視野欠損チェックをスマホ
<% index %>
視野欠損チェックをスマホでセルフチェックの限界
医療従事者として最初に共有しておきたいのは、スマホの視野欠損チェックは「診断」ではなく「気づきの補助」に位置づけるべき点です。
実際、セルフチェックツールを提供している公的啓発サイトでも「セルフチェックで診断ができるわけではありません」と明確に注意喚起されています。
さらに、緑内障領域のセルフチェック解説でも「このチェックは医学的診断に代わるものではない」「不安なら眼科専門医へ」と繰り返し示されています。
スマホで行う視野系チェックが難しい理由は、視野という機能そのものに「慣れ」と「代償」が起きやすいことです。pmc.ncbi.nlm.nih+1
とくに緑内障など慢性的に進行する疾患では、数十年単位で徐々に進行し、本人の自覚が遅れやすい点が指摘されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9791149/
そのため、スマホの結果が「正常っぽい」ことは安心材料にはなりますが、陰性が担保にはならない(偽陰性の可能性)という前提で運用する必要があります。
現場での説明では、次のように整理すると誤解が減ります。
- スマホ:日常の変化に気づく入口(スクリーニングの補助)。pmc.ncbi.nlm.nih+1
- 眼科:視野検査や眼底検査などで原因を評価する場所。
- 重要:結果が悪い時だけでなく「気になる症状が続く」時に受診につなぐ。
参考:セルフチェックは診断ではない/アムスラーチャート等の手順と注意がまとまっています(総論・手順の根拠)
視野欠損チェックをスマホで片目の見え方を確認
視野欠損チェックをスマホで行う場合も、基本は「片目ずつ」です。
啓発サイトのアムスラーチャート手順でも、片目ずつ中央の点を見る方法が示されており、両眼の代償を避ける設計になっています。
片目ずつ行うことで、本人が「普段の見え方」として脳内補正していた欠け・暗点・ゆがみを拾いやすくなります。
実施時のコツは、検査条件のブレを減らすことです(スマホは環境の影響を受けやすい前提)。
- 距離:目から約30cmを目安に一定化する(紙のチャート手順と同様の考え方)。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10224196/
- 眼鏡・コンタクト:普段の矯正のまま行う(矯正なしでの結果は解釈が難しくなる)。
- 視線:中央を見続け、探すように目を動かさない(見落としや誤判定が増える)。
医療者が患者・家族へ説明するなら、結果の見方は「パターン認識」に寄せると伝わります。
- 線がゆがむ。
- 中心が見えない。
- 一部が欠けて見える。
これらが出たら、セルフチェックの範囲を超えているサインとして、眼科専門医に早めに相談する流れを強調します。pmc.ncbi.nlm.nih+1
参考:緑内障セルフチェックの位置づけ(診断ではない/受診の必要性、進行の特徴)
視野欠損チェックをスマホでアムスラーチャートを使う
スマホでの視野欠損チェックを考えるとき、最も説明しやすいのがアムスラーチャートの考え方です。
アムスラーチャートは、格子の中央を見ながら「ゆがみ」「欠け」「中心暗点」などの異常を自覚しやすくする目的で用いられ、啓発サイトでも早期発見の一助として案内されています。
実施手順もシンプルで、目から約30cm、片目ずつ、中央の点を注視し、違和感があれば受診という流れが示されています。
医療従事者向けに一段深掘りすると、アムスラーチャート系のチェックは「中心視野〜黄斑機能の異常」を拾いやすい一方で、周辺視野の欠損は拾いにくいことが運用上の落とし穴になります。pmc.ncbi.nlm.nih+1
そのため、「視野欠損=すべてアムスラーで分かる」と患者が誤解しないように、チェックで拾える領域の限界を明確にします。
現場では、症状の訴え(ぶつかる、段差が怖い、片側からの呼びかけに気づきにくい等)と組み合わせて、必要なら視野検査へつなげるのが安全です。
次のような「記録」を併用すると、受診時の情報価値が上がります(本人の主観を再現しやすい)。
- いつから、どちらの目で、どの方向が見えにくいか。
- 仕事中・運転中・階段など、状況依存で悪化するか。
- スマホチェックをした条件(距離、明るさ、矯正の有無)。
視野欠損チェックをスマホでスマートフォン非対応に注意
意外と見落とされがちですが、視野欠損のセルフチェックツールの中には「スマートフォンには対応しておりません」と明記されているものがあります。
実例として、視野チェックシート「クロックチャート」や視野セルフチェック「クアトロチェッカー®」はスマホ非対応と案内されています。
この注意は、画面サイズ・表示条件・操作によって結果の再現性が落ちる可能性を示唆しており、医療者が患者に紹介する際のリスク管理ポイントになります。
さらに、緑内障セルフチェックの解説でも「スマートフォンではなく、できるだけ大きい画面でチェックすることをおすすめします」とあり、スマホ実施が必ずしも推奨されない場面があることが示されています。
つまり、検索キーワードが「視野欠損 チェック スマホ」でも、実務では「スマホで無理に完結させない」設計が現実的です。pmc.ncbi.nlm.nih+1
患者がスマホしか使えない場合は、結果の精度よりも「異常に気づいたら受診」という行動変容に主目的を置く、と説明の軸を変えると安全です。
医療機関内の指導(パンフ・待合の掲示・SNS)で書くなら、誤解を減らす定型文が役立ちます。
- 「スマホでのセルフチェックは参考情報です。診断ではありません。」pmc.ncbi.nlm.nih+1
- 「欠け・ゆがみ・暗い部分があれば、早めに眼科へ相談してください。」pmc.ncbi.nlm.nih+1
- 「可能ならPCやタブレットなど大きい画面で確認してください。」
視野欠損チェックをスマホで受診につなぐ問診メモ(独自視点)
検索上位の記事は「やり方」の説明が中心になりやすい一方、医療従事者が本当に困るのは“セルフチェック後にどう受診へつなぐか”の運用です。
そこで独自視点として、スマホで視野欠損チェックをした人が来院した時に、短時間で情報を整理できる「問診メモ」を提案します(患者の語りを、検査選択に落とし込みやすくする目的)。
セルフチェックは診断ではない前提で、受診が必要な情報を抜けなく拾う設計にします。
メモの項目例(紙1枚、もしくはスマホのメモにそのまま書かせる)。
- どの症状:欠け/ゆがみ/中心が見えない/暗くかすむ。pmc.ncbi.nlm.nih+1
- どの目:右/左/不明(片目ずつ確認したか)。
- いつから:突然/徐々に(緑内障のように長期で進む可能性も念頭)。
- どの場面:読書、PC、スマホ、運転、階段、夜間など(生活機能の影響を把握)。
- チェック条件:距離30cm程度、眼鏡あり、明るさ、画面サイズ(スマホかPCか)。pmc.ncbi.nlm.nih+1
このメモを使う利点は、「セルフチェックの結果」そのものよりも、「どんな異常が、どんな条件で再現するか」という臨床的に価値のある情報に焦点が移ることです。
また、スマホ非対応ツールが存在する現実を踏まえ、患者が行った方法の妥当性(画面サイズなど)も同時に確認でき、説明の質が上がります。pmc.ncbi.nlm.nih+1
最後に必ず、「異常があれば自己判断で様子見せず眼科専門医へ」というメッセージに戻すことで、セルフチェックが受診回避の道具になるリスクを抑えられます。