網膜網状変性と網膜色素変性
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網膜網状変性の定義と位置づけ
医療現場で「網膜網状変性」という表現が出てきた場合、まず前提として、標準化された疾患名(指定難病の病名など)と1対1対応しない可能性を意識する必要があります。
とくに患者・家族の説明や紹介状では、「網膜の変性(ジストロフィ)を疑う」「網膜色素変性症(RP)を鑑別に置く」といった、合意されやすい言い換えに落とし込むと誤解が減ります。
網膜色素変性症(retinitis pigmentosa:RP)は、遺伝子変異により視細胞および網膜色素上皮が進行性に変性する疾患群とされ、初期に夜盲と視野狭窄が出やすい点が整理の軸になります。
したがって「網膜網状変性」を見聞きしたら、①進行性か、②夜盲・視野狭窄があるか、③眼底/OCT/ERGが典型に寄るか、を確認して、RP(あるいは類縁疾患)に寄せて情報を再構成するのが安全です。
網膜網状変性の症状と夜盲と視野狭窄
RPの代表的な自覚症状は、夜盲・視野狭窄・視力低下で、後期には色覚異常、光視症、羞明なども起こり得ます。
臨床では「暗い所で見えない(夜盲)」が最初の訴えになりやすい一方、生活環境次第では自覚が乏しく、視野障害が進んでから受診する例もあるため、問診で具体的エピソードを引き出すのが有用です。
視野障害は中間周辺部から始まり輪状暗点を形成して、進行すると求心性狭窄(中心視野が残る)へ移行するパターンが典型とされます。
「視力は保たれているのに歩行や人混みが苦痛」という訴えは、中心視力より視野狭窄が先に日常生活を壊す、というRPの特徴を反映していることが多いです。
網膜網状変性の眼底所見と網膜電図
指定難病としての網膜色素変性症の診断枠組みでは、眼底所見として網膜血管狭小、粗造な網膜色調、骨小体様色素沈着、多発する白点、視神経萎縮、黄斑変性などが挙げられています。
この「骨小体様色素沈着」は、視細胞変性に伴う網膜色素上皮(RPE)の変性の結果として説明され、病期やサブタイプにより色素沈着が目立たない無色素性RPもあり得ます。
網膜電図(ERG)は初期から減弱または消失型になり得て、眼底所見が非典型で診断が難しい場面でも診断確定に重要と位置づけられています。
また、RPは指定難病の新規申請の際にERGが必須とされる点は、診療計画(紹介・検査依頼・書類)を組むうえで見落としやすい実務ポイントです。
網膜網状変性のOCTとエリプソイドゾーン
RPでは、光干渉断層計(OCT)で中心窩におけるエリプソイドゾーン(EZ)の不連続や消失が診断基準の一部として扱われています。
ガイドライン上も、病状進行に伴いEZの連続性が失われ、さらに外境界膜の消失、外顆粒層の菲薄化が進む、といった構造変化が説明されています。
OCTは黄斑浮腫(CME)や黄斑上膜など、検眼鏡的には見落としやすい合併症の拾い上げにも有用で、経過観察の「毎回の最低限セット」に組み込みやすい検査です。
一方で、初期の周辺網膜の変化はOCTの測定範囲の限界で捉えにくいこと、末期はEZ消失で定量評価が難しくなることも明記されており、視野・ERGなどと併用する前提が重要です。
網膜網状変性の独自視点:患者説明と合併症で失点しない
RPは「確立した根治治療がない」と整理される一方で、合併する白内障や黄斑浮腫に対しては通常の治療が行われ、視機能が改善し得る要素が残る点が診療上の救いになります。
ガイドラインでは白内障(後囊下混濁が多い)や黄斑浮腫(頻度10〜40%との報告)などを挙げ、侵襲の少ない治療から開始しOCTで効果確認しながら進める、という実装しやすい方針が示されています。
さらにロービジョンケアとして、羞明への遮光眼鏡、拡大読書器・ルーペ、白杖、福祉制度の情報提供などが整理されており、「病名を告げて終わり」にしない外来設計が可能です。
意外に見落とされやすいのは、視力が比較的良好でも視野狭窄で生活動作(歩行・移動)が破綻する点で、患者は「見えているのに困る」状態を言語化しにくいので、医療側が先回りして説明すると納得度が上がります。
指定難病の症状・眼底所見・OCT(EZ)・ERG・重症度分類の根拠(臨床説明/書類作成の基盤)。
網膜色素変性症(指定難病90) &#8211; 難病情報セン…
網膜色素変性診療ガイドライン(OCT所見、鑑別、合併症治療、ロービジョンケアの実務)。
https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/retinitis_pigmentosa.pdf

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