散瞳性瞳孔のう胞と虹彩嚢腫診断治療

散瞳性瞳孔のう胞と虹彩嚢腫

散瞳性瞳孔のう胞の臨床整理
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まず「部位」と「由来」を決める

瞳孔縁に見えるのう胞は、虹彩色素上皮性(暗褐色)か、虹彩実質性(半透明〜灰白色)かでリスクと対応が変わります。

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UBMで「嚢胞」か「充実性」か

色素の強い病変は悪性黒色腫など充実性腫瘍との鑑別が必須で、UBMによる評価が重要です。

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治療が必要な条件を押さえる

視力障害、角膜内皮障害、続発緑内障などの合併が疑われる場合は、経過観察ではなく介入を検討します。


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散瞳性瞳孔のう胞と虹彩色素上皮嚢胞

 

散瞳下に「瞳孔縁から顔を出す黒褐色の球状構造」を認めた場合、虹彩色素上皮嚢胞(色素上皮性)をまず疑います。

虹彩色素上皮嚢胞は虹彩の裏面を覆う虹彩色素上皮から発生し、正面観では虹彩表面の隆起として見えることがあり、断面評価には超音波生体顕微鏡(UBM)が有用です。

原発性の色素上皮性嚢腫は「良性の経過を取ることが多く治療はほぼ不要」とされる一方、瞳孔領を広くカバーして視機能に影響する場合は治療が必要になり得ます。

観察ポイント(外来での見落とし防止)

散瞳性瞳孔のう胞と虹彩実質嚢胞

虹彩実質嚢胞は虹彩実質内の嚢胞で、正面から直接観察でき、色調が半透明〜灰白色になりやすい点が色素上皮性と対照的です。

実質性は「非常にまれ」だが拡大しやすく、視力障害、角膜混濁、角膜内皮細胞数減少、白内障などの原因になり得るため、とくに小児期に見つかった場合は積極的治療が必要とされています。

嚢胞が角膜内皮に接触すると、房水からの酸素やグルコース供給が妨げられ角膜内皮細胞が脱落しうる、という病態整理は臨床判断に直結します。

治療検討の目安(医療者向けに言語化)

  • 角膜内皮接触が疑わしい(前眼部OCTやUBMで位置関係を評価)。jstage.jst+1​
  • 内皮細胞数が減少している、角膜浮腫の兆候がある。

    参考)302 Found

  • 虹彩前癒着や眼圧上昇など、続発緑内障リスクが示唆される。​

散瞳性瞳孔のう胞と鑑別とUBM

虹彩嚢腫は原発性(色素上皮性・実質性)と、手術・外傷・縮瞳薬の長期点眼などで生じる続発性に分類され、病歴の聴取だけでも鑑別精度が上がります。

色素沈着が強い虹彩嚢腫は悪性黒色腫など「充実性腫瘍」との鑑別が必要で、発生部位、透光性、血管新生の有無などの所見に加えてUBM観察が重要とされています。

UBMでは嚢胞腔が低反射腔として描出される、といった“画像での決め手”が得られやすく、診断の確度を上げやすい検査です。

鑑別の実務メモ(カルテに残せる形)

  • 「嚢胞」らしさ:透光性、境界明瞭、内容が液状でUBM低反射腔。jstage.jst+1​
  • 「腫瘍」らしさ:血管新生、充実性、周辺組織の破壊/浸潤を疑う所見(疑えば専門施設紹介)。​
  • 見た目だけで決めない:色素が濃いほど“嚢胞でも怖く見える”ため、UBMで裏を取る。​

参考:鑑別(悪性黒色腫など)とUBM重要性の根拠、原発性/続発性分類の要点

http://www.yuri-s-michikawa.akita-pref.ed.jp/sennta/28.pdf

散瞳性瞳孔のう胞と治療適応と手術

色素上皮性は多くが経過観察で足りますが、瞳孔領を広く覆って視力障害の原因になる場合には治療が必要、という線引きは患者説明でも重要です。

実質性で角膜内皮接触や内皮細胞減少が進む場合は放置リスクが高く、穿刺で再発を繰り返す例もあり、根治を見据えた介入が選択肢になります。

実際の治療例として、嚢胞壁の一部切除で腔をコラプスさせ、切除縁の再閉鎖を防ぐ目的で眼内ジアテルミー凝固を行う、という手術戦略が報告されています。

外来での説明に使える「治療を考える理由」

  • 👁️ 視機能:視軸遮断・羞明・視力低下が臨床的に問題になる。​
  • 🧫 角膜内皮:接触が続くと内皮細胞減少→角膜障害につながり得る。jstage.jst+1​
  • ⛔ 眼圧:虹彩前癒着などを介して続発緑内障のリスクがある。​

散瞳性瞳孔のう胞と意外な関連とACTA2

瞳孔縁の色素上皮性嚢胞が「多発」してフリンジ状に見える所見は iris flocculi(虹彩フロックリ)として整理され、家族性胸部大動脈瘤・解離(FTAAD)との関連が報告されています。

日本人家系の報告では、ACTA2遺伝子異常が背景にあるFTAADと虹彩フロックリの合併例が示され、眼所見が全身リスクの“早期サイン”になり得る点が臨床的に重要です。

さらに、世代をまたいだ経時的観察で虹彩萎縮や虹彩厚の低下が示唆されるなど、単なる「良性のう胞」と決めつけない視点が必要です。

実務での使いどころ(独自視点としての提案)

  • 🧬 「多発の瞳孔縁嚢胞」+「家族歴(大動脈瘤/解離・若年突然死)」があれば、眼科所見から全身評価のきっかけを作れる可能性がある。

    参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6940443/

  • 🩺 すでに循環器通院がある患者では、眼所見を共有しフォローの整合性を取る(紹介状・診療情報提供書に“iris flocculi疑い”を明記)。​

参考:虹彩フロックリと大動脈瘤/解離、ACTA2との関連(日本人家系の経時観察)

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6940443/

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