留置スネア 使い方 クリップ 止血 手技

留置スネア 使い方

留置スネア 使い方:安全に決める要点
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適応を先に決める

茎が太い・大きい有茎性病変など、出血リスクが高いケースで先回りして選択。

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位置取りは「基部寄り」+「距離」

留置スネアは極力基部寄り、切除用スネアは頭部寄りで十分な距離を確保。

🛡️

トラブルは「締めすぎ」と「接触」

締め直し不能を前提に、仮締め・通電接触回避・脱落防止をセットで考える。

留置スネア 使い方:適応 と 止血 の考え方

留置スネアは、内視鏡的に“輪(ループ)で基部を緊縛して血流を遮断する”発想のデバイスで、特に茎が太い有茎性病変での出血予防として位置付けられます。J-STAGEの解説では「茎が太い場合は出血予防のために留置スネアも使用する」とされ、噴出性出血リスクを見越して先に結紮する考え方が示されています。

クリップでも出血予防は可能ですが、茎がクリップ長より太い場合は1個では不十分で、留置スネアを使用すべき、という整理が同解説内にあります。

臨床では「切ってから止血」だと、出血点の視野確保や追加処置に時間がかかるため、出血しやすい形態では“切る前の血流遮断”が結果的に安全側に働きます。

具体的な目安としては、以下のような状況で留置スネアが検討されやすいです。

  • 茎が太く、切断時に動脈性出血が懸念される有茎性ポリープ。
  • クリップ単独では茎を十分に把持できず、機械的な血流遮断が不確実になりそうなケース。
  • 切除後の創部が大きくなり、後出血対策を強化したい状況(ただし病変の形態・切除法とセットで判断)。

なお、患者説明の観点で意外に有用なのが「スネアやクリップは時間がたてば便と一緒に排泄されることがある」という点です。クリニックの解説でも、留置スネアやクリップが“しばらくすると排泄される”旨が触れられています。

参考)留置スネア

留置スネア 使い方:クリップ と 距離 と 固定

安全性を左右する最大のコツは「留置スネアは極力基部寄り」「切除用スネアは極力頭部寄り」「両者の距離を十分に置く」の3点です。J-STAGEの記載では、通電に伴う茎の短縮を見越して距離を置くこと、さらに切除用スネアが留置スネアに接触してはいけないことが強調されています。

距離が近いと、切除用スネアを掛けるときに留置スネアが物理的に邪魔になるだけでなく、通電時に留置スネアの緊縛部へ電流が流れやすくなり、結果として“せっかく留置した留置スネアが脱落する恐れがある”とされています。

このため、現場の動きとしては「留置スネアを締める位置を最初に確定」→「切除ライン(切除用スネア)をその後に決める」という順番が、判断ミスを減らします。

また、実地では“脱落・逸脱”への不安から、留置スネアの手前側に追加でクリップを置いて保険をかける運用が見られます。クリニックの症例紹介では、心配性なので逸脱防止として手前にクリップを掛ける、という実務的な工夫が記載されています。

介助者側で押さえておくと段取りが良くなる確認項目をまとめます。

  • 画面上で「基部」がどこか(切除後に残る“茎の残し”も含め)を術者と共有する。
  • 留置スネアの位置決め後、切除用スネアを掛ける前に「距離が十分か」「接触しない導線か」を声かけ確認する。
  • 追加クリップを使うなら、通電ラインから離し、通電時の金属接触リスクを減らす(接触回避は重要)。

留置スネア 使い方:手技 手順 と 仮締め

留置スネアは“一発勝負”になりやすい手技です。症例紹介でも「輪は締めることはできますが、緩めることはできません。一発勝負」と明記されており、締め込む瞬間に緊張する、と率直に書かれています。

そのため、実践的には「締め込み前の最終確認(位置・距離・視野)」が、止血成績よりも先に“事故回避”へ直結します。

基本的な流れ(概念)は次の通りです。

  • ループを病変の基部(茎の根元)に掛け、基部を緊縛して血流遮断を得る。​
  • 緊縛後、切除用スネアは頭部寄りに掛け、留置スネアと距離を置いて通電切除する。
  • 通電中は留置スネア緊縛部の色調変化に注意しつつ、なるべく短時間で切除する(長時間だと短縮や通電影響が増える)。

ここで“仮締め”は、上位記事でもよく言及される一方、実は奥が深いテーマです。Progress of Digestive Endoscopyには「留置スネア仮締め法に関する一考察」という症例報告タイトルがあり、適切な部位で結紮するための仮絞め法が、逆に切除困難を招いたケースが示唆されています。

参考)Progress of Digestive Endoscop…

つまり、仮締めは万能な安全策ではなく、「仮締めのやり方」「解除・再調整の可否」「術者の流儀」とセットで運用しないと、かえって詰む場面がある、というのが臨床のリアルです。

現場での“すれ違い”を避けるために、介助者は次の聞き方が役立ちます。

  • 「留置スネアは仮締めで位置確認してから本締めしますか、それとも一気に本締めでいきますか?」

    この1文で、仮締めをする派・しない派の両方に対応できます(質問の粒度が具体的で、短時間で合意できます)。

留置スネア 使い方:ループカッター と 余剰 の処理

留置スネアは結紮後、状況によっては“余剰のループ(余った部分)”が邪魔になり得ます。J-STAGEの手技図解では、留置スネアで基部を緊縛したのち「スネアの余分な箇所は,ループカッターで切断・除去した」と記載されています。

余剰が長いと、切除用スネア・ネット回収・追加止血具の導線に干渉し、処置時間が延びるだけでなく、意図しない牽引や視野不良につながることがあります(“安全側の一手”が“邪魔な一本”に変わる)。

ループカッター自体の操作は製品ごとに差がありますが、PMDAの製品情報では、スライダーを押してカッターを開き、ループ(または縫合糸)を受部に正確に載せ、スライダーを引いて切断する、という手順が示されています。

参考)https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/bookSearch/01/04953170401022

この「受部に正確に載せる」が地味に難所で、視野が揺れる・ループがたわむ・粘膜が近い、が重なると“切りたいのはループ、切りたくないのは周辺組織”という緊張感が一気に上がります。

介助者の実務ポイントとしては、次の3つが効きます。

  • ループを切る前に、切断後も留置スネアの結紮が維持される状態(=切るのは“余剰”のみ)を術者と確認する。
  • ループ受部に載せる瞬間は、送気・吸引・体位・スコープ角度の微調整を優先し、“載るまで待つ”判断を共有する。​
  • 切断後に、余剰が視野から消えているか、切断片の回収要否があるかをすぐ確認し、回収具(鉗子・ネット)へ切り替える。

参考:ループカッターの操作手順(スライダー操作など)の一次情報

PMDA:ディスポーザブルループカッターの使用方法(開く→載せる→切断の手順)

留置スネア 使い方:独自視点 介助者 の 声かけ と チェック

留置スネアの成否は、術者の手先だけでなく「介助者のタイミング設計」で大きくブレます。J-STAGEでも留置スネアは“距離”や“接触回避”など、画面上の空間設計が重要とされ、ここは介助者の気づきが介入しやすい領域です。

そこで、検索上位の一般的な“使い方解説”だけでは拾いにくい、介助者向けのチェックを「声かけ台本」として置いておきます(忙しい現場ほど、固定文が強い)。

おすすめの声かけ(状況別)

  • 位置決め前:「基部はここで合っていますか?切除後に茎を少し残す想定ですか?」(茎を少し残す考え方は、クリップを掛ける前提にも関係します)
  • 緊縛直前:「本締めしたら戻せない前提で、距離と向きを最終確認しますね」(“締め直せない”特性の共有)​
  • 切除用スネア前:「留置スネアから距離、十分あります。接触しない導線でいけます」(接触NGの再確認)
  • 通電直前:「留置スネアの緊縛部の色調、確認しながら短時間でいきますか?」(通電中の注意点に沿った声かけ)
  • 余剰処理前:「余剰はループカッターで切りますか?切るなら“余剰だけ”の確認します」(ループカッターの運用へ接続)

最後に、患者・家族対応で地味に役立つ説明の一言も用意しておくと、術後対応が滑らかになります。

  • 「止血や安全のための器具(クリップや留置スネア)は、時間がたつと便と一緒に出ることがあります。」​

この“説明テンプレ”があるだけで、術後の問い合わせ(「金属みたいなものが出た」等)への初動が早くなり、チームの負担が減ります。