網膜中心動脈閉塞症 治療 名医
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網膜中心動脈閉塞症 治療の時間窓と救急フロー
網膜中心動脈閉塞症(CRAO)は、急激な無痛性の片眼視力低下で発症し、眼科救急の中でも最優先で扱うべき病態です。
臨床現場で強調したいのは、網膜虚血の耐性時間が短く、閉塞後およそ1時間程度で不可逆的障害が進行し得る、という「時間窓」の厳しさです。
また、研究・臨床試験の案内でも「4〜6時間以上の無・低灌流が続くと不可逆変化(細胞死)が起こる」とされ、時間依存性は一貫しています。
救急フローは、眼科だけの完結型にせず、「眼科救急」と「脳卒中/循環器」の並列を最初から組み込みます。
理由は、CRAOが“eye stroke”として位置づけられ、視機能だけでなく全身の動脈硬化性イベントや脳卒中リスク評価が重要になるためです。
医療従事者向けの実務ポイント(院内手順の例)。
- 受付・トリアージ:突然の片眼視力低下は緊急枠(救急同等)で即対応。
参考)https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_20221
- 眼科初期評価:問診+眼底検査で大枠の診断に至ることが多いとされます。
参考)網膜中心動脈閉塞症|千葉大学医学部附属病院 cPico Tr…
- “時間の宣言”:発症時刻を分単位で確定し、院内共有(tPA検討やHBOT紹介に直結)。center6.umin+1
- 併走で全身評価:塞栓源検索と二次予防を同日に走らせる(脳卒中の目として扱う)。
参考:発症からの時間と治療の重要性(眼科救急の位置づけ)
眼科救急としての緊急性・不可逆化までの目安(1時間程度)に触れています。
網膜中心動脈閉塞症 治療で試みられる標準的手技(眼球マッサージ・薬剤・ブロック)
患者向け解説としても、CRAOは「網膜が壊死しないうちに発症から24時間以内(1〜2時間が望ましい)で治療」が必要とされ、早期介入の重要性が明記されています。
同ページでは、まぶたの上からの眼球マッサージ、血栓溶解薬や網膜循環改善薬の投与、さらに血流増加を狙った頸部交感神経節ブロックなどが「試みられることがある」と整理されています。
ここでの臨床的な落とし穴は、「やれることが複数ある」ことが、かえって施設内での手順迷子(誰が何をいつやるか未定)を生み、結果として最重要の“時間”を失う点です。jmedj+1
したがって、標準的手技は“やる/やらない”の議論以上に、「同時に上位施設へ連絡」「脳卒中評価を併走」のスイッチとして運用すると、現場で再現性が上がります。pmc.ncbi.nlm.nih+1
実務で使える整理(治療目的別)。
- 再疎通を狙う:血栓溶解薬を含む薬剤的アプローチ(適応・時間窓の議論が必須)。center6.umin+1
- 眼内酸素化を補う:高気圧酸素療法(HBOT)など、閉塞血管を通さず酸素供給を増やす発想。eyeclinic.minamitohoku+1
- 全身の再発予防:CRAOを“目の脳卒中”として塞栓源・危険因子を詰める。
網膜中心動脈閉塞症 治療の高気圧酸素療法(高圧酸素療法)の位置づけ
高気圧酸素療法(HBOT)は、加圧環境下で100%酸素を吸入し、血流障害による組織低酸素状態の改善を狙う治療として説明されています。
また、HBOTは血漿中に溶解する酸素を増やすことで、閉塞した動脈を通過せずとも網膜組織へ酸素を供給できる、という機序が紹介されています。
一方で、限界も押さえる必要があり、CRAOに「ガイドラインで推奨される治療法はなく、HBOTの有効性に関するデータも限られる」とする整理もあります。
それでも、臨床研究の文脈では、HBOTの有効性検証や予後因子同定が研究課題として継続して扱われており、「どの症例に効きやすいか」を見極める方向に議論が進んでいます。
参考)https://www.tohokuh.johas.go.jp/outline/documents/2017/img/documents_2017_04.pdf
医療者が患者説明で使える“誤解されやすい点”の言い換え。
- 「HBOTが万能」ではなく、「虚血早期に酸素供給を補助して視機能温存を狙うが、確立治療とまでは言い切れない」。academia.carenet+1
- 「できる施設が限られる」ため、院内で適応を検討したら即座に実施可能施設へ連絡する設計が重要。tohokuh.johas+1
参考:HBOTの機序(血漿溶解酸素で網膜へ酸素供給)
作用機序の説明に使えます。

網膜中心動脈閉塞症 治療の血栓溶解(アルテプラーゼ)と4.5時間
CRAOに対して「発症4.5時間以内の低用量(0.6mg/kg)アルテプラーゼ静注療法」の有効性・安全性を評価する臨床試験が登録されており、時間窓を区切った治療戦略が現実に検討されています。
同様の内容は国内の研究計画書(PDF)としても公開されており、4.5時間以内・低用量0.6mg/kgという具体条件が明記されています。
ここで重要なのは、CRAOの治療選択が“眼科単科の判断”だけでは完結しにくく、tPAを扱い慣れた脳卒中チームとの連携・合併症リスク評価・院内同意手続きが時間内に回る体制が「名医(施設)」の実力になる点です。center6.umin+1
さらに、厚労省資料では虚血性脳血管障害に対するアルテプラーゼ静注療法について「発症から4.5時間以内」が推奨され、日本では投与量0.6mg/kgが示されています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/13_1.pdf
CRAOは脳梗塞そのものとは適応体系が異なるため、そのまま流用はできませんが、「時間窓」「全身リスク評価」「脳卒中導線」が臨床意思決定の骨格になる点は共通言語として使えます。mhlw+2
参考:4.5時間以内・0.6mg/kgアルテプラーゼ(CRAO臨床試験の登録情報)
時間窓と研究デザインチェックに有用です。
網膜中心動脈閉塞症 治療 名医を見極める紹介基準(独自視点:体制の指標化)
検索では「名医」という語が先行しがちですが、CRAOは時間窓が短く、設備・連携・導線の差が転帰を左右するため、実務的には“個人”より“体制”を指標化したほうが安全です。
たとえば大学病院の治験案内でも、CRAOは急激な無痛性視力低下を起こし、4〜6時間以上の低灌流で不可逆変化が起こり得ると明記されており、「迅速に専門導線へ乗せる」こと自体が治療戦略になります。
さらに東北大学のプレスリリースでは、CRAOは有効な治療法がないのが現状としたうえで、新規内服薬候補(神経保護薬)の臨床試験が進行中であることが述べられており、先進的治療にアクセスできる体制の価値も示唆されます。
そこで、医療機関内で共有しやすい「名医(紹介先)チェックリスト(案)」を提示します(※患者紹介時の実務用)。
- 24時間の眼科救急受け入れ導線がある(電話がつながる、紹介状なしでも救急対応できる)。
- 脳卒中/循環器と同日に連携できる(CRAOを“目の脳卒中”として扱う運用がある)。
- HBOTが院内で可能、または即日で実施可能施設へ搬送できるネットワークがある。eyeclinic.minamitohoku+1
- 血栓溶解など時間窓治療を検討できる(臨床試験やプロトコルが整っている)。hosp.tsukuba+1
- 再発予防(塞栓源検索、危険因子介入)までワンストップで設計されている。
意外に見落とされる“紹介のタイミング”の工夫。
- 眼底所見が揃うのを待つより、「突然・無痛・片眼・高度視力低下」だけで上位施設へ事前連絡し、並走で検査を進めるほうが時間を守れます。ophthalmol.kuhp.kyoto-u+1
- “治療できるか不明”でも、HBOTや先進治療(治験)へのアクセス可否は施設差が大きいため、迷ったら体制のある施設へ寄せる判断が合理的です。tohoku+1
参考:CRAOの新規治療薬(医師主導治験・第III相試験へ)
「確立治療が乏しい現状」と「先進的治療アクセス」の文脈に使えます。
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/10/press20251020-03-SJP.html

眼科 2024年11月号 網膜中心動脈閉塞症の最新情報