内視鏡用回収バッグで組織異物回収

内視鏡用回収バッグと組織と異物回収

内視鏡用回収バッグ:迷いどころを先回り
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適応と禁忌を最初に固定

「何を回収するか」「どのルートか」「どのチャンネル径か」を先に決めると、サイズ・機構・手順の選択ミスが減ります。

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開閉トラブルを予防

過度な屈曲、無理な押し込み、過大な回収物は開閉不良や破損につながるため、挿入時と捕捉時の“抵抗”を指標にします。

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感染・粘膜損傷を減らす

視野外操作の回避、鋭利器具の接触回避、抜去時の同時抜去など、基本の徹底が合併症リスクを下げます。

内視鏡用回収バッグの使用目的と適応

 

内視鏡用回収バッグは、経内視鏡的にポリープなどの組織や異物を回収・除去する目的で用いられ、先端のバッグ(パウチ)を開閉して捕捉する構造が基本です。

「消化管」だけでなく、文書上は気管・気管支を含む対象が明記されている製品もあり、施設の運用範囲(診療科・手技)と整合させておくと選定がスムーズです。

現場での適応判断は“回収物の形状と脆さ”が鍵で、回収ネットや鉗子のみで回収すると破砕・脱落が懸念される場合に、バッグによる包み込みが有利になります。

一方で「内視鏡的手技が禁忌の患者」には使用しない、また「制御できない血液凝固障害」を有する患者は適用対象外とするなど、禁忌・禁止を添付文書レベルで確認しておく必要があります。

参考)https://www.hakko-medical.co.jp/wp-content/uploads/2021/12/AP-186-C.pdf

また、多くの製品で再使用禁止・再滅菌禁止が明記されており、再処理前提の運用は適合しません。

この“禁忌・禁止”は看護・CE・材料部の導線とも直結するため、内視鏡室の手順書に転記するだけでなく、物品請求や保管ラベルにも反映すると取り違えが減ります。

内視鏡用回収バッグの仕様とサイズとチャンネル径

内視鏡用回収バッグは、適合する鉗子口径(チャンネル径)やバッグ寸法が製品ごとに定義され、例えば鉗子口径2.0mm以上、2.8mm以上などの条件が設定されます。

適合しない内視鏡を使うと、挿入抵抗の増大だけでなく、内視鏡やデバイス自体の損傷につながると注意喚起されています。

サイズ選定では「直径・深さ」だけでなく、回収物の“最大径”と“体積”、さらに“閉口できるか”を重視します(大きすぎる回収物は閉口不全→漏出リスク)。

具体例として、ある製品ではレギュラーで直径40mm・深さ20mm・容量3mL、ラージで直径60mm・深さ40mm・容量20mLといった参考値が提示されています。

別系統の標本回収用パウチでは、口径(開口径)や深さが示され、開口部が大きいこと、シャフトが長いことなどが特徴として indicates されています。

参考)https://www.hakko-medical.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/end-carry.pdf

ただし、ここで重要なのは“数値の大きさ=安全”ではなく、挿入ルート(自然開口/トロカー等)と体内での展開・操作余裕のバランスで、過大サイズは操作性低下や粘膜接触面の増加につながり得ます。

選定の実務では、次のチェックが有効です。

・内視鏡の鉗子口径が適合するか(2.8mm以上など)

・回収物がバッグに収まり、かつ閉口できる見込みがあるか(閉口不全は漏出リスク)

・挿入中に強い抵抗が出ないサイズ・仕様か(無理な押し込み禁止)​

この3点を満たす候補を複数棚に持つより、施設で頻度の高い手技に対して“標準1種+難渋時の代替1種”に整理する方が、現場の取り違えは減りやすいです。

内視鏡用回収バッグの使用方法と手技のコツ

多くの回収バッグは、バッグを閉じた状態で鉗子口から慎重に挿入し、先端が視認できる位置まで進めた上でバッグを開き、捕捉後に閉じて内視鏡と同時に抜去する、という流れが基本です。

使用前点検として、フィンガースライド等の操作で「展開→収納(閉じる)」が問題なく動くか確認する手順が示されています。

また、抵抗を感じたら無理に進めず、内視鏡のアングルをできるだけまっすぐに戻す、潤滑剤で挿入性が改善し得る、といった“詰まりやすい局面の具体策”も明記されています。

一方、先端装着型(内視鏡先端にかぶせるタイプ)では、バッグを密着させて保持し、必要に応じて潤滑剤を塗布して、内視鏡とアプリケータを同時に押し進めるなど、鉗子口挿入型とは異なる勘所があります。

展開時にバッグが内視鏡に張り付く場合、送気で展開形状を整えるという説明があり、「開いているのに開いて見えない」状況のリカバリーとして有用です。

さらに“意外に見落とされる注意点”として、操作部を一方向に360°以上回転させない(糸が巻きつき開閉不良の恐れ)という制限が添付文書に明記されており、回収操作に集中するほど起きやすいヒューマンエラーとして要注意です。

実務のコツを、添付文書の注意喚起を“現場の動作”に落とし込むと次の通りです。

・挿入:抵抗が出たら中断し、アングルを戻してから再トライ(無理な押し込み禁止)​
・展開:内視鏡下(必要に応じ透視下)で、視認できる位置で展開する​
・捕捉:過度な力で開閉しない(損傷リスク)​
・抜去:バッグを保持したまま内視鏡と同時に抜去する手順が示される​

これらは“知っている”だけでは定着しにくいので、導入時は動画やデモよりも、実機を使った手元トレーニング(特に回転制限・抵抗時の戻し方)を短時間でも組み込むと事故が減ります。

内視鏡用回収バッグの禁忌と破損と合併症

回収バッグ関連の合併症として、穿孔、出血、感染、粘膜損傷などが挙げられ、不具合としてはデバイスや内視鏡の破損、キンク・断裂、バッグの開閉不良などが示されています。

原因は“操作の強さ”だけでなく、“状況(湾曲・巻き・曲げ)”が絡み、極度に巻かれた状態やチューブ根元を極度に曲げた状態で作動させると正しく機能しないことがある、という注意は現場に直結します。

また、視野外での回収操作を行わない(粘膜損傷の恐れ)という禁忌に近い注意は、教育上「最も優先して叩き込むルール」にできます。

破損予防で効くポイントは、添付文書に繰り返し出てくる“過度な力を加えない”を、具体行動に置き換えることです。

例えば、回収物が大きすぎると閉口しない恐れがあるだけでなく、重さによりバッグが破損し漏出する恐れがあると記載されており、「入ったからOK」ではなく「閉じ切れるか・引けるか」までがサイズ判断になります。

さらに鋭利な器具をバッグに接触させないという注意があるため、スネア先端や把持鉗子の角度を“バッグに当てない軌道”にする、あるいはバッグの外で把持→バッグへ誘導という手順を徹底すると破損を減らせます。

臨床で見落としやすいのは、回収後の“抜去局面”です。

ある製品では、バッグ展開後に体内でチャンネルから引き抜く操作を行わない(漏出、粘膜損傷、製品・内視鏡破損の恐れ)と明記され、回収後は内視鏡と一緒に引き抜く流れが示されています。

「手元で一度外してから抜く」などの自己流が事故につながるため、施設内で“抜去の標準動作”を統一しておくことがリスク低減になります。

内視鏡用回収バッグの独自視点と運用

検索上位の多くは「製品紹介」「カタログ」「添付文書」中心になりがちですが、現場で差が出るのは“運用設計”です。

独自視点として提案したいのは、内視鏡用回収バッグを「処置具」ではなく「検体品質と感染対策の境界ツール」と捉え、①適応の言語化、②サイズ選定ロジック、③トラブル時の戻り道、の3点 hints をチームで共有することです。

添付文書には保管で「水濡れや湿気」「日光・紫外線」「有機溶媒」を避けるなどの条件が書かれており、保管・搬送のルールが崩れると“使う前から性能が揺らぐ”可能性があるため、材料室と内視鏡室の境界でチェック項目を揃える価値があります。

また、手技の再現性を上げるために、次のような“運用の小技”が効きます。

・トラブル表を作る:抵抗が強い/開かない/閉じない/張り付く、を想定し、添付文書の対処(アングルを戻す、送気で展開を整える、無理に押し込まない)に紐づける​

・回収物の上限を決める:閉口不全・破損リスクが明記されるため、施設内で「この径・この硬さは外科コンサルト」など境界を作る

・“回転しすぎ”監視:一方向360°以上回転させない制限を、助手側の声かけ項目にする

製品情報・添付文書は、最終的に「誰がどのタイミングで何を確認するか」に落とし込んで初めて事故予防になります。

医師だけでなく、看護師・CEが“回収バッグの種類(鉗子口挿入型/先端装着型)と禁忌、回転制限、抜去手順”まで同じ言葉で説明できる状態が、トラブル時の立て直しを速くします。

このあたりを手順書に書くときは、添付文書の「禁止」をそのまま引用するのではなく、「現場動作(やってはいけない動き)」に変換して書くと教育効果が上がります。

添付文書(禁忌・使用方法・使用上の注意の根拠)

PMDA:Medi-Globe 内視鏡用ポリープ回収デバイス(添付文書PDF)

添付文書(回転360°制限、視野外操作禁止、送気で展開形状を整える等の具体)

八光:エンドキャリー(添付文書PDF)

製品カタログ(標本回収用パウチの開口部・シャフト長など仕様イメージ)

Medtronic:標本回収用パウチ(カタログPDF)

腹腔鏡手術器具 使い捨て標本回収バッグ 内視鏡 使い捨て組織回収バッグ (Size : 350ml)