ペスカタリアンのデメリット
ペスカタリアンで不足しやすい栄養素
ペスカタリアンの食生活では、肉類に多く含まれる特定の栄養素が不足しやすい傾向にあります。特に赤身の肉を摂取しないことで、鉄分の摂取量が最適とは言えない状態になります。また、ビタミンB1やビタミンB12などのビタミンB群も不足しやすくなっています。
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- 🔴 鉄分:赤身肉に豊富に含まれるヘム鉄が不足し、貧血のリスクが高まる
- 💊 ビタミンB12:主に動物性食品に含まれる栄養素で、神経機能の維持に不可欠
- 🦴 カルシウム:卵や乳製品を摂取しないペスカタリアンでは特に不足しやすい
- ⚡ 亜鉛:免疫機能や細胞分裂に必要なミネラルで、肉類に豊富に含まれる
- 💪 タンパク質:魚介類だけでは十分な量を確保しにくい場合がある
タンパク質が不足すると、生命維持に必要な代謝や免疫に使うタンパク質が優先されるため、肌・髪・爪は後回しにされてしまいます。タンパク質不足の初期には、ささくれ、爪が欠ける、肌荒れ、髪が傷む、風邪を引きやすくなる、筋力の低下、だるさなどの症状が出ます。実際にペスカタリアン生活を続けた人の中には、自分でも体感できるくらい筋肉に力が入りづらい感じがあったという報告もあります。
参考)https://ameblo.jp/australia-0320/entry-12732692755.html
ペスカタリアンで注意すべき魚介類の水銀リスク
魚介類には自然界にある水銀が体内に含まれており、ペスカタリアンはタンパク質や他の栄養素を補おうとして積極的に魚介類を摂取する傾向があるため、健康への影響が懸念されます。魚介類を摂取しすぎると有毒な物質を摂りすぎてしまい、神経系に対して有害な水銀やダイオキシンなどの有害物質が含まれており、摂取しすぎると高血圧や脳機能障害を引き起こすリスクが高まります。
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特に妊婦や授乳中の女性は、こうした魚介類を摂りすぎてしまうと、母体を通して胎児・乳児に神経毒性を引き起こし、子どもの発達にリスクを与えることがあるので注意が必要です。厚生労働省では金目鯛について「1回約80gとして妊婦は週に1回まで」と制限を設けています。
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魚の種類 | 水銀含有量 | 摂取の注意点 |
---|---|---|
イシダイ、スズキ、ヒラメ、カレイ | やや高い | 頻繁な摂取は避け、たまに食べる程度に |
サメ、メカジキ、本マグロ | 高い | 妊娠中・授乳中の女性、子どもは摂取を避けるべき |
キンメダイ | 高い | 妊婦は週に1回まで(約80g) |
白身魚 | 低い | 週に何回食べても問題なし |
ペスカタリアンの食事における外食の制約
ペスカタリアンに関しては特に分かりやすいマークがないため、買い物の際には製品の成分・アレルギー表示をよくチェックする必要があります。意外な製品に肉や肉エキスが使われていることも多く見受けられ、本当に肉が入っていないかを確かめてから購入するのがベターです。
外食の際には、レストランを予約するときに必ずアレルギー対応ができるかを聞く必要がありますが、結構「対応できない」ということも多く、ファミレスなども当然行けません。予約の時はOKと言っていたのに、予約の日に行ったら「今日のシェフが対応できなくて」と帰らなくてはいけないこともあります。
参考)https://ameblo.jp/darling-baby18/entry-12891177731.html
ただし、ペスカタリアンはヴィーガンと比較すると外食しやすい点がメリットとして挙げられます。日本の飲食店には魚を使ったメニューが多くあり、魚や乳製品など食べられるものも多いため、ヴィーガン専用のレストランを探すよりは選択肢が広がります。
参考)【ペスカタリアンとは】魚と野菜で叶える健康生活|ストーリーフ…
ペスカタリアンによる環境への影響
ペスカタリアンの食生活は魚介類を多く消費するため、海洋生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。過剰な漁獲や乱獲は、魚種の減少や海洋生態系のバランスを崩す原因となり、環境に配慮した健全な漁業が行われていない場合、過剰な漁獲によって生態系に大きな被害が起きる可能性があります。
参考)ぺスカタリアンに見るサステナブルな食生活!ヴィーガンとの違い…
養殖業もまた、周辺の海洋環境の汚染や生態系を変質させるといった懸念があります。養殖場開拓による沿岸環境の破壊や、防カビ剤や抗生物質等の薬品による周辺の生態系への悪影響、また社会的な側面では、漁業で強制的に働かされている人々がいることも明らかになっています。
人口の増加により、世界的に水産資源の消費量が増えていることも懸念されます。海産物を選ぶ際には、環境への影響を考慮して信頼できる生産者から食材を購入したいものです。魚介類を選ぶ際は持続可能な水産物に与えられる、MSC認証(天然水産物)やASC認証(養殖水産物)のついたものを積極的に選択できるとなお良いでしょう。
ペスカタリアンの魚料理における調理の手間
ペスカタリアンが食べる魚介類の料理は、肉類に比べて骨抜きなど、料理行程が多くなります。そのため普段から自炊をする場合は、料理の手間が増えてしまうことがデメリットになります。
参考)ぺスカタリアンとは?ヴィーガンやベジタリアンの違い、メリット…
魚料理は肉料理と比較して以下のような手間がかかります:
- 🔪 下処理:鱗取り、内臓の処理、骨抜きなどの工程が必要
- 🐟 臭い対策:魚特有の臭いを取り除くための処理が必要
- ⏰ 調理時間:焼き魚は火加減の調整が難しく、煮魚は時間がかかる
- 🧽 後片付け:魚を調理した後の調理器具や流し台の清掃に手間がかかる
- 💰 コスト:新鮮な魚介類は肉類より価格が高い傾向にある
魚介類だけに偏らず、野菜やきのこ、豆類なども上手に取り入れられるよう、料理のメニューを工夫してみることが推奨されます。また、魚は肉より消化がよく、胃腸への負担も少ないというメリットもあります。
栄養不足を補うためには、ほうれん草やブロッコリーなどの植物由来の鉄分を含む食材を食べていくこと、そしてビタミンやミネラルなどが含まれる低糖の朝食用シリアルを選ぶことが重要になってきます。一部のペスカタリアンは卵や乳製品を消費しないため、カルシウム、リン、ビタミンB12、亜鉛などの必須栄養素が不足している可能性がありますので、これら栄養素をどこかで必ず補い調整していくことが大切です。
参考)ペスクタリアンのメリットや食品一覧!欠ける栄養素やダイエット…