リウマチ性多発筋痛症 症状と診断と治療

リウマチ性多発筋痛症 症状

リウマチ性多発筋痛症 症状の要点
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急性〜亜急性の発症

数日〜数週間で肩・頚部・臀部などの痛みと朝のこわばりがそろい、日常動作(挙上・起き上がり・更衣)が一気に難しくなります。

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炎症反応と全身症状

CRPや赤沈が上がり、微熱〜発熱、倦怠感、食欲不振、体重減少、抑うつ症状を伴うことがあります。

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巨細胞性動脈炎の見逃し防止

頭痛・顎跛行・視力障害・高熱などがあれば合併を疑い、PMRとしての少量ステロイドで済ませない判断が重要です。

リウマチ性多発筋痛症 症状のこわばりと痛み

 

リウマチ性多発筋痛症(PMR)は、肩の痛みが最も多く、次いで頚部・臀部・大腿などの疼痛やこわばりが出現し、左右対称になりやすいのが特徴です。

痛みは「腕を挙げる」「起き上がる」など動作時に強く、患者は「着替えがしにくい」「寝返りしにくい」といった生活障害として訴えやすいです。

重要なポイントは“筋痛症”という名称でも、厳密な意味での筋力低下や筋萎縮は基本的に目立たないことです(痛みとこわばりで力が入らないと自覚されやすい)。

医療面接・診察で拾いやすい具体例(聞き方のテンプレ)

  • 🧥「朝、上着の袖に腕を通しづらい/ブラジャーのホックがつらい」→ 肩甲帯のこわばりを示唆。
  • 🛏️「寝返りや起き上がりが痛い」→ 肩・臀部痛が生活動作に直結。
  • 🚶「椅子から立つのがつらい」→ 臀部・大腿近位部の痛みを反映。

リウマチ性多発筋痛症 症状の発熱とCRPと赤沈

PMRでは血液検査でCRP上昇や赤沈亢進など炎症反応がみられ、診断の重要な手がかりになります。

全身症状として発熱、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、抑うつ症状がみられるとされ、痛みだけの疾患と誤解しない視点が必要です。

一方で、PMRに特異的な単独の確定検査はなく、症状・炎症反応・他疾患除外・治療反応を統合して診断するという立て付けです。

臨床で迷いやすい“検査の読み違い”

  • 🧪「炎症反応がある=感染症」と短絡しない(ただし感染の除外は必須)。
  • 🧪「筋痛=筋炎」と決めつけない(PMRは筋酵素CKが上がらないことが多い、という整理が有用)。

リウマチ性多発筋痛症 症状と診断基準と超音波

臨床研究でよく使われる枠組みとして、EULAR/ACRの2012年分類(暫定)基準では「50歳以上」「両側肩痛」「CRPまたは赤沈上昇」を必須条件とし、点数化で分類します。

この分類基準には超音波所見(例:肩の滑液包炎や腱滑膜炎など)を加える項目があり、画像を組み込む発想が提示されています。

ただし、これらはあくまで分類基準であり、実地臨床では鑑別(RA、筋炎、血管炎、感染症、悪性腫瘍など)を踏まえた総合判断が必要だと明記されています。

現場で役立つ「症状→検査」への落とし込み

  • 📋 近位筋の“痛みとこわばり”が主で、自己抗体(RF、抗CCPなど)が典型例では陰性寄り、という組み立てでRAとの距離感を測る。
  • 🩻 肩関節周囲(滑液包・腱鞘)に焦点を当て、超音波を“臨床疑いを補強する道具”として使う発想が有用。

リウマチ性多発筋痛症 症状の鑑別と巨細胞性動脈炎

PMRは巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)を合併することがあり、頭痛、顎跛行、視力障害、38℃以上の発熱があれば合併を疑うべき、と整理されています。

巨細胞性動脈炎の合併が疑われる場合、超音波、MRI、PET-CTなどの画像検査や、必要により側頭動脈生検が検討されることがあります。

治療量の面でも、PMRでは少量ステロイドで速やかに改善しやすい一方、巨細胞性動脈炎合併例ではより高用量のステロイドが必要になり得るため、症状から治療強度が変わる点が臨床上の分岐になります。

鑑別で見落とすと危険度が上がるサイン(問診の赤旗)

リウマチ性多発筋痛症 症状のステロイド反応と再発・再燃(独自視点)

PMRはステロイドが「劇的に効く」と説明され、1〜3日以内に効果がみられることが多い一方、早期の減量は再発を起こしやすいとされています。

また、日本人では再発・再燃が多いとされ、効果が出た直後ほど「減量したい」という患者心理が働くため、服薬アドヒアランスを含めた行動設計が診療の質に直結します。

独自視点として、症状が軽快した“直後”に、再燃時の自己チェック項目(朝のこわばり時間、肩の挙上、起床時の臀部痛など)を共有しておくと、単なる「痛みが戻った」よりも再燃評価が具体化し、受診の適切なタイミングを作りやすくなります。

患者説明で使いやすい「再燃の見える化」例

  • 🕒 朝のこわばりが「最低30分以上」へ戻っていないか。
  • 🙌 腕が肩より上に挙げにくくなっていないか(上肢挙上の変化)。
  • 📈 CRP/赤沈が再上昇していないか(症状と検査をセットで追う)。

必要に応じて、文中に関連する論文の引用と引用先のリンク(分類基準の原典)

2012 EULAR/ACR provisional classification criteria for polymyalgia rheumatica(Arthritis Rheum. 2012)

権威性のある日本語の参考リンク(症状・診断・治療の要点、頻度データの整理)

リウマチ性多発筋痛症の症状頻度(肩70–95%、全身症状など)、診断の考え方、治療と再発・再燃の注意点がまとまっています。

一般社団法人 日本リウマチ学会 リウマチ性多発筋痛症

参考)リウマチ性多発筋痛症|リウマチに関連する病気

大学病院がまとめた症状の具体像、Bird基準・2012分類基準、治療反応や再発時対応まで臨床向けに詳しいです。

慶應義塾大学病院KOMPAS リウマチ性多発筋痛症(PMR)

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