リンデロンvg ジェネリック 薬価
リンデロンvgの薬価とジェネリックの薬価
リンデロンVGは「ベタメタゾン吉草酸エステル+ゲンタマイシン硫酸塩」の配合外用剤で、臨床では“炎症+二次感染(またはその疑い)”の局面で選択されやすい薬剤です。薬価を語るときにまず重要なのは、製品名ではなく「剤形(軟膏・クリーム・ローション)」と「薬価の単位(1g/1mL)」をセットで確認することです。
先発品リンデロン−VGは、KEGGの製品一覧では軟膏0.12%・クリーム0.12%が27.7円/g、ローションが27.7円/mLとして掲載されています。さらに同じ一覧で、後発品(例:デキサンVG軟膏0.12%、デルモゾールG軟膏/クリーム/ローション、ベトノバールG軟膏/クリームなど)も27.7円/g(または27.7円/mL)として並んでおり、「ジェネリック=必ず薬価が安い」とは限らない構図が見て取れます。実際、日本ジェネリック医薬品学会の検索結果では、リンデロン−VG軟膏0.12%が27.7円/g、同等薬としてルリクールVG軟膏0.12%が26.5円/g、デキサンVG軟膏0.12%やデルモゾールG軟膏、ベトノバールG軟膏0.12%が27.7円/gと掲載されています。
この領域は薬価差が小さい(あるいは同額のものが多い)ため、差別化は「供給安定性」「採用卸」「規格展開」「患者の使用感」「院内の運用コスト」に移りやすい、というのが現場の実感に近いはずです。
💡実務でのワンポイント
- 「薬価だけで切替メリットが出にくい」ケースでは、患者が実際に塗布し続けられる剤形・基剤選びが、結果として再診回数や悪化リスクの低減につながることがあります。
- ローションはmL単位なので、g換算での比較を感覚的に行うとズレます(薬価比較は単位の揃えが必須)。
参考:成分・製品と薬価の一覧(先発・後発の並びが確認できる)
参考:リンデロンVG軟膏と同等薬の薬価(1gあたり)の具体例
リンデロンvgのジェネリックの一覧と先発品の違い
リンデロンVGのジェネリック選定では、「同一成分・同一規格」かどうかに加えて、剤形ごとに“患者体験”が変わり得る点を先に共有しておくとトラブルが減ります。KEGGの同成分製品一覧では、リンデロン−VG(軟膏・クリーム・ローション)に対して、デキサンVG、デルモゾールG、ベトノバールG、ルリクールVGなど複数銘柄が同一成分として列挙されています。日本ジェネリック医薬品学会の検索でも、同等薬としてルリクールVGやデキサンVG、デルモゾールG、ベトノバールGが例示されています。
ただし、医療者が“違いは名前だけ”と説明してしまうと、患者側は「塗り心地が違う=効かないのでは?」と不安になりがちです。そこで、違いは主に次の層にあると整理すると説明が通ります。
- 有効成分:同一(ベタメタゾン吉草酸エステル+ゲンタマイシン硫酸塩)
- 規格:同じ0.12%表記でも、剤形と単位に注意(軟膏/クリームはg、ローションはmL)
- 基剤・使用感:のび、べたつき、乾燥感、患部の刺激感など(アドヒアランスに直結)
- 実務:供給、採用、院内フォーミュラリ、患者負担の体感(薬価差が小さい場合は特に)
⚠️説明で外しやすい点
- 「VG」配合は“ステロイド単剤のリンデロンV”とは別物です(抗菌薬が入るため、漫然使用の考え方が変わる)。
- 皮疹が“感染っぽく見える”だけのケースもあり、抗菌薬配合の適否は臨床所見(膿疱、痂皮、浸出、疼痛、熱感など)と経過観察で見直すのが安全です。
リンデロンvgの薬価の見方と軟膏 クリーム ローション
薬価の比較は「どの剤形を、どの部位に、どの期間、どの量で使うか」とセットにすると実務に落ちます。KEGGではリンデロン−VG軟膏0.12%とクリーム0.12%が27.7円/g、ローションが27.7円/mLとして掲載され、剤形ごとに薬価単位が異なることが明示されています。つまり同じ“27.7円”でも、gとmLが混在するため、院内のコスト試算では注意が必要です。
剤形選択はコストだけでなく、病変の性状と部位が支配的です。臨床でよくある選択の考え方を、医療従事者向けに言語化すると次の通りです。
- 軟膏:刺激が少なく、バリア性が高い方向(乾燥、亀裂、掻破、びらんがある局面で使いやすい)。
- クリーム:軟膏よりさっぱりで、浸出が少ない炎症性皮疹に合わせやすい。
- ローション:毛のある部位(頭皮など)や広範囲に塗り広げたいときに作業性が高いが、添付文書上「よく振って使用」等の指導が必要になる場合がある。
また、抗菌薬配合剤という性質上、効果判定のタイミングが重要です。少なくとも「炎症が落ちているのに同じ薬を惰性で続ける」運用は、抗菌薬を不要に曝露することになるため避けたいところです。ローションの添付文書情報として、二次感染を併発している場合に限って使用し、改善したら速やかに中止して抗生物質を含まない薬剤に切り替える趣旨の記載が示されています。
参考:添付文書ベースの注意(改善後は抗生物質なしへ切替の趣旨)
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00001723.pdf
リンデロンvgとゲンタマイシンの禁忌と耐性菌
リンデロンVGは抗菌薬(ゲンタマイシン)を含むため、ステロイド外用の一般的注意に加えて「抗菌薬の適正使用」の観点が入ってきます。具体的には、禁忌として「ゲンタマイシン耐性菌又は非感性菌による皮膚感染がある場合」が挙げられている情報が、医薬品情報サイト(今日の臨床サポート等)で確認できます。JAPICのPDF(ルリクールVGなど同成分配合剤)でも同趣旨の禁忌記載が確認でき、成分特性として一貫しています。
ここで臨床的に“意外と盲点”になりやすいのは、湿疹様に見えて実は真菌(例:足白癬、カンジダ間擦疹)やウイルス(単純疱疹など)が混ざっているケースです。抗菌薬配合が入っていると「感染に効く薬」という印象が先行し、鑑別が甘くなるリスクがあります。医療者側は、以下のような“切替・中止の条件”をあらかじめチームで共有すると、過量・長期化を防ぎやすくなります。
- 1週間前後で浸出や痂皮が明らかに減り、炎症も鎮静してきた → 抗生物質なしのステロイド外用へ段階的に変更を検討。
- 期待した改善が乏しい/むしろ悪化する → 耐性菌・真菌・疥癬・接触皮膚炎・外用手技(塗布量不足)などを再評価。
- びらん・痛みが強い、蜂窩織炎が疑わしい → 外用の枠を超える可能性があるため早めに全身評価。
参考:禁忌(耐性菌・非感性菌)の明記があるPDF(同成分配合剤の例)
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00045551.pdf
参考:リンデロン−VGローションの禁忌記載例(耐性菌・非感性菌)
リンデロンvg ジェネリック 薬価の独自視点:院内切替の説明テンプレ
検索上位の記事は「薬価一覧」「ジェネリック一覧」「効果・副作用」に寄りがちですが、医療従事者の現場では“説明テンプレ”があるかどうかで、切替後の問い合わせ件数が大きく変わります。薬価差が小さい(同額の銘柄も多い)領域では、患者は「なぜ変えたのか」を費用以外の理由で納得できると、アドヒアランスが落ちにくいです(逆に納得できないと、自己中断→再燃→再診になりやすい)。実際、同成分の先発・後発が混在し、薬価が同じ製品もあることはKEGGや日本ジェネリック医薬品学会の掲載から読み取れます。
以下は、医療者がそのまま使える“短い説明テンプレ”です(言い切りすぎず、患者の観察ポイントを渡す構成)。
- 🧾切替理由。
「成分と強さは同じで、供給や在庫の都合で同じ内容の薬に切り替えています。効き目の方向性は同じです。」
- 🧴使用感の予告。
「基剤が違うので、のびやべたつきが少し変わることがあります。塗りにくければ遠慮なく言ってください。」
- 🦠抗菌薬入りの注意。
「この薬は抗生物質も入っているので、ジュクジュクやかさぶたが落ち着いたら、抗生物質なしの薬へ切り替えることがあります。」(添付文書の趣旨に沿う)
- 🔎受診の目安。
「赤みが広がる、痛みが強い、膿が増える、数日で良くならない場合は、別の感染(真菌など)もあり得るので早めに相談してください。」
また、院内での“意外な改善ポイント”として、塗布量の教育(FTUなど)を切替タイミングでセットにすると、薬剤変更の心理的抵抗が下がりやすいです。患者は「薬が変わった」ことに注意が向くため、その瞬間に「量・回数・期間・やめ時」を短く再教育する好機になります。抗菌薬配合剤は“続けすぎない”判断が重要になるため、テンプレ化の価値が高い領域です。
参考:同成分製品が多く、薬価が同額のものもある(一覧で把握できる)
https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=D04773

【指定第2類医薬品】リンデロンVsローション 10g