モノバクタム系抗菌薬ゴロの覚え方
モノバクタム系抗菌薬の基本的なゴロ合わせ
モノバクタム系抗菌薬を覚える最も効果的なゴロ合わせをご紹介します。
「明日取ろうとアミが言ってベター」
このゴロ合わせは、モノバクタム系の代表薬アズトレオナムと、よく併用されるアミノグリコシド系薬剤、そして所属するβ-ラクタム系という重要な情報を同時に記憶できる優れた方法です。
参考)https://x.com/kotaro_aoyaku?lang=ja
モノバクタム系の語尾による覚え方
β-ラクタム系抗菌薬の分類は語尾で判別可能です:
参考)https://kusuri-manabu.com/pharmacology_antibiotic_cell-wall/
「お眠にペニスしりに入れるのはセーフ、南無」というゴロで、「南無」部分がモノバクタム系の「~ナム」を表現しています。アズトレオナムも「アズトレオナム」として語尾ルールに従います。
アズトレオナムの特徴と臨床応用
アズトレオナムは日本で使用できる唯一のモノバクタム系抗菌薬で、商品名は「アザクタム®」です。
参考)https://note.com/igakustudy/n/na31b8e3d65a9
主な特徴。
- グラム陰性桿菌に広く効果(緑膿菌を含む)
参考)https://www.doctor-vision.com/dv-plus/column/knowledge/kokinyaku-guide-2007.php
- グラム陽性菌や嫌気性菌には全く効果なし
- メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)に対して安定
参考)http://www.kanazawa-med.ac.jp/~kansen/situmon3/metaro-beta.html
- ペニシリンアレルギー患者でも使用可能(交差反応率0.001%未満)
参考)http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-otowa-170609.pdf
投与量:腎機能正常時は1-2g 8時間毎投与が標準です。
ペニシリンアレルギー患者でのモノバクタム系使用注意点
アズトレオナムはペニシリンアレルギー患者で使用できる貴重な選択肢ですが、注意すべき点があります。
交差反応の注意。
- ペニシリン系との交差反応は極めて稀(0.001%未満)
- セフタジジムとは側鎖構造が同一のため交差反応あり
- セフィデロコルとも交差反応の可能性
アレルギー患者での使い分け。
- グラム陽性菌カバー:クリンダマイシン
- グラム陰性菌カバー:アズトレオナム
この使い分けを「ペニアレのGPC(グラム陽性菌)はクリンダ、GNR(グラム陰性桿菌)はアズトレ」として覚えると実践的です。
メタロ-β-ラクタマーゼ産生菌とモノバクタム系の関係
モノバクタム系抗菌薬の最も重要な臨床的価値は、メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)産生菌に対する有効性にあります。
参考)https://www.mdpi.com/2079-6382/10/8/1012/pdf
MBL産生菌に対する効果。
- カルバペネム系、ペニシリン系、セフェム系は全て分解される
- アズトレオナムは単環β-ラクタム構造のためMBLで分解されない
- ただし、ESBL(基質拡張型β-ラクタマーゼ)やAmpCβ-ラクタマーゼは同時産生される可能性
アビバクタム併用の意義。
近年、アズトレオナム-アビバクタム配合剤が注目されています。アビバクタムがESBLやAmpCを阻害することで、MBL産生菌に対してより確実な効果を発揮します。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11687205/
参考となる論文情報。
アズトレオナム-アビバクタム配合剤の多剤耐性グラム陰性菌に対する有効性
参考となる日本の医療機関向け情報。