ラベキュアパック 販売中止
ラベキュアパック販売中止の販売終了予定時期と経過措置
ラベキュアパックの販売終了は、ラベキュアパック400が2025年6月、ラベキュアパック800が2025年4月と案内されており、同時にラベファインパックも2025年4月が販売終了予定とされています。
一方で、販売終了=ただちに処方不可ではなく、「経過措置期間が終了するまで処方(保険請求)可能」と明記され、経過措置終了は2026年3月末見込みとされています。
ここで現場が誤解しやすいのは、卸・院内在庫の枯渇が先に起きる点で、通知にも「在庫終了時期により、販売終了予定時期が早まる可能性」があると書かれています。
医療機関・薬局の実務としては、少なくとも次を「月次」で棚卸ししておくと、患者対応がブレにくくなります。
- 院内採用(採用中止日、発注停止日、残数)
- 代替品の採用状況(規格400/800、一次/二次の適応整理)
- オーダリングのマスタ(コメント・疑義照会文テンプレ)
また、経過措置が残っている間は「請求は通る」一方、実薬が確保できないと治療が中断しやすく、除菌は原則7日間の連続投与であるため、開始前に“最後まで渡し切れるか”を確認する運用が重要です(途中で薬剤が変わると服薬の混乱が増えます)。
参考)https://www.eapharma.co.jp/hubfs/medical/news/2024/RAB-H-2-PM-04146.pdf
ラベキュアパック販売中止で確認すべき成分・用法用量(400/800)
ラベキュアパックは、ラベプラゾールナトリウム(PPI)・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシンの3剤を組み合わせたピロリ除菌治療剤として整理されています。
1シート(1日分)中の内容は、400が「パリエット錠10mg 2錠+サワシリン錠250 6錠+クラリス錠200 2錠」で、800が「クラリス錠200が4錠」になる点が違い(=クラリスロマイシン量の違い)です。
用法用量は「3剤同時に1日2回、7日間」で、クラリスロマイシンは必要に応じて増量できるが上限は「1回400mg(力価)を1日2回」とされています。
服薬指導での“つまずきポイント”は、患者が「抗菌薬2種類+胃薬1種類」を別々の薬と認識し、自己判断で胃薬だけ残す/抗菌薬を減らすケースです。
そのため、医療従事者向けに以下のような説明メモをチームで統一すると、ヒヤリ・ハットを減らせます。
- ✅「胃薬は症状用ではなく、除菌の成功率を上げる“治療の一部”」
- ✅「7日間は途中でやめない。飲み忘れは気づいた時点の対応を相談」
- ✅「下痢、味覚異常など起こり得るが、自己中断せず連絡」
なお、添付文書上も「適応菌種」や「適応症」、内視鏡での確認など条件が細かく書かれており、ピロリ感染胃炎に用いる際は“陽性であること”と“内視鏡で感染胃炎を確認”することが求められています。
この“要件の再確認”は、販売中止を機に処方が別製剤へ移行するタイミングで、検査・記録の抜けを点検する良い機会になります。
ラベキュアパック販売中止の代替品(ボノサップRパック・ボノピオンパック)
製造販売中止の案内には、代替品としてボノサップRパック400、ボノサップRパック800、ボノピオンパックが具体名で記載されています。
つまり「代替候補は各施設で探す」だけでなく、少なくとも“メーカーが想定する切替先”が明示されているため、院内採用の稟議や薬剤部内の比較検討が進めやすい構造です。
また、ラベキュア/ラベファインが「ラベプラゾール系」であるのに対し、ボノサップ/ボノピオンは「ボノプラザン(P-CAB)系」のパックとして整理されることが多く、薬理の違い(酸分泌抑制の立ち上がり等)を踏まえた説明設計が必要になります。
代替品選定では、少なくとも次の3点をセットで確認すると、疑義照会や治療失敗リスクを下げられます。
- ① 一次除菌か二次除菌か(抗菌薬の組み合わせが異なる)
- ② 既往のマクロライド使用歴や耐性の懸念(クラリスロマイシンを含むレジメンの位置づけ)
- ③ 患者の服薬アドヒアランス(1日2回7日間を完遂できるか)
実務上の“盲点”は、切替時に処方名称が変わることで、患者が「別の薬=前回の残りと混ぜていい」と誤認することです。
販売中止の話題は患者にとって不安材料にもなるため、「薬がなくなった=治療が危険」ではなく「同等の除菌治療を別の組み合わせで継続できる」ことを短い言葉で伝えると、受診中断を防ぎやすくなります。
参考:販売終了予定、経過措置、代替品一覧(通知本文)
EAファーマ「製造販売中止のお知らせ(ラベキュア/ラベファイン)」PDF
ラベキュアパック販売中止の処方・保険請求と在庫枯渇リスク
通知では、経過措置期間が終了するまで処方(保険請求)可能であり、終了は2026年3月末見込みとされています。
一方で、実際の現場で問題になりやすいのは「保険請求できる期間」と「現物が手に入る期間」が一致しないことで、通知でも在庫状況により販売終了時期が早まる可能性が示されています。
このギャップは、特に外来が混む施設や門前薬局で「今日から開始する除菌」が増える時期に顕在化しやすく、開始後に不足が発覚するとレジメン変更・受診調整が必要になり、患者負担も医療者負担も増えます。
医療従事者向けに、オペレーションを“先回り”させる具体策を挙げます。
- 🗓️ 予約時点で「除菌開始予定週」を確認し、薬局側は“7日分一括確保”できるかチェックする。
- 📞 在庫逼迫が見えたら、処方医へ「開始延期」か「代替パックで開始」かを早めに相談する(当日になってからでは調整が難しい)。
- 🧾 電子カルテに「販売中止・切替中」のコメントを入れ、診察室・薬局・病棟で同じ説明をできるようにする。
また、ラベキュアパックは3剤を1日2回7日間で投与する設計が前提として示されているため、途中で剤形・銘柄が変わると飲み方の勘違い(回数、同時服用)が起きやすくなります。
「処方が切れていないのに患者の手元で中断が起きる」という“見えにくい治療不成功”を避けるため、在庫と服薬完遂を同じラインで管理する視点が重要です。
ラベキュアパック販売中止を機に見直す服薬指導(独自視点:見た目・識別コード)
独自視点として、販売中止・切替期にこそ効いてくるのが「錠剤の見た目・識別」で、ラベキュアパック構成薬の性状(色、剤形、識別コード)が資料上で整理されています。
例えばパリエット錠10mgは腸溶性フィルムコーティング錠で淡黄色、サワシリン錠250は素錠でうすいだいだい色、クラリス錠200はフィルムコーティング錠で白色とされています。
さらに識別コードとして「パリエット10」「250SAW」「クラリス200」といった表記が示されており、患者の“手元確認”に使える材料になります。
ここが意外と盲点で、切替後に患者が「前回の薬が残っていた」と言う場合、薬袋の情報だけでは混在を見抜けないことがあります。
その際、色や識別コードで確認する手順を、服薬指導の最後に30秒だけ入れると、飲み間違いの早期発見につながります。
- 🔎「淡黄色の腸溶錠(パリエット10)が入っていますか?」
- 🔎「うすいだいだい色の錠剤に“250SAW”が見えますか?」
- 🔎「白い錠剤に“クラリス200”が混ざっていませんか(切替後の方は特に)」
また、ピロリ感染胃炎の適応では、内視鏡で感染胃炎を確認することが求められているため、患者が「薬が変わった=別の病気になった」と不安になるケースでは、適応・検査の流れを一言で再説明すると理解が安定します。
販売中止はネガティブな話題に見えますが、実際には「チームの説明を標準化するチャンス」でもあり、見た目・識別の確認は現場で再現性が高い介入です。
参考:成分・用法用量・性状(識別コード含む)