資格申立書 レセプト 不詳 旧資格情報 摘要欄

資格申立書とレセプト

この記事でわかること
🧾

不詳レセプトの要件と書き方

被保険者番号等が分からない場合に、資格申立書の内容を摘要欄へどう落とし込むかを具体化します。

🔁

旧資格情報で請求する判断軸

「資格(無効)」表示や過去受診歴から、旧資格情報請求へ切り替える際の注意点を整理します。

🛡️

返戻を減らす運用設計

受付・会計・レセプト担当の連携、記録の残し方、患者説明のテンプレ化など、現場で効く小技を紹介します。

資格申立書 レセプトの全体手順(現在→過去→不詳)

オンライン資格確認がうまくいかない場面は、機器トラブルだけでなく、電子証明書の期限、資格情報の登録タイミング差、転職・転居直後など、現場の努力だけでは避けきれない要因が混ざります。厚生労働省の整理では、レセプト請求は「①現在の被保険者番号等が確認できる」「②過去(旧資格情報)なら分かる」「③どれも分からないので資格申立書を基に不詳で請求」の順に、可能な方法を選ぶ流れが明示されています。根拠となる資料を一度チームで共有しておくと、受付・算定・請求が同じ前提で動けます。

ポイントは「確認できない=請求できない」ではなく、「確認ルートを段階化して請求の型を決める」ことです。厚労省資料では、③の場合に“被保険者番号等は不詳として『7』を必要な桁数分入力し、資格申立書に記載された住所・連絡先等を摘要欄へ記載する”とされています。つまり、不詳は“空欄”ではなく“定められた形式での入力”です。

現場向けに、まずは判断フローを文章で固定しておくと迷いが減ります。

・患者からの聞き取り、過去の受診歴、院内の控え(前回レセプト控・患者登録)で「現在の資格情報」が確認できる → その番号等で請求(最優先)

参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001330101.pdf


・オンライン資格確認の「資格(無効)」画面や過去受診歴などで「過去の番号等」は分かる → 旧資格情報として請求(摘要欄へ旧資格情報の趣旨を残す)

参考)オンライン資格確認ができない場合のレセプト請求方法を事務連絡…


・現在も過去も番号等が特定できない → 資格申立書を記入してもらい、不詳レセプトとして請求(摘要欄が勝負)

参考)なし – 医療機関等向け総合ポータルサイト

ここで、患者対応の説明も“順番”が大切です。最初から「申立書を書いてください」だと不信感を招きやすいので、「確認ができないときの公的な手順が決まっている」「住所・連絡先をお預かりするのは保険者照会に必要」という説明にすると協力が得られやすくなります(説明の根拠は厚労省の手順に寄せるのが安全です)。

参考:公的な手順(①→②→③)が図解でまとまっている(受付フローの院内掲示にも転用しやすい)

厚生労働省「医療機関・薬局での資格確認とレセプト請求(令和6年12月2日以降の取扱い)」

資格申立書 レセプトの摘要欄(不詳・カナ氏名・連絡先)

不詳レセプトで最も差が出るのが摘要欄です。社会保険研究所の解説では、「不詳」を摘要欄先頭に記録し、その下段に資格申立書に記載された患者カナ氏名、保険種別、保険者等名称、事業所名、住所(複数あれば全て)、連絡先、患者へ連絡を行った日付等を記録する、という実務的な書き方が示されています。

また、厚労省の資料でも、不詳レセプトの条件として「被保険者資格申立書に記入された患者の住所・連絡先等を摘要欄に記載」し、被保険者番号等は不詳で「7」を必要桁数入力することが明記されています。

オンライン資格確認等システムのナレッジベースでも同様に、資格申立書の記載内容(住所・連絡先等)を摘要欄へ記すことが、不詳請求の要件として整理されています。

摘要欄に書く情報は「多いほど良い」ではなく、「後工程(支払基金・国保連・保険者照会)で特定に必要な情報が欠けていない」ことが重要です。現場では、資格申立書の記入漏れがあると摘要欄にも反映できず、結果的に照会が止まって返戻リスクが上がります。記入漏れを減らすために、受付で次の“必須チェック”だけは一行チェックリストにしておくと有効です。

✅カナ氏名(濁点・長音を含め正式)

✅住所(転居直後は旧住所も)

✅連絡先(携帯が望ましい)

✅勤務先や保険者名称(分かる範囲で)

✅本人署名(施設ルールに従い必須扱いに)

意外に見落とされやすいのが、「住所が複数存在する場合は全て」という運用です。単身赴任、里帰り出産、施設入所、短期滞在など、保険者照会に“揺れ”が出るケースでは、複数候補を書いておく方が照会が前に進みやすい、と実務解説で触れられています。

資格申立書 レセプトの旧資格情報(資格無効・受診歴)

不詳へ行く前に、旧資格情報で請求できる場面は少なくありません。厚労省資料では、オンライン資格確認の「資格(無効)」画面や過去の受診歴等から確認できた“過去”の番号等を入力し、資格無効の場合は喪失した旧資格情報で請求するよう示されています。

社会保険研究所の解説でも、旧資格情報に基づき番号等を記録して請求し、摘要欄に「旧資格情報」である旨を記録する運用が書かれています。

さらに同解説では、条件によっては「レセプト振替機能」を活用し、医療機関へ返戻することなく新たな保険者へ自動的に振り替える仕組みがある一方、保険者登録が間に合っていない場合や公費併用などでは振替できず返戻になり得る点も触れられています。

ここでの現場のコツは、旧資格情報で請求する際に“根拠がどこにあったか”を内部記録として残すことです(レセプト摘要欄のルールとは別に、院内の業務記録として残すイメージ)。例えば、

・「資格(無効)」画面で確認したのか

・前回受診の登録情報を患者に口頭確認したのか

・マイナポータルの画面(PDF含む)を確認したのか

この区別は、後日の問い合わせ対応で効きます。厚労省資料には、マイナポータルからダウンロードしたPDFも活用できる旨、また資格情報をオンライン資格確認等システムからダウンロードしておくと事後確認が可能になる旨が示されています。

資格申立書 レセプトの返戻(不詳レセプト・支払基金・国保連合会)

返戻をゼロにするのは難しいものの、「返戻になりやすい条件」を知っておけば、受付段階で潰せる原因もあります。実務解説では、不詳で請求するレセプトの扱い(時期や手順)や、旧資格情報・不詳の使い分けが具体的に示されています。

また、日本歯科医師会の案内でも、資格情報が不詳の場合のレセプト記載方法として、「先頭に不詳(紙は欄外に赤色で不詳)」「不詳の下段に資格申立書に基づく情報を記載」といった運用が紹介されています。

参考)何らかの事情により顔認証付きカードリーダでの受付が出来ない場…

厚労省資料でも、不詳請求の基本要件(摘要欄の住所・連絡先等、番号は7埋め)が明確なので、返戻対策は“独自ルール”ではなく“公的に示された要件の満たし方”に寄せるほど安全です。

返戻が起きたとき、請求担当だけで抱えず、受付へ「次回からの予防策」をフィードバックするのが効果的です。よくある改善ポイントは次の通りです。

・資格申立書の記入漏れ(住所・連絡先)を受付で二重チェックする。

・旧資格情報で請求した場合は摘要欄に旧資格情報の趣旨を残し、院内記録に根拠(画面/聞き取り/受診歴)も残す。

・「不詳」と「旧資格情報」を混在させない(どちらの型で請求したかを固定する)。

参考:資格確認ができないときの窓口対応・不詳の記載がまとまっている(歯科向けだが考え方は共通)

日本歯科医師会「顔認証付きカードリーダでの受付ができない場合等の対応」

資格申立書 レセプトの独自視点(院内テンプレ・説明文・監査)

検索上位の多くは「制度の手順」や「摘要欄の記載」までで終わりますが、実務では“人が迷わない型”を作るほどミスが減ります。そこで独自視点として、資格申立書とレセプトをつなぐ「院内テンプレ」を、監査・問い合わせ対応も見据えて設計する考え方を提案します(制度の範囲内で、運用を整える話です)。

まず、受付の説明文をテンプレ化します。患者が不安になるのは「なぜ住所や連絡先が必要か」が見えないからなので、厚労省の手順に沿って、次のような短文を用意すると現場が安定します。

・「本日は資格確認ができないため、公的手順に沿って、保険者照会に必要な情報として住所と連絡先を申立書にご記入いただきます。」​
・「確認ができ次第、適正な自己負担となるよう対応します(不足・過払いは精算します)。」​

次に、資格申立書を回収した後の院内フローも決めておきます。紙で保管するだけだと、返戻時に探し出せず、再取得になりがちです。個人情報の取扱いルールに従いつつ、

・回収日

・担当者

・摘要欄へ転記した項目(住所・連絡先等)

・患者へ連絡した日付(必要な場合)

を“最低限のログ”として残すと、引継ぎが容易になります(実務解説でも「患者への連絡を行った日付」を摘要欄に記録する運用が示されています)。

さらに「7埋め」が必要桁数分という点は、新人がつまずきやすいので、レセコンの設定資料と一緒に院内手順書へ明記しておくのが安全です。厚労省とオンライン資格確認等システムの案内で「7」を必要桁数分入力することが繰り返し示されているため、“人の記憶”に頼らず、手順書で固定する価値があります。

最後に、意外と効くのが「想定問答(FAQ)」です。例えば、

・Q:資格申立書の一部負担金割合が違っていたら返戻になる?

・Q:住所が旧住所と新住所で違うが、どちらを書く?

・Q:連絡先が書けないと言われたら?

このような“受付で揉めやすい問い”は、院内で回答の軸を揃えるだけで、患者満足と請求精度の両方が上がります(回答の根拠は厚労省の手順・院内規程・個情法対応に寄せて整備します)。