臨床検査学会一覧と各専門分野
臨床検査医学会の学術集会開催状況
日本臨床検査医学会は1951年設立の歴史ある学術団体で、現在2,932名の会員を擁する臨床検査分野の中核的な学会です 。第72回学術集会は2025年8月28日から31日まで幕張メッセで開催予定となっており、会長は杏林大学医学部臨床検査医学教室の大西宏明教授が務めます 。学会では年次学術集会のほか、教育講演やシンポジウム、地方支部総会・例会を通じて継続的な教育・生涯教育活動を実施しています 。
学会の認定制度として、日本専門医機構基本領域である臨床検査専門医をはじめ、名誉臨床検査専門医、臨床検査管理医の認定を行っており、ICD制度協議会にも加盟しています 。機関誌「日本臨床検査医学会誌」を年12回発行し、学術集会時には補冊も刊行している充実した学術情報提供体制を構築しています 。
臨床検査技師会と医学検査学会の全国開催
日本臨床衛生検査技師会は昭和27年創立以来、約5万人の会員を擁する大規模な職能団体として発展しており、全国7支部で地域に密着した学会活動を展開しています 。2025年度の支部学会では、北日本支部医学検査学会が11月15-16日、中四国支部医学検査学会が11月29-30日に高知市で、九州支部医学検査学会が10月18-19日にシーハットおおむらで開催される予定です 。
参考)https://www.jamt.or.jp/studysession/area/
第74回日本医学検査学会は2025年5月10-11日に現地開催され、その後オンデマンド配信も実施されました 。これらの学会では、臨床検査を中心とした医療向上を目的として、独自の研修会や各地区の学会情報、関連団体の講習会・研修会情報を提供しています 。学会参加により日臨技生涯教育研修制度の研修ポイントを取得でき、継続的な専門技能向上を支援する体制が整備されています 。
参考)第74回日本医学検査学会
臨床検査専門分野別学会の特色
日本臨床化学会は臨床化学およびこれに関連する分野の進歩発展を図ることを目的として組織された専門学会で、第65回年次学術集会が2025年11月7-9日にウインクあいち(名古屋)で開催予定です 。集会長は藤田医科大学副学長の齋藤邦明氏が務め、テーマは「『知の創造と活用』で臨床化学の未来を切り拓く」となっています 。
日本サイトメトリー学会は細胞の特性を計量的に研究し、医科学に役立てることを目的とした学会で、第35回学術集会が2025年10月23-24日にオンライン形式で開催されます 。サイトメトリー技術者認定制度を運営し、専門技術の標準化と向上に貢献しています 。日本検査血液学会は血液検査分野に特化した学会として、第26回学術集会を2025年7月26-27日に京都で開催し、認定血液検査技師や骨髄検査技師の認定制度を通じて専門性の向上を図っています 。
参考)臨床検査技師の関連団体・学会・NPO法人:MTの求人・転職な…
臨床検査微生物・感染症関連学会の活動
日本臨床微生物学会は臨床微生物学と感染症の診断・治療・予防の推進、病院感染の防止などに貢献することを目的とした専門学会です 。同学会では日本臨床微生物学会認定医や認定臨床微生物検査技師の認定を行っており、医師・臨床検査技師・薬剤師・看護師を対象とした感染症学セミナーを定期的に開催しています 。第34回感染症学セミナーでは「コロナで終わらせない!いまこそ見直す遺伝子検査の真価」をテーマに、感染症診療における遺伝子検査の有用性について幅広いトピックが取り上げられました 。
参考)医師・臨床検査技師・薬剤師・看護師のための感染症学セミナー|…
日本感染症学会では、多項目遺伝子関連検査の実施指針を策定し、複数の微生物を迅速かつ正確に検出できる多項目遺伝子検査の適切な活用を支援しています 。2025年9月に改訂された指針では、COVID-19流行を背景に普及が進んだ多項目遺伝子検査について、感染症診療や感染対策に従事する医師や臨床検査技師をはじめとする医療従事者向けに、検査導入や施設内運用の参考となる内容が整理されています 。
参考)多項目遺伝子関連検査の実施指針について|ガイドライン・提言|…
臨床検査関連認定団体と継続教育体制
日本臨床検査同学院は臨床検査技師の学識と技術向上を目的として設立された団体で、一級臨床検査士・二級臨床検査士・緊急臨床検査士の認定を行っています 。これらの認定制度は臨床検査技師のキャリアアップと専門性向上を支援する重要な仕組みとなっています。
日本輸血・細胞治療学会は輸血医学・細胞治療学の進歩および安全で適切な輸血医療・細胞治療を推進することを目的とした学会で、認定輸血検査技師の認定を実施しています 。第72回学術総会では「輸血・細胞治療のチーム医療推進」をテーマに、細胞治療の新展開や再生医療等安全性確保法について議論が行われました 。日本医療検査科学会(旧日本臨床検査自動化学会)は医療検査の科学的発展を目的とし、第57回大会では参加登録制度を導入して事前登録を強く推奨するなど、効率的な学会運営を実現しています 。