難病情報センター指定難病一覧と医療費助成制度

難病情報センター指定難病一覧

指定難病一覧の概要
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指定難病の総数

2025年4月現在、348疾病が医療費助成の対象として指定されています

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医療費助成制度

重症度分類を満たす患者、または軽症高額該当者が助成を受けられます

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情報提供の役割

難病情報センターが診断基準や治療指針などの情報を提供しています

指定難病一覧348疾病の内訳と特徴

難病情報センターは、厚生労働省の指導のもと、指定難病に関する包括的な情報を提供している公的機関です。2025年4月1日時点で、医療費助成の対象となる指定難病は348疾病に拡大されました。この一覧には、神経・筋疾患、免疫疾患、代謝性疾患、循環器疾患、血液疾患など、幅広い疾患群が含まれています。

参考)https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/20190516_029.pdf


指定難病は、発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない希少な疾病であって、長期の療養を必要とするものとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定します。日本における指定難病の基準は、罹患率が人口の0.1%未満という希少性、原因不明、効果的な治療法の欠如、長期療養の必要性、客観的な診断基準の存在という5つの要件を満たす必要があります。

参考)大阪市:医療費助成の対象となる疾病(指定難病)について (……


2025年4月には、LMNB1関連大脳白質脳症、PURA関連神経発達異常症、極長鎖アシル―CoA脱水素酵素欠損症、乳児発症STING関連血管炎、原発性肝外門脈閉塞症、出血性線溶異常症、ロウ症候群の7疾病が新たに追加されました。これにより、より多くの難病患者が医療費助成の対象となり、経済的負担の軽減が図られています。

参考)令和7年4月1日から難病医療費助成制度の対象疾病が拡大されま…

指定難病の疾患群別分類

指定難病一覧は、疾患群別に体系的に分類されており、患者や医療関係者が必要な情報を効率的に検索できるようになっています。主な疾患群には、神経・筋疾患(球脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症など)、免疫系疾患(全身性エリテマトーデス皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性強皮症など)、代謝性疾患(ウィルソン病、メンケス病など)が含まれます。

参考)病気の解説・診断基準・臨床調査個人票の一覧 疾患群別索引(神…


循環器系では特発性拡張型心筋症肥大型心筋症、拘束型心筋症が指定されており、血液疾患では再生不良性貧血が含まれています。皮膚疾患では天疱瘡、表皮水疱症、膿疱性乾癬(汎発型)などが対象となっています。さらに、血管炎症候群として高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症などが含まれます。​
てんかん関連疾患も多数指定されており、ドラベ症候群、海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん、ミオクロニー欠神てんかん、レノックス・ガストー症候群、ウエスト症候群などが含まれます。遺伝性疾患では、マルファン症候群、エーラス・ダンロス症候群、色素性乾皮症、先天性魚鱗癬なども対象となっています。​

難病情報センターの役割と情報提供機能

難病情報センターは、公益財団法人難病医学研究財団によって運営され、難病患者および家族、医療関係者に対して療養生活や診療上に必要な情報をインターネットのホームページを通じて提供しています。提供される情報には、疾患解説、診断基準、治療指針、臨床調査個人票などが含まれており、各指定難病について詳細な医学的情報にアクセスできます。

参考)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000149906_1.pdf


ホームページでは、指定難病一覧を五十音別索引や疾患群別索引で検索できるようになっており、患者や家族が自分の疾患に関する情報を容易に見つけられるよう配慮されています。また、医療費助成制度の概要、申請方法、患者会情報なども掲載されており、療養生活全般を支援する総合的な情報源として機能しています。

参考)病気の解説・診断基準・臨床調査個人票の一覧 五十音別索引(あ…


難病情報センターのミッションは、難病に対する啓発活動を通じて、患者および家族には情報提供による療養生活の支援を、医療関係者には診療上必要な情報を提供することです。ただし、医療機関や医師の個別紹介は行っておらず、あくまで一般的な疾患情報の提供に特化しています。

参考)FAQ 代表的な質問と回答例 href=”https://www.nanbyou.or.jp/entry/1383″ target=”_blank”>https://www.nanbyou.or.jp/entry/1383amp;#8211; 難病情報センタ…


難病情報センター公式サイト

指定難病の詳細な診断基準、臨床調査個人票、医療費助成制度に関する最新情報が掲載されています。

医療費助成制度の対象者と申請条件

指定難病の医療費助成を受けるには、まず指定難病と診断されることが前提となります。その上で、(1)重症度分類に照らして病状の程度が一定程度以上である場合、または(2)軽症高額該当に該当する場合に、医療費助成の対象となります。

参考)指定難病患者への医療費助成制度のご案内 href=”https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460″ target=”_blank”>https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460amp;#8211; 難病…


重症度分類は各疾病ごとに設定されており、厚生労働大臣が定める基準を満たす必要があります。一方、軽症高額該当とは、重症度分類を満たさない場合でも、月ごとの医療費総額が33,330円を超える月が年間3月以上ある患者が対象となります。この制度により、軽症であっても高額な医療費負担が継続する患者も支援を受けられるようになっています。

参考)指定難病患者への医療費助成制度


また、「高額かつ長期」の認定制度も設けられており、指定難病及び小児慢性特定疾病に係る月ごとの医療費総額が5万円を超える月が、申請日の月以前12月で既に6回以上ある患者が対象となります。この認定を受けることで、自己負担上限額がさらに軽減されます。人工呼吸器装着者については、負担上限月額が1,000円に設定されるなど、特別な配慮がなされています。​

指定難病医療費助成の申請手続き方法

医療費助成の申請は、都道府県または政令指定都市の窓口で行います。申請に必要な書類には、支給認定申請書、難病指定医が作成した臨床調査個人票(診断書)、医療保険の資格情報を確認できる資料、同意書、世帯全員の住民票の写し、市町村民税県民税課税証明書などがあります。

参考)指定難病医療費助成制度 申請手続きの流れ|知っておきたい社会…


臨床調査個人票は、都道府県知事または政令指定都市の市長が指定する指定難病指定医のみが作成できます。新規申請の場合は指定難病指定医が診断書を作成しますが、更新の場合は協力難病指定医も診断書の作成が認められています。申請後、都道府県で審査が行われ、病気の重症度や経済的負担を考慮した基準で助成の可否が判断されます。

参考)指定難病申請をしてから医療費助成を受けられるようになるまでの…


審査を経て認定されると、医療受給者証と自己負担上限額管理票が交付されます。医療費助成の開始時期は申請日に遡って適用され、受給者証交付までの期間にかかった医療費についても払い戻しを申請できます。受給者証をお持ちの患者は、都道府県知事の指定を受けた医療機関での医療に限り医療費の助成を受けることができます。

参考)国が指定する難病医療費助成制度(特定医療費)について/長野県


認定の有効期間は原則として1年間で、継続して助成を受けるには更新申請が必要です。期間内に住所や加入医療保険の変更などがあった場合は、速やかに変更申請を行う必要があります。​
厚生労働省 指定難病ページ

指定難病の病名一覧、診断基準、医療費助成制度の詳細について公式情報を確認できます。

指定難病一覧の最新動向と追加疾病

指定難病の対象疾病は、医学的知見の進歩や患者団体からの要望を踏まえて、定期的に見直しが行われています。当初は56疾患からスタートした制度ですが、2017年4月には330疾患に拡大し、その後も段階的に疾病が追加されてきました。2024年4月には3疾病が追加されて341疾病となり、2025年4月にはさらに7疾病が追加されて348疾病に到達しました。

参考)2024年4月、新たに3疾病が指定難病に追加 href=”https://nanbyo.jp/2023/12/07/nanbyoho3add/” target=”_blank”>https://nanbyo.jp/2023/12/07/nanbyoho3add/amp;#8211;…


2025年4月に追加された7疾病は、LMNB1関連大脳白質脳症(指定難病342)、PURA関連神経発達異常症(指定難病343)、極長鎖アシル―CoA脱水素酵素欠損症(指定難病344)、乳児発症STING関連血管炎(指定難病345)、原発性肝外門脈閉塞症(指定難病346)、出血性線溶異常症(指定難病347)、ロウ症候群(指定難病348)です。ロウ症候群は先天性白内障、中枢神経症状、腎症状を特徴とする遺伝性疾患で、特に腎機能障害が進行性であることが知られています。

参考)【国指定難病】対象疾病の追加について(令和7年4月1日適用)…


また、2025年4月からは既存疾病の名称変更も行われ、特発性血小板減少性紫斑病免疫性血小板減少症に、徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症は睡眠時棘徐波活性化を示す発達性てんかん性脳症及びてんかん性脳症に変更されました。これらの変更は、最新の医学的知見を反映したものです。​
指定難病検討委員会では、既存の指定難病についても診断基準の見直しが継続的に行われており、2025年度以降に新規申請する患者には新基準が適用されることになっています。このような継続的な見直しにより、より正確な診断と適切な医療費助成が実現されています。

参考)指定難病の新規申請患者には「新診断基準」を、既認定患者の更新…