ナイシトールは効果ないのか
ナイシトールの主成分「防風通聖散」の脂肪燃焼効果とメカニズム
「ナイシトールを飲んでも痩せない」という声が聞かれますが、その主成分である漢方薬「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」には、科学的に確認されている効果があります。防風通聖散は、体力があり、お腹に皮下脂肪が多く、便秘がちな「がっちりタイプ」の方に適した漢方薬です。
主な効果は以下の3つです。
- 脂肪の分解・燃焼促進:交感神経に働きかけて脂肪細胞を活性化し、お腹周りの脂肪(内臓脂肪・皮下脂肪)の分解と燃焼を促進します。 脂肪細胞で「UCP-1」という熱を産生するタンパク質を増やすことで、エネルギー消費を高める作用が研究で示唆されています。
- 脂質の排出促進:食事に含まれる脂質の一部が体内に吸収されるのを抑え、便と一緒に排出する働きがあります。
- 便秘改善:便通を促す生薬が含まれており、便秘を解消することで、ぽっこりお腹の改善につながります。
防風通聖散は、これら18種類の生薬が複合的に作用することで効果を発揮します。
以下のリンクは、防風通聖散の肥満に対する効果を検討した臨床研究の論文です。メタボリックシンドロームの改善効果が報告されています。
防風通聖散の肥満症に対する効果
ナイシトールには「Za」「Ga」「85a」など複数の種類がありますが、これらは防風通聖散エキスの含有量が異なります。 「Za」が最も多い「満量処方」で、含まれるエキス量は5,000mgです。 効果を期待するなら、自分の体質や目的に合った製品を選ぶことが重要です。
参考)【脂肪燃焼】ナイシトールとビスラットゴールド、効くのはどっち…
ナイシトール効果ないと感じる人の5つの特徴と理由
ナイシトールを服用しても「効果がない」と感じる場合、いくつかの理由が考えられます。ご自身が当てはまっていないか、チェックしてみましょう。
1. 体質が合っていない(虚弱体質・胃腸が弱い)
防風通聖散は、体力のある「実証」タイプの人向けの漢方です。 胃腸が弱い、疲れやすい、冷え性といった「虚証」タイプの人が服用すると、下痢や胃部不快感などの副作用が出やすく、効果も得られにくい傾向があります。
参考)ナイシトールシリーズの選び方【成分・効果を比較!】 &#82…
2. 服用期間が短い
漢方薬は、体質をゆっくりと改善していくものが多く、効果を実感するまでにある程度の期間が必要です。 肥満症やむくみ改善のためには、少なくとも1ヶ月程度の継続服用が目安とされています。 数週間で効果が見られないからと諦めてしまうのは早計かもしれません。
参考)『ナイシトール』の飲み合わせNGは?効果・副作用、妊婦の服用…
3. 食生活や生活習慣に問題がある
ナイシトールはあくまで脂肪燃焼をサポートする医薬品です。服用しているからと安心して、暴飲暴食をしたり、運動を全くしなかったりすれば、当然効果は期待できません。 消費カロリーよりも摂取カロリーが多ければ、脂肪は蓄積されてしまいます。特に、年齢とともに基礎代謝は低下するため、若い頃と同じような食生活では太りやすくなります。
youtube
4. 皮下脂肪ではなく内臓脂肪が少ない
ナイシトールは、特にお腹周りの内臓脂肪を減らすのが得意です。 一方で、指でつまめる「皮下脂肪」は、内臓脂肪に比べて落ちにくい性質があります。 見た目の変化を感じにくい場合、皮下脂肪が多いタイプなのかもしれません。
youtube
参考)https://www.matsukiyococokara-online.com/news/693
5. 誤った飲み方をしている
ナイシトールは、食前または食間(食後2〜3時間後)の空腹時に水またはお湯で服用するのが最も効果的です。 食後に服用すると、食事の内容によっては成分の吸収が妨げられる可能性があります。また、1日の服用回数や1回あたりの錠数を守ることも大切です。
参考)防風通聖散を1ヶ月飲んで痩せる?効果や副作用、服用が合わない…
これらの点を見直し、生活習慣の改善と合わせて服用を続けることが、効果を実感するための鍵となります。
ナイシトールの副作用?下痢や便秘はなぜ起こるのか
ナイシトールの服用で、下痢や便秘といった消化器系の症状がみられることがあります。 これは、配合されている生薬の作用によるものがほとんどです。
下痢・軟便の原因
ナイシトールに含まれる「大黄(だいおう)」という生薬には、腸の動きを活発にし、便通を促す作用があります。これが強く出すぎると、腹痛を伴う下痢や軟便になることがあります。 口コミでも「お腹がゆるくなった」「水便になった」という声が見られます。 これは、薬が効きすぎているサインかもしれません。
参考)https://www.cosme.net/products/10156969/review/
便秘が悪化する場合
まれに便秘が悪化するケースもあります。これは、体質に合っていない可能性や、水分摂取が不足していることなどが考えられます。下剤成分の刺激に腸が慣れてしまい、かえって動きが鈍くなることもあります。
副作用が出た場合の対処法
- 軽度の下痢の場合:まずは水分補給を心がけ、数日間様子を見ましょう。体が慣れてくると、症状が落ち着くこともあります。
- 症状が続く・悪化する場合:服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。 自己判断で服用を続けるのは危険です。特に、激しい腹痛を伴う下痢の場合は、すぐに中止が必要です。
注意すべき重篤な副作用
頻度は非常にまれですが、以下のような重篤な副作用の初期症状にも注意が必要です。
- 間質性肺炎:階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱など
- 偽アルドステロン症、ミオパチー:手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる
- 肝機能障害:発熱、かゆみ、発疹、黄だん(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振など
- 腸間膜静脈硬化症:長期服用により、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満などが繰り返しあらわれる
以下のリンクは医薬品医療機器総合機構(PMDA)による副作用情報のページです。専門的な情報が含まれますが、詳細な症例を確認できます。
医薬品副作用情報:ナイシトール
安全に服用するためにも、用法・用量を守り、少しでも異常を感じたら専門家に相談することが大切です。
ナイシトールの効果を最大化する正しい飲み方と期間
ナイシトールの効果を最大限に引き出すためには、正しい飲み方と適切な服用期間が非常に重要です。
最適な服用タイミング:食前または食間
漢方薬は、空腹時に服用することで吸収率が高まり、効果を発揮しやすくなります。
- 食前:食事の約30分~1時間前
- 食間:食事と食事の間(目安として食後2~3時間後)
胃の中に食べ物が残っている食後の服用は、効果が薄れる可能性があるため避けましょう。
用法・用量を守る
ナイシトールには複数の種類があり、それぞれ1回に飲む錠数や1日の服用回数が異なります。 例えば、「ナイシトールZa」は1回5錠を1日3回ですが、「ナイシトール85a」は1回5錠を1日2回です。 パッケージの説明をよく読み、必ず指示された量を守ってください。錠数が多くて飲みにくいと感じる方もいますが、自己判断で減らしてしまうと十分な効果が得られない可能性があります。
参考)【市販薬徹底比較!】悩める肥満症状にオススメの漢方薬「防風通…
服用期間の目安
効果を実感できるまでの期間には個人差がありますが、一般的には以下の期間が目安とされています。
- 便秘の改善:1週間程度
- 肥満症、むくみ、高血圧に伴う症状の改善:1ヶ月程度
1ヶ月以上服用しても効果が見られない場合は、体質に合っていないか、他の原因が考えられるため、一度、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
飲み合わせの注意点
他の下剤(便秘薬)との併用は、下痢などの副作用が強く出る可能性があるため避けてください。また、他の漢方薬や処方薬を服用している場合は、成分が重複したり、相互作用を起こしたりする可能性があるため、必ず事前に医師や薬剤師に相談しましょう。
生活習慣の見直しと正しい服用方法を組み合わせることで、ナイシトールの効果をより実感しやすくなるでしょう。
ナイシトールと腸内環境の変化:痩せ菌との意外な関係性
ナイシトールの主成分である防風通聖散が、単に脂肪燃焼や便通改善に働くだけでなく、腸内フローラ(腸内細菌叢)にも影響を与える可能性が、近年の研究で注目されています。これは、「ナイシトールを飲んでも効果がない」と感じる人と、効果を実感できる人の違いを説明する、新しい視点かもしれません。
私たちの腸内には多種多様な細菌が生息しており、そのバランスが肥満や健康状態に深く関わっています。特に、腸内細菌は大きく「日和見菌」「善玉菌」「悪玉菌」に分けられますが、肥満の人では特定の細菌の割合が変化していることが分かっています。
防風通聖散と腸内細菌の関係
防風通聖散の服用により、腸内細菌の構成が変化することが動物実験などで報告されています。具体的には、肥満に関連するとされるファーミキューテス門の菌が減少し、バクテロイデーテス門の菌が増加する傾向が見られます。この「バクテロイデーテス門」に属する菌は、しばしば「痩せ菌」とも呼ばれ、短鎖脂肪酸を産生する能力が高いことで知られています。
短鎖脂肪酸の重要な役割
短鎖脂肪酸は、腸内細菌が食物繊維などをエサにして作り出す物質で、私たちの体に有益な様々な働きをします。
- 脂肪蓄積の抑制:脂肪細胞へのエネルギーの取り込みを抑え、脂肪の蓄積を防ぎます。
- 食欲の抑制:食欲を抑えるホルモンの分泌を促します。
- エネルギー消費の促進:交感神経を刺激し、エネルギー消費を高める働きがあります。
つまり、防風通聖散は、腸内環境を「痩せやすい」状態に変化させることで、その効果を発揮している可能性があるのです。
効果が出にくい人は腸内環境が原因?
もともとの腸内環境は個人差が非常に大きいため、防風通聖散を服用しても、期待通りに「痩せ菌」が優位な状態に変化しない人もいると考えられます。これが、効果の個人差につながる一因かもしれません。
ナイシトールの効果を高めるためには、日頃から発酵食品や食物繊維を多く摂り、善玉菌が住みやすい腸内環境を整えることも、間接的に役立つ可能性があります。
以下の参考リンクでは、腸内細菌と肥満の関係について詳しく解説されています。
肥満と腸内細菌

【Amazon.co.jp 限定】【第2類医薬品】PHARMA CHOICE 防風通聖散料エキス錠「至聖」 540錠