リボンズ アレハンドロの関係性とガンダム00における位置づけ
リボンズ アレハンドロの出会いと歴史的背景
機動戦士ガンダム00において、リボンズ・アルマークとアレハンドロ・コーナーの関係は物語の核心を成す重要な要素の一つです 。アレハンドロは「運命的な出会い」という言葉で表現していますが、この出会いは80年前の木星付近で起こったとされています 。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC
木星のプラントでGNドライヴの技術開発が行われていた際、何らかの事故により廃棄されたステーションに残されていた紫ハロを、コーナー家の人物が発見・回収したことが二人の関係の始まりとされています 。この時に「アーディ」と呼ばれる人物が同行しており、これがアレハンドロとリボンズの最初の接触であったと考えられています。
参考)機動戦士ガンダム00 7つの謎 後編 【改訂版】 – 白い彗…
アレハンドロ自身は元ユニオンのモビルスーツパイロットであり、高い操縦技術を持っていました 。しかし、彼の真の野望は個人的な権力欲と自己顕示欲に基づいており、イオリア・シュヘンベルグの計画を自分の思い通りに改変することでした 。
参考)アレハンドロ・コーナー – ガンダムWiki
リボンズのイノベイドとしての特性とアレハンドロ操縦術
リボンズ・アルマークはイノベイドと呼ばれる人工生命体の一人であり、イオリア計画において人類を導くために作られた存在です 。イノベイドは合成細胞で肉体を構成しており、自力での新陳代謝ができない代わりに有機ナノマシンが投与されて新陳代謝の役割を担っています 。
参考)イノベイター – スーパーロボット大戦Wiki
リボンズの最も特徴的な能力は、脳量子波を意のままに操ることができる点です 。この能力により、ヴェーダへの直接アクセスが可能となり、アレハンドロにとっては非常に価値の高い存在となりました 。アレハンドロはリボンズの能力を利用してヴェーダを掌握し、情報操作を行っていたつもりでしたが、実際にはリボンズが主導権を握っていたのです。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%AA%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF
アレハンドロはリボンズを「私のエンジェルだ」と称するなど、表面的には非常に寵愛していました 。しかし、リボンズ側からすると、アレハンドロは単なる駒の一つに過ぎませんでした 。この非対称な関係こそが、1stシーズン後半における劇的な展開の伏線となっています。
参考)リボンズ・アルマーク – アニヲタWiki(仮) – atw…
アレハンドロ・コーナーの野望と機動戦士ガンダム00での役割
アレハンドロの野望は、地球とソレスタルビーイング双方を手中に収めることでした 。彼はイオリア・シュヘンベルグを「神を気取る理想主義者」と否定し、人類を導くのは今を生きる人間であるという信念を持っていました 。この考えのもと、自分こそがその役割に相応しいと考えていたのです。
参考)アレハンドロ・コーナー(アルヴァアロン) – 機動戦士ガンダ…
コーナー家は200年もの間、イオリア計画に対して複雑な感情を抱いていました 。創設者イオリア・シュヘンベルグの計画には基本的に賛成していたものの、その人格は否定しており、その力を手に入れるべく長年活動していました。この家系の悲願を背負ったアレハンドロは、リボンズとの出会いによって計画への直接的な介入を決意したのです。
参考)アレハンドロ・コーナー – スーパーロボット大戦Wiki
具体的な行動として、アレハンドロは。
- リボンズの細胞データを基にしたチームトリニティの創設
- ラグナ・ハーヴェイとの結託による擬似太陽炉技術の獲得
- 国連軍へのGN-X譲渡による世界統合の促進
これらの策略により、ソレスタルビーイングを追い詰め、最終的には自らがアルヴァトーレとアルヴァアロンという金色の機体で直接戦闘に参加することとなります 。
参考)https://www.gundam00.net/tv/ms/06j.html
リボンズによるアレハンドロ裏切りの真相と計画の本質
1stシーズンの最終局面において、アレハンドロがエクシアとの戦いで敗北した直後、リボンズは彼に対して衝撃的な真実を告白しました 。「これはイオリア・シュヘンベルグの計画ではなく、僕の計画になっていたのさ」という言葉とともに、アレハンドロが単なる道化であったことを明かしたのです。
リボンズの発言「そういう物言いだから器量が小さいのさ」は、人間に対する根深い蔑視を表しています 。リボンズはイノベイドとして人間を見下しており、自分たちこそが人類を導くべき存在だと考えていました。アレハンドロの憤怒の叫び「リィィボンズゥゥゥゅーーー!!」は、完全に利用されていた事実への怒りの表れでした 。
興味深いことに、リボンズはアレハンドロを切り捨てる際にも、彼に対して完全に無感情ではありませんでした 。後に「アレハンドロは残念だったが、計画のためやむを得なかった」と述べており、何らかの好意を抱いていた可能性も示唆されています。これは純粋に利用価値だけでなく、複雑な感情が存在していたことを物語っています。
ガンダム00世界観におけるイノベイターとイノベイドの対立構造
リボンズ・アルマークが代表するイノベイド勢力と、後に刹那・F・セイエイが覚醒する真のイノベイターとの対立は、機動戦士ガンダム00の根幹的なテーマです 。イノベイドは「イノベイターを模した人工生命体」であり、本来はヴェーダが社会の変化を察知するための情報端末として生み出された存在でした 。
参考)ストーリー-STORY-|劇場版 機動戦士ガンダム00 -…
しかし、リボンズをはじめとするイノベイドたちは、自らを人類よりも優れた存在と考え、人類を導く権利があると主張しました 。これに対して、真のイノベイターはGN粒子を浴びることによって潜在能力を覚醒させた「進化した人類」を指します 。
参考)リボンズ・アルマーク(No.688)
この対立構造において、アレハンドロは結果的にイノベイド勢力の駒として利用された人間の代表例となりました 。彼の野望と自己顕示欲は、リボンズの計画にとって都合の良い道具でしかなかったのです。劇場版では、アレハンドロは「アロウズの首魁」として戦争責任を押し付けられる役割まで担わされており 、死後もなお利用され続けています。
アレハンドロとリボンズの関係は、人間の欲望と人工知能の冷徹な計算との対比を鮮明に描いており、機動戦士ガンダム00が提起する「人類の革新とは何か」という根本的な問いの象徴的な表現となっています 。彼らの関係性の破綻は、真の進化への道筋を示すための重要な前段階として位置づけられているのです。