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一方、精密検査である終夜睡眠ポリグラフィー検査は、脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸運動、動脈血酸素飽和度など多くの生体情報を記録する詳細な検査です。検査自体の費用は保険適用3割負担で約1万円~3万円程度ですが、医療機関によって料金設定が異なります。

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精密検査と簡易検査の最大の違いは、脳波の有無とセンサーの数にあります。精密検査は得られる情報が多く、診断能力が高いことが特徴で、簡易検査で境界例の場合や詳細評価が必要な場合に実施されます。

参考)睡眠時無呼吸症候群の簡易検査と精密検査の違い

睡眠ポリグラフ検査の入院費用と総額

終夜睡眠ポリグラフ検査は通常、1泊2日の入院で実施されるため、検査費用以外に入院関連の費用が発生します。入院費用を含めた総額は医療機関によって大きく異なり、保険適用3割負担の場合で約2万円~6万円程度となります。

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具体的な費用例を見ると、国立精神・神経医療研究センター病院では自己負担分が約5万5千円程度(3割負担時)、久留米大学病院では約3万6千円、千葉市立青葉病院では6万円前後(差額ベッド代含む)となっています。鳥取医療センターでは検査のみで約1万円、検査と反復睡眠潜時検査を合わせて約1万5千円と比較的リーズナブルです。

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入院費用には、検査料、食事代(通常2回分)、入院基本料、そして個室を使用する場合は差額ベッド代が含まれます。多くの医療機関では検査の性質上、個室入院となるため、差額ベッド代が別途必要になる場合があります。ただし、一部の医療機関では差額ベッド代を徴収しない施設もあります。

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自己負担割合が1割の方の場合、検査費用は約1万円程度、2割負担の方は約1万6千円程度となり、負担割合によって実際の支払額は大きく変わります。

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睡眠ポリグラフ検査の保険適用基準

睡眠ポリグラフ検査は保険診療の対象となりますが、測定項目や検査内容によっては保険適用外となる場合があります。保険適用か否かの判断は、睡眠障害の診断目的、簡易検査の結果、合併症の有無などが基準となります。

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睡眠時無呼吸症候群の診断において、AHI(無呼吸低呼吸指数)という指標が重要な役割を果たします。AHIとは睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示すもので、この数値によって重症度が分類されます。5回未満は正常、5~15回未満は軽症、15~30回未満は中等症、30回以上は重症とされています。

参考)CPAP治療で必要となる費用は? 保険は適応される?


CPAP治療の保険適用には、簡易検査でAHI 40以上の場合、または精密検査(終夜睡眠ポリグラフィ)でAHI 20以上が確認された場合という基準があります。AHI 40未満の場合は精密検査で再評価し、AHI 20以上で中等症または重症の診断となりCPAP治療の適応となります。

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一般的にはAHIが15以上の場合、またはAHIが5以上14以下でも高血圧、心疾患、脳血管疾患、日中の過度の眠気などの合併症がある場合に治療が推奨されます。合併症の状況について検査をする場合は、追加の費用が発生することもあります。

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睡眠ポリグラフ検査費用の医療費控除

睡眠ポリグラフ検査にかかった費用は、医療費控除の対象となります。医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超えた分の金額を所得から控除できる制度です。

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年間の医療費が10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えた場合、確定申告により所得税の還付を受けることができます。医療費控除の対象となるのは、検査費用、治療費、通院のための交通費などです。

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PSG検査時の差額ベッド代も、医師の指示による入院であれば控除対象となります。CPAP療法の月額費用(保険適用3割負担で約4,050円程度)や口腔内装置の作製費用も医療費控除の対象です。

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医療費控除を受けるためには、医療機関から発行される領収書を保管しておく必要があります。電子申告(e-Tax)を利用する場合は領収書の提出は不要ですが、5年間の保管義務があります。家族の医療費も合算できるため、世帯全体の医療費を把握しておくことで、より効果的に控除を活用できます。​
医療費控除の計算式は「(1年間の医療費 – 医療費控除の所得制限) × 所得税率」となります。例えば年収500万円の人が、CPAP治療で1年間に20万円の医療費がかかった場合、約5,000円の税金が軽減される計算になります。​

睡眠ポリグラフ検査を自宅で受ける選択肢

近年では、終夜睡眠ポリグラフ検査を入院せずに自宅で実施できる医療機関が増えています。自宅での検査は入院の負担がなく、普段の睡眠環境で検査できるというメリットがあります。

参考)自宅でできる睡眠時無呼吸症候群の検査


自宅でのPSG検査の費用は、検査費用自体は約10,440円(保険適用)で入院と同額ですが、入院費用や個室負担がないため、総額で約10,700円程度と、入院の場合の約17,000円~50,000円と比べて大幅に安くなります。

参考)睡眠時無呼吸の検査は自宅で可能です


自宅で行える検査には、簡易検査と精密検査の両方があり、当院によってはどちらの検査も自宅で実施可能です。簡易検査はウォッチパット型などの小型デバイスを使用し、精密検査では在宅スリーププロファイラーという機器を使用します。​
検査機器は医療機関から貸し出され、使用方法の説明を受けた後、自宅で装着して就寝します。翌日、機器を返却すると、データが解析され、後日結果の説明を受けることができます。保険診療の範囲で行え、費用には検査機器の貸出料、解析料、診察料が含まれます。​
ただし、自宅での検査が適しているかどうかは、患者さんの状態や医師の判断によります。合併症がある場合や、より詳細な評価が必要な場合は、入院での精密検査が推奨されることもあります。​
🔗 国立精神・神経医療研究センター病院の終夜睡眠ポリグラフ検査の詳細情報

検査の具体的な流れや注意事項について、信頼性の高い医療機関の公式情報が記載されています。

🔗 熊本睡眠医療センターによる保険適用の詳しい解説

いびき治療と睡眠時無呼吸症候群の保険適用基準について、専門医療機関による詳細な説明があります。