視神経周囲炎 画像診断まとめ MRI STIR 造影

視神経周囲炎 画像診断まとめ

視神経周囲炎の画像診断:まず押さえる3点
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病変の主座は視神経「鞘」

視神経炎(神経実質)と違い、鞘の造影・浮腫が鍵。軸索造影の有無まで見て鑑別します。

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STIR+脂肪抑制造影T1が基本

眼窩脂肪の影響を避け、炎症性浮腫と輪状造影を拾うために、この組み合わせが有用とされています。

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再発・二次性を前提に組む

本邦レビューでは再発が一定割合あり、全身疾患に伴う二次性も多彩で、初回から検索・フォロー設計が重要です。


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視神経周囲炎のMRI STIR 造影の基本

視神経周囲炎(optic perineuritis: OPN)は、病変の主座が視神経「鞘」で、視神経の脱髄を主体とする視神経炎とは別の病態として整理されます。

画像診断の中心は眼窩部MRIで、急性変化の評価にはSTIR(脂肪抑制)と脂肪抑制併用のガドリニウム造影T1強調画像の組み合わせが有用とされています。

STIRでは脂肪が抑制され、遅い水の流れ(髄液や静脈、炎症性浮腫)が高信号になりやすいため、眼窩内の構造物と視神経周囲の変化を見分けやすくなります。

撮像で重要なのは「断面」と「脂肪抑制」です。冠状断は左右差が一枚で比較でき、視神経周囲(くも膜下腔や鞘)を輪切りで追えるため、輪状造影などの形態パターンが拾いやすくなります。semanticscholar+1​

造影T1で脂肪抑制をかけないと眼窩脂肪が高信号になり、病変の造影が埋もれやすいので、依頼時点で「脂肪抑制併用」を明確にするのが実務的です。

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/a3d99095216f20b971763721d8563f1ddd01b52e

視神経周囲炎のtram-track ドーナツ様所見

OPNの代表的所見として、視神経鞘の造影が軸位で“tram-track”様、冠状断で“doughnut(ドーナツ)”様に見える所見が報告されています。

ここでのポイントは、視神経“そのもの”の造影ではなく、周囲の鞘(硬膜成分)に沿った造影パターンである点です。

T2系でも同様の形態が示唆され、浮腫性変化として理解できることが示されています。

一方で、輪状造影というパターン自体はOPN専用ではありません。髄膜癌腫症でも視神経周囲が輪状に造影され得るため、頭蓋内髄膜の造影所見など“眼窩外”の手掛かりをセットで探す必要があります。

つまり「輪状造影=即OPN」ではなく、視神経周囲の所見に加えて、臨床(眼痛、発症様式、両眼性か)と、頭蓋内病変の有無で読みを締めるのが安全です。semanticscholar+1​

視神経周囲炎と視神経炎の鑑別 画像診断

視神経炎では、STIRで視神経軸索そのものが高信号を示し、造影でも視神経自体の増強が問題になります。

これに対し視神経周囲炎は「視神経鞘の炎症」が本態なので、造影は鞘に沿った輪状パターンが主役で、視神経自体の造影が目立たない形が典型として提示されています。

臨床的にも鑑別が難しく治療の遅れが転帰に影響し得るため、画像で“鞘優位か/神経実質優位か”を意識的に言語化して返すことが、紹介元の意思決定に直結します。

鑑別でつまずきやすいのは、STIRの「見え方」です。STIRは髄液や炎症性浮腫が高信号になりやすい反面、周囲髄液の相対コントラストで強調される見え方も起こり得るため、単一シーケンスに依存しない読みが必要です。

STIRで“明るい”こと自体よりも、造影脂肪抑制T1での増強分布(鞘か、神経か)と、断面パターン(tram-track/ドーナツ)をセットで評価するのが実戦的です。semanticscholar+1​

視神経周囲炎の再発 ステロイドと画像フォロー

OPNはステロイドが著効し得る一方で、治療が遅れたり設計が不十分だと重篤な視力低下をきたし得ること、再発再燃が多いことが指摘されています。

本邦30症例のレビューでは、再発が一定割合でみられ、転帰不良例(重度視力低下を含む)も一定数あるとまとめられています。

そのため画像診断は「初回診断」だけでなく、再燃時に同じパターンで動いているか、別の病態(腫瘍性、髄膜病変、血管炎など)にシフトしていないかを追う役割も担います。

フォローの実務としては、初回と同条件で比較できることが強い武器になります。眼窩部の撮像はFOVやスライス厚、体動アーチファクトで画質がぶれやすいので、施設内で「視神経プロトコル」を固定化しておくと再発時に差分が読みやすくなります。

治療前後でSTIRの視神経周囲高信号が目立たなくなる例が提示されており、治療反応性の評価としても一定の意味があります。

視神経周囲炎の独自視点:依頼文で決まる画像診断

検索上位の「所見まとめ」では、撮像や依頼の“書き方”が軽視されがちですが、実地では依頼文が画像診断の質を左右します。

眼窩MRIは「撮り方を誤ると無駄な検査になってしまう」という趣旨で、撮影条件の工夫や、技師・読影医とのコミュニケーションの重要性が強調されています。

このため、依頼時点で「視神経周囲炎疑い、脂肪抑制STIR+脂肪抑制造影T1、冠状断重視、可能なら軸位も」まで指定すると、典型サイン(tram-track/ドーナツ)に寄せた画像が得られ、結果として診断と治療開始が速くなります。

さらに、輪状造影の鑑別として髄膜癌腫症も挙がるため、臨床側が“既知の悪性腫瘍”や“頭痛・脳神経症状”を依頼文に添えるだけで、頭蓋内髄膜の造影評価が優先され、見逃しリスクが下がります。

画像診断まとめを現場で機能させるコツは、所見暗記ではなく「読影者が迷わない入力(依頼)」「比較可能な再現性(プロトコル)」の2点を、チームで運用することです。

有用:本邦症例レビュー(再発率、転帰不良例、典型MRI所見 tram-track/doughnut、脂肪抑制造影T1推奨)がまとまっています(再発・治療設計の根拠)。

https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/057110716.pdf

有用:眼窩MRIの基本(STIRと脂肪抑制造影T1の意義、輪状造影の鑑別、撮像条件の工夫)が整理されています(撮像依頼・プロトコル整備の根拠)。

http://www.hbrf.jp/journal/27-2.pdf