セルフメディケーション申請方法とスマホ活用
セルフメディケーション税制対象医薬品の確認方法
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品は、医師によって処方される医療用医薬品から薬局やドラッグストア等で購入できる一般用医薬品に転用されたスイッチOTC医薬品が中心となります 。具体的には、解熱鎮痛薬や胃腸薬、皮膚用薬など、83種類の有効成分を含む1,600以上の商品が対象となっています 。
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対象医薬品の識別は購入時のレシートで確認できます。レシートには控除対象であることが明記されており、一部の商品にはパッケージにセルフメディケーション税制の識別マークが掲載されています 。厚生労働省のホームページでは対象医薬品の詳細な品目一覧が公開されており、薬局や通販サイトでも対象商品を簡単に検索することができます 。
令和4年1月1日からは、従来のスイッチOTC医薬品に加えて、同種の効能や効果を有する一定の医薬品も対象に追加されました 。これにより、風邪の諸症状、アレルギー症状、腰痛・関節痛・肩こりに効果のある3つの症状群を対象とした医薬品も控除対象となり、より多くの市販薬が活用できるようになっています 。
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スマホを使った申請手続きの具体的手順
スマホでのセルフメディケーション税制申請は、マイナンバーカード方式を利用することで自宅から完結できます 。まず、マイナンバーカード読み取り対応のスマートフォンを準備し、国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスします。申告準備では「医療費控除」の選択肢を選び、後の手続きで「セルフメディケーション税制を適用」に変更します。
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マイナポータルアプリをインストールして連携設定を行うことで、給与所得の源泉徴収票の情報を自動取得できます 。ただし、この機能を利用するためには勤務先がe-Taxで源泉徴収票を提出している必要があります。紙の源泉徴収票の場合でも、スマホのカメラで読み込んだり直接手入力することが可能です。
控除等入力画面では、初期設定の「医療費控除」から「セルフメディケーション税制を適用」に切り替え、入力方法を選択します 。医薬品の領収書から個別に入力して明細書を作成する方法と、購入合計額のみを入力する方法の2つが選択できます。個別入力を選ぶとより詳細な申告が可能で、税務署への提出書類も自動的に作成されます。
セルフメディケーション申請で活用できるスマホアプリ
セルフメディケーション税制の申請をより効率的に行うために、専用のスマートフォンアプリが複数提供されています。東芝テックの「スマートレシート」は、レシートを撮影するだけで対象商品を自動判定し、年間購入金額をリアルタイムで集計してくれる機能を搭載しています 。対象商品の明細をコンビニでプリントして領収書として提出することも可能で、確定申告時の手間を大幅に削減できます 。
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マネーフォワードクラウド確定申告アプリでは、医療費控除やセルフメディケーション税制の申告が簡単に行えます 。給与所得者向けの機能が充実しており、源泉徴収票の連携から控除額の自動計算まで一貫して処理できるのが特徴です。アプリ内で申告書の作成からe-Taxでの送信まで完結するため、税務署への持参や郵送の手間が不要になります。
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薬剤師や医療従事者向けには「スマ的健康ライフ」というアプリも提供されています 。このアプリはセルフメディケーション推進を目的として開発され、患者指導時にエビデンスに基づいた正確な情報を即座に提供できる機能を備えています。一般向けにも無料公開されており、自宅近くのAED検索機能なども搭載した総合的な健康管理ツールとして活用できます。
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マイナポータル連携による医療費情報の電子化活用
マイナンバーカードを健康保険証として利用している場合、マイナポータル経由で医療費通知情報を自動取得できる機能が利用できます 。2021年10月から運用開始されたマイナ保険証システムにより、医療機関での受診データが電子的に蓄積され、確定申告書等作成コーナーと連携して医療費控除の申告に活用することが可能になりました。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/mynumber-medical-deduction/
ただし、この電子化機能にはいくつかの制約があります 。保険診療以外の自由診療や薬局での市販薬購入は自動反映されないため、セルフメディケーション税制の対象となる医薬品購入については従来通り領収書の管理が必要です。また、1年分のデータが完全に反映されるのは翌年2月9日以降となるため、申告のタイミングにも注意が必要です。
家族分の医療費を合算して申告する場合は、マイナポータルで代理人設定を行う必要があります 。配偶者や扶養家族の医療費通知情報を取得するためには事前の登録手続きが必須であり、設定が完了していないと自動連携機能を活用できません。特に世帯主が家族全体の医療費控除を申告する際には、この代理人設定が重要なポイントになります。
セルフメディケーション申請時の注意点と効率化テクニック
セルフメディケーション税制を適用する際の重要な注意点として、通常の医療費控除との選択制があることが挙げられます 。年間10万円を超える医療費を支払った場合は従来の医療費控除を選択することも可能で、どちらか一方のみ適用できるため、控除額が高くなる方を選択する必要があります。特に家族全体で医療費が多い世帯では、両制度の控除額を比較検討することが節税の鍵となります。
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申請の効率化には、購入時からの準備が欠かせません 。対象医薬品を購入する際は必ずレシートを保管し、スマートレシートなどのアプリを活用して定期的にデータを蓄積することで、確定申告時の作業量を大幅に削減できます。年間購入額が12,000円に達した時点で通知を受け取れる設定にしておくと、控除対象となるタイミングを見逃すことがありません。
健康の維持増進および疾病予防のための取り組み証明書類の準備も重要なポイントです 。予防接種の領収書、健康診断の結果通知書、特定健康診査の受診票など、一定の健康増進活動を行ったことを示す書類が必要になります。これらの書類は確定申告書に添付する必要があるため、医薬品購入のレシートと合わせて年間を通じて適切に管理しておくことが大切です。