視覚皮質障害と視野障害
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視覚皮質障害の症状と視野障害の特徴
視覚皮質障害は、一次視覚野(後頭葉)や視覚連合野の損傷により生じる中枢性の視覚障害で、眼底や瞳孔反射など末梢所見が目立たないのに「見えにくい」「見え方が変」と訴えることが臨床上の落とし穴になります。
症状の柱は「視野障害」と「高次視覚症状」に大別でき、前者は同名半盲などのパターンとして出やすい一方、後者は変形視・視覚性異常感覚・視覚保続など“見え方の質”として語られやすい点が特徴です。
医療面接では、患者が「半分見えない」を自覚していないケースもあるため、転倒・ぶつかり・読み飛ばし・食器の片側だけ残す等の行動から視野欠損を推定し、必要なら簡易な対座法→正式な視野検査へつなげます。
【臨床での確認ポイント(例)】
- 片側の人に気づきにくい、呼びかけへの反応が遅い(同名半盲の可能性)
参考)脳梗塞後の後頭葉障害がもたらす視覚と言語理解の問題とは – …
- 「物が歪む」「顔の一部が変」に見える(後頭葉機能低下・視覚連合野の可能性)
- 視野障害に加えて“像が残る/移る”訴え(視覚保続・視覚性異所感覚を示唆)
視覚皮質障害の診断と検査(視野検査・MRI)
中枢性が疑われるのに眼科的な他覚所見が乏しい場合、皮質盲を含む視覚皮質由来の障害を念頭に置き、CTやMRIなどの画像検査を積極的に検討する、という臨床的な指摘があります。
また、脳疾患の評価としてMRIが網羅的に有用であること、視覚症状が脳卒中などのサインになり得ることも臨床現場では再確認しておきたい点です。
視野評価は「自覚症状の言語化が苦手な患者」ほど価値が上がるため、検査結果のパターン(例:同名性の欠損)と画像上の病変部位(後頭葉・視放線など)を突き合わせ、病態説明とリハ計画に直結させます。
【検査の実務メモ】
- 視野検査は“本人の努力・注意”に左右されるため、疲労や失語、注意障害があるときは再検や方法変更を前提に解釈する(過小評価に注意)。
参考)https://archive.okinawa.med.or.jp/old201402/activities/kaiho/kaiho_data/2008/200808/059.html
- MRIで病変確認後、視野欠損だけでなく、読字・物体認知・空間把握などADL上の困難も併せて評価する(連合野障害の拾い上げ)。
参考)一風変わった視覚障害は早期のアルツハイマー病のサインかも|医…
視覚皮質障害の原因(脳梗塞・後頭葉)
視覚皮質障害の代表的背景には、後頭葉領域の脳梗塞・脳出血などがあり、後頭葉障害では視野狭窄や同名半盲が起こり得ると整理されています。
臨床では「視覚症状のみ」で発症することもあり、片麻痺などが目立たないケースほど初期対応が遅れやすいので、視覚訴えから神経画像へつなげる導線をチームで共有しておくことが重要です。
さらに、脳卒中や脳腫瘍など中枢性の視野障害では、視神経周囲の網膜菲薄化がOCTで評価されることがある、という臨床実装寄りの視点も押さえておくと眼科連携がスムーズです。
【鑑別で混乱しやすい点】
- 末梢(視神経炎など)でも視野欠損は起きるため、痛み・経過・眼科所見・画像をセットで捉える。nichigan+1
- 「視野欠損」だけで説明できない訴え(複数物体の同時認識困難、写すのが苦手等)は、後部皮質萎縮症(PCA)など変性疾患の可能性も視野に入る。
視覚皮質障害のリハビリテーションと眼球運動
視覚野の障害後でも、数か月にわたるトレーニング/リハビリテーションで眼球運動などの視覚機能が改善し得る、という霊長類研究の示唆は、患者説明の希望の作り方に直結します。
同研究では、回復した眼球運動は“通常と同じ質”ではなく、開始タイミングが早い一方で微調整が効きにくいなど、代償経路を使った別様式の制御が示されています。
また、視野欠損に対する反復刺激療法の症例報告では、視野改善だけでなく、半盲側への注意の高まりや頸部回旋など代償能力の向上が関与し得ると述べられており、「回復」と「代償」を分けて目標設定する重要性が読み取れます。
【現場で使える“介入の言語”】
- 「欠けた視野を戻す」だけでなく、「欠けを前提に探索・注意・頭部回旋を上げる」も同じくらい価値がある。
- 眼球運動の訓練は、視野そのものよりもADL(歩行・探索・読字)に効いている場合があるため、アウトカムは生活課題で取る。
視覚皮質障害と盲視の評価(独自視点)
視覚野が損傷しても、意識的には見えていないのに位置当て等ができる「盲視」が知られており、リハ設計では“患者の主観”だけで残存機能を見切らない姿勢が重要になります。
さらに、視覚野障害のサルで、見た点の位置を無意識に記憶して眼を向けられること、そして中脳(上丘)の神経活動が待機時間中も持続するなど、代償的に記憶を担うように変化し得ることが報告されています。
この知見を臨床に翻訳すると、視野検査では陰性でも“探索課題・視線誘導・反応時間”などで実用的な残存機能が見える場合があり、評価設計(机上検査+課題遂行)を組み合わせる意義が増します。
【意外に効く説明フレーズ(例)】
- 「見える感覚は弱い/なくても、脳が情報を拾って動けることがあるので、訓練の価値が残っている可能性があります。」
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/31c824136fe0e7027fa82402d1b32383ff0e478f
- 「“見えない=ゼロ”ではなく、“使える形に変える”のが目標です(回復+代償)。」
(盲視と回復メカニズム、視野計では拾いにくい回復の可能性:社会的意義の記載)
生理学研究所・JST:視覚野損傷後のトレーニングで眼球運動などが改善し得ること、視野計では見逃される回復や盲視の考え方を解説
(視覚野障害でも無意識に位置を記憶し得る、上丘の関与:リハ応用の示唆)
JSTプレスリリース:視覚野障害後に中脳(上丘)が無意識の空間記憶に関与する可能性と、視野障害患者リハへの応用可能性を解説

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