セロソルブアセテート sds
セロソルブアセテート sdsの危険有害性要約とGHS分類
セロソルブアセテートはSDS上「エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名 セロソルブアセテート)」として整理され、化学名・別名・CAS番号(111-15-9)まで同定情報が提示されます。
医療現場では「同じ薬品でも別名で入ってくる」ことが事故の起点になりやすいため、納品書・ラベル・SDSの“別名欄”を照合する運用が有効です。
GHS分類では、引火性液体(区分3)に加え、眼刺激(区分2B)、皮膚刺激、急性毒性(経口)などの健康影響が要約され、注意喚起語は「危険」とされています。
特に重要なのが生殖毒性で、モデルSDSでは「生殖毒性 区分1B」として「生殖能又は胎児への悪影響のおそれ」が明記されます。
別SDS(試験・研究用の標準物質としてのSDS)でも生殖毒性 区分1Bが示され、さらに単回・反復ばく露での標的臓器毒性(血液系、精巣など)が明示されており、同物質でもSDSにより強調点が異なることが分かります。
セロソルブアセテート sdsのばく露防止及び保護措置(管理濃度・許容濃度)
モデルSDSでは管理濃度が5 ppmとされ、日本産業衛生学会(2005年版)およびACGIH(2005年版)のTLV-TWAも5 ppmで、皮膚吸収性あり(Skin)とされています。
ここでの実務ポイントは、空気中濃度を下げるだけで「皮膚からの取り込み」が残る点で、換気と同じくらい手袋選定・袖口管理・飛沫対策が重要になります。
設備対策として、蒸気発生源の密閉化や換気、静電気放電の予防措置、洗眼器・安全シャワー設置が記載されており、医療施設の検査室・病理・研究部門でも“実験室の基本設備”として再点検できます。
保護具は保護手袋・保護眼鏡/保護面の着用が明記され、別SDSでもP280(保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面)などの具体的な注意書きがまとまっています。
意外と見落とされがちですが、別SDSには「アンプル開口時には保護眼鏡及び保護手袋を着用し、注意して切断する」といった操作上の注意が書かれ、標準物質の開封という“地味な作業”が事故点であることを示唆します。
セロソルブアセテート sdsの応急措置(眼・皮膚・吸入・誤飲)
モデルSDSでは、眼に入った場合は水で数分間注意深く洗浄し、刺激が持続する場合は医師の診断・手当てを受けることが示されます。
皮膚付着は汚染衣類の除去と流水・シャワーでの洗浄が基本で、刺激があれば受診、衣類は再使用前に洗濯・汚染除去とされています。
吸入では新鮮空気下で安静、気分不良なら受診が指示され、予想される症状として眼・鼻刺激、嘔吐、頭痛、麻痺、腎臓障害、遅発性症状として中枢神経系の抑制が挙げられています。
別SDSでも蒸気吸入や誤飲で「めまい、衰弱、疲労、悪寒や頭痛」などが起こり得ること、皮膚・眼では発赤や痛み、皮膚乾燥が示されます。
医療従事者の観点では、曝露直後のトリアージ(洗浄・離脱・観察)だけでなく、遅発性症状や腎機能・血液系への影響可能性を踏まえた「数時間〜翌日の体調変化の聞き取り」をルーチン化すると、軽症見逃しを減らせます。
セロソルブアセテート sdsの生殖毒性と代謝(EGEE・EAA)
モデルSDSでは生殖毒性が区分1Bとされ、ラットの催奇形性試験で母動物に毒性が見られていない用量でも胎児の内臓奇形(心奇形など)や骨格奇形が見られた旨が記載されています。
別SDSでは、この物質が体内でエステラーゼにより加水分解され、エチレングリコールモノエチルエーテル(EGEE)を生成し、さらにエトキシ酢酸(EAA)へ代謝されること、EAAが共通の活性代謝物として毒性発現に関与する、という踏み込んだ説明があります。
ここは検索上位でも“危険:生殖毒性”の一言で終わりがちですが、SDSの記載どおり「代謝で同系列の毒性が現れる」という理解があると、曝露低減の説得力(なぜ妊娠可能年齢の作業者に配慮が必要か)が格段に上がります。
医療施設の実務としては、妊娠中・妊活中の職員の配置転換だけでなく、代替溶媒の検討、密閉系(ドラフト・密栓)への移行、こぼれ対策(吸着材・廃棄手順)までを“生殖毒性対策”として一括で扱うのが有効です。
関連情報(代謝と毒性評価の根拠としてSDS内で引用される国際文書)として、別SDSはCICAD 67(2010)やNITE初期リスク評価などを根拠にEGEE/EAAの位置づけを説明しています。
セロソルブアセテート sdsの現場運用(独自視点:化学名ゆらぎ・受け入れ確認・棚卸)
SDS上、この物質は「セロソルブアセテート」「酢酸2-エトキシエチル」「2-Ethoxyethyl acetate」「Ethylene glycol monoethyl ether acetate」など複数の名称で併記されます。
この“名称ゆらぎ”は、医療施設の購買・ラベル・保管棚・SDSファイルの突合が崩れる原因になり、結果として「SDSはあるのに現場が参照できない」状態を生みます。
対策として、①棚ラベルにCAS番号(111-15-9)を併記、②SDS台帳に別名をタグ化、③入庫時に別名一致をチェック、④年1回の棚卸で“別名統合”を行う、の4点をルール化するとヒヤリハットが減ります。
また、輸送情報として国連番号UN1172、クラス3、容器等級IIIが示されるため、院内搬送でも「引火性液体としての扱い」を徹底し、エレベータ・動線・保管場所(施錠、換気、火気厳禁)の観点で点検できます。
引火点(密閉式で約51~56℃の記載)などの物性もSDSに示されており、冬場でも静電気火花・局所加温(機器の排熱)を想定した管理が必要です。
参考:GHS分類(引火性液体区分3・生殖毒性区分1B・管理濃度5ppm・応急措置など)の根拠がまとまったモデルSDS
参考:Hコード、標的臓器毒性(血液系・精巣)や代謝(EGEE→EAA)の説明があり、研究用標準物質としての取り扱い注意も読めるSDS(PDF)
https://www.gls.co.jp/sds/1021-31274_jpn.pdf

緑十字 有機溶剤標識 エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート) 600×450mm PP 412509