視性乱視 弱視
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視性乱視の定義と経線弱視(meridional amblyopia)
視性乱視は、乱視によって網膜上の像が経線方向に持続的にぼけ、視覚中枢の発達が阻害されることで「経線弱視(meridional amblyopia)」として表現される病態を含みます。
医学的には弱視(amblyopia)は「斜視・屈折異常・形態覚遮断が原因となる小児期の視力の発達障害」と整理され、屈折異常の一部として乱視が位置づけられます。
この枠組みで考えると、視性乱視は「乱視がある」こと自体よりも、「感受性期に、鮮明像が入力されない」ことが本質になります。
臨床で誤解されやすい点は、保護者が「乱視=形が歪んで見える病気」と受け取る一方で、小児の弱視は“見え方の自覚”が乏しいまま進むことです。
参考)302 Found
不同視弱視が生活上ほぼ気づかれないのと同様に、視性乱視(特に両眼性の乱視が一定以上あるケース)も、健診で初めて顕在化することがあります。
したがって医療者側は「本人が困っていない=問題が軽い」と短絡せず、視力発達の時間軸で説明する必要があります。
視性乱視の原因:屈折異常・乱視・遠視の関係
弱視の原因は大別して「形態覚遮断」「屈折異常」「斜視」であり、乱視は屈折異常に含まれます。
屈折異常弱視の説明では「遠視が多いが、程度が強ければ近視や乱視でも起こる」とされ、乱視単独でも弱視リスクになり得る点が明確です。
遠視は近くでも遠くでもピントが合いにくく、眼鏡なしでは鮮明像が得られにくいという説明は、遠視性乱視の理解にも直結します。
小児では調節力が非常に強く、遠視が潜伏しやすいため、遠視成分を伴う乱視(遠視性乱視)では「強い調節で見えているように振る舞う」ことが起こり得ます。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/488e80cdf98b863aa88c4daa116c4f1ad558d6ec
このため、無処置下のオートレフ値だけで軽症と判断すると、実際にはより大きい遠視・乱視が隠れている可能性があります。
視性乱視のリスク評価は、屈折の種類(遠視・近視・乱視)と程度に加え、両眼視、眼位、生活場面(近見負荷)まで含めて考えるのが安全です。
「意外に見落とされる視点」として、学童期以降でも“視力が1.0に届いていない理由”が、単なる学習不振ではなく屈折矯正不十分である場合があります。
小児の視力は発達段階にあるため、検査の種類(絵視標 vs Landolt環)や読み分け困難など、測り方の影響を受けます。
視性乱視を疑うときは、視力値の高低だけでなく「左右差」「近見での負担」「検査の再現性」をセットで評価すると実臨床で迷いが減ります。
視性乱視の診断:調節麻痺薬と屈折検査の要点
小児の屈折検査では調節麻痺薬の使用が不可欠であり、トロピカミド、シクロペントラート塩酸塩、アトロピン硫酸塩が代表として整理されています。
小学生以下の屈折異常が疑われる場合は、屈折状態を確実に知るためにシクロペントラート塩酸塩を用いることが基本とされています。
内斜視がある場合や、より強い調節麻痺が必要な場合にはアトロピン硫酸塩点眼が選択され得る点も重要です。
さらに、強度乱視では「乱視軸が正確に検出される」という理由でアトロピン硫酸塩点眼が有用になり得る、という臨床的示唆があります。
この“軸の再現性”は視性乱視の管理で地味に効くポイントで、軸ズレのまま眼鏡を作ると、矯正しているのに視力が伸びない(あるいは疲れる)という状況を招きます。
診断の基本動線としては、眼位・眼球運動、前眼部の観察、調節麻痺下屈折検査、眼底検査まで含めた一般検査の流れが示されています。
副作用面も医療者説明に必須で、調節麻痺薬は散瞳と近見ぼやけが起こり、薬剤により持続時間が異なるため事前説明が必要です。
アトロピン硫酸塩では顔面紅潮や発熱などの副作用が報告され、低年齢で発現率が高い傾向が示されています。
視性乱視の診断精度を上げるための調節麻痺は「やる/やらない」ではなく、「目的(隠れ遠視の除外、乱視軸の確定)とリスク説明をセットで実施する」ことが実務的です。
視性乱視の治療:眼鏡処方と装用指導(小児)
小児の屈折矯正は「生活視力の改善」だけでなく、正常な視力発達の確保という治療的意義を持つ点が強調されています。
弱視や斜視のある小児では、調節麻痺薬を用いた精密屈折検査による遠視・乱視・不同視の完全矯正が原則であり、視性乱視もこの原則の中で扱われます。
屈折異常弱視・不同視弱視ではまず眼鏡装用が重要で、視力の左右差や改善不十分があれば遮閉など追加治療を組み合わせる流れが示されています。
眼鏡処方の実務では、処方後の成否を分けるのは「度数」だけでなく、フィッティングと装用状況です。
処方後のチェック項目として、処方箋どおりの度数・PDで作製されているか、レンズ光学中心が瞳孔中心と合っているか、フィッティングに問題がないかを確認する必要があるとされています。
小児は眼鏡の扱いが乱暴で、フレーム変形やレンズ傷が治療効果を落としうるため、受診時に状態確認を必須とする運用が推奨されています。
装用指導では、治療用眼鏡は「すぐ見えるようになる道具」ではなく、視覚発達を支える治療であることを繰り返し丁寧に説明し、終日装用を支援する姿勢が求められます。
また、園・学校の理解と協力が小児の装用継続に不可欠である点が明記されています。
視性乱視は“眼鏡さえ作れば終わり”になりやすい領域だからこそ、医療側が「処方→装用→再評価→微調整」をプロトコルとして回すと、改善の頭打ちを減らせます。
参考:小児の屈折検査・調節麻痺薬・眼鏡処方の標準的な考え方(ガイド相当)
視性乱視の独自視点:保護者説明と「検査できない子」対応
視力検査ができない乳幼児や神経発達症(発達障害)児では、他覚的屈折検査に基づいて眼鏡を処方するという考え方が明示されています。
また、視力検査が難しい場合の工夫として、近見視力検査の活用、絵視標の利用、視覚的な説明ツール(手順カード等)で検査の見通しを持たせることが有用とされています。
この層は「視性乱視を見逃しやすい」一方で「早期介入のメリットが大きい」ため、医療者の説明設計が治療の一部になります。
独自視点として強調したいのは、保護者説明で“乱視の数値”を主役にしないことです。
小児の屈折矯正は視力発達と学習・行動にも影響し得るとされ、眼鏡の必要性を生活の場面(読み書き、集中、姿勢)に結びつける説明が有効です。
さらに、眼鏡を嫌がる子では「短時間から慣らす」「装用を妨げるフィッティング不良を先に潰す」など、行動科学的な介入が現実的な解決策になります。
もう一つの盲点は、治療が進んで視力が改善しても、感受性期内では屈折矯正の継続が必要で、眼鏡を中止すると再発し得る点です。
弱視の治療目標は矯正視力1.0であること、そして“矯正して1.0なら弱視ではない”という定義は、視性乱視の説明でも混乱を解く鍵になります。
「視性乱視=一生治らない」でも「眼鏡=一生外せない」でもなく、「発達期に適切な入力を確保して、将来の視機能の取りこぼしを減らす」という語りに置き換えると、同意形成が速くなります。
参考:弱視の定義・屈折異常弱視・不同視弱視・治療(眼鏡、遮閉、アトロピン)を簡潔に整理
弱視(日本弱視斜視学会)

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