斜視性弱視 治療 眼鏡 遮閉 斜視手術

斜視性弱視 治療

斜視性弱視 治療の要点
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まず眼鏡で土台作り

屈折検査(調節麻痺薬)で度数を決め、眼鏡で“見える状態”を安定させてから次の治療を組み立てます。

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遮閉で弱視眼を使わせる

固視異常があれば健眼遮閉で固視矯正し、視力が伸びない場合は遮閉や薬(アトロピン)を追加します。

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健眼弱視化(逆転)を監視

遮閉や薬で健眼の固視能力低下が先行することがあり、視力より先に“固視の変化”を拾う設計が安全です。


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斜視性弱視 治療の原因と診断と固視

 

斜視性弱視は、斜視があることで片眼が網膜の中心(中心窩)で物を見ない状態が続き、視力発達が妨げられる病態として説明されます。

見た目で分かりにくい軽い斜視でも起こり得て、片眼性のため日常生活では気づかれにくく、3歳児健診や就学時健診で見つかることが多いとされています。

診断は「視力検査で眼鏡をかけても片眼の視力が十分に出ない」ことに加え、詳しい検査で中心で見ていない(固視異常)可能性を評価し、調節麻痺薬を点眼して屈折異常の有無も確認します。

医療従事者向けの実務ポイントとして、治療開始の説明では「視力」だけでなく「固視(どの眼で目標を捕まえ続けられるか)」が、斜視性弱視でとくに重要な観察軸になります。

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古典的には、アトロピン療法で健眼の視力低下より先に“両眼性固視検査で健眼の固視能力が低下した”ことが、健眼弱視化の最初の徴候だったと報告されています。

このためフォローアップ設計では、視力値の上下だけで安心せず、「固視の優位がどちらに寄っているか」を短い間隔で拾える導線(診察時のルーチン化)が安全側です。

斜視性弱視 治療の眼鏡と屈折検査

弱視治療全体の原則として、屈折異常があれば眼鏡で矯正し、まず“見える入力”を整えることが土台になります。

小児の屈折評価は調節の影響が大きいため、調節麻痺薬を点眼して屈折検査を行うことが診断・治療設計に含まれます。

斜視性弱視でも不同視弱視を合併することがあるとされ、眼鏡度数の最適化は「弱視眼だけの問題」ではなく両眼機能を成立させる前提条件になります。

現場では「眼鏡が先、遮閉はその次」という順序が保護者説明で抜け落ちやすく、遮閉だけ頑張ってしまうケースが起こります。

しかし、眼鏡で焦点が合っていない状態のまま遮閉時間を増やしても、弱視眼へ与える視覚刺激の質が上がらず、治療効率が落ちるリスクがあります。

眼鏡装用の徹底は“治療の努力量を正しく効かせる”意味があるため、装用状況の確認(装用時間、ずれ、鼻パッド、レンズ傷、度数変更の適時性)を診療側が点検項目として持つと介入が安定します。

斜視性弱視 治療の遮閉とアトロピン

斜視性弱視の治療・管理として、固視異常があれば固視矯正のために健眼遮閉を行い、固視が正常になった後も視力を上げるために遮閉や薬剤(アトロピン)点眼、必要により斜視手術を行うことがあると整理されています。

不同視弱視など他タイプの弱視でも、眼鏡装用で改善が不十分なときに健眼遮閉を行うことが多く、アトロピン点眼治療も選択肢として示されています。

また、視力の成長には臨界期(感受性期)があり、10歳頃までを過ぎると治療に反応しにくくなるため、早期治療ほど反応が得やすいとされています。

遮閉やアトロピンは「弱視眼を使わせる」強い介入である一方、逆方向の副作用として健眼の弱視化(いわゆる遮閉弱視・逆転)を起こし得ます。

斜視弱視に対する健眼へのアトロピン点眼で、点眼中だけでなく終了後に時間が経ってからも健眼が弱視化した症例が報告され、最初の徴候として健眼の固視能力低下が視力低下に先行したと述べられています。

したがって「視力が上がったから終了」ではなく、終了後もしばらくは“固視優位がどちらに寄るか”“読み分け困難の訴えや行動変化がないか”を含めて経過観察する、といった安全設計が必要です。

斜視性弱視 治療の斜視手術とタイミング

斜視性弱視では、固視異常の是正や視力改善の介入に加えて、斜視手術が治療選択に入ることがあります。

日本弱視斜視学会の解説でも、固視が正常になった後に視力を上げる目的で、健眼遮閉や薬剤点眼に加え「斜視手術を行うことがある」と記載されています。

つまり手術は“見た目を整えるためだけ”に閉じず、両眼機能の成立や弱視治療の流れの中で位置づけられる介入として説明できます。

実際の説明では、手術適応の有無にかかわらず「弱視治療で視力を伸ばすフェーズ」と「眼位を整えて両眼視の土台を作るフェーズ」が前後することがあり、家族が混乱しやすい点が落とし穴です。

この混乱は通院中断につながりやすく、結果として感受性期に十分な治療量を確保できないリスクになります。

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診療側は、どの時点のゴールが「視力1.0(眼鏡下)」なのか、どの時点のゴールが「固視・眼位・両眼視」なのか、ゴールを2軸で明確化して同意形成するほうが治療継続性が上がります。

斜視性弱視 治療の独自視点と逆転のサイン

独自視点として強調したいのは、健眼弱視化(逆転)の“見逃されやすい初期サイン”は、視力表の数字より先に、固視のふらつきや優先固視の移行として現れ得る点です。

1993年の報告では、アトロピン療法で健眼が弱視化した全例において、視力低下に先立ち両眼性固視検査で健眼の固視能力低下が観察されたとされています。

さらに、点眼終了後7〜17週で偏心固視が発生した例もあり、「治療をやめた後の数週間〜数か月」も逆転リスクの窓として意識する必要があります。

ここから臨床運用に落とすと、次のような“逆転を拾うチェック項目”をカルテテンプレに入れるだけでも、リスクの見落としが減ります。

・遮閉/アトロピン中のチェック:片眼視力だけでなく、両眼開放時にどちらが目標を取り続けるか(優先固視)を毎回確認する。

・終了判断のチェック:弱視眼が改善していても、弱視眼の優先固視が強すぎる状態で終了しない(終了後の逆転リスクを説明し、短期フォローを予約する)。

・家庭での観察ポイント:読み分け困難(以前できた細かい作業が急に苦手)、顔を傾ける・片眼を閉じる、近見作業を嫌がる等を“受診トリガー”として共有する。

診断・治療は医師の指示のもとで行い、疑わしいサインが出たら「遮閉時間を自己判断で増減しない」ことを家族に強調するのが安全です。

固視・弱視の基礎と、斜視弱視の診断/治療(眼鏡、遮閉、アトロピン、斜視手術)の整理。

日本弱視斜視学会「弱視」

アトロピン療法で健眼弱視化が起こり得ること、視力低下に先行する固視能力低下、点眼終了後に遅れて起こる偏心固視などの注意点。

日本眼科学会誌(PDF)「斜視弱視のアトロピン療法における遮閉弱視の発現」

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