耳の下が痛い片方ズキズキの原因と病気、ストレス以外の意外な見分け方

耳の下が痛い、片方がズキズキする原因

ズキズキする耳の下の痛み、考えられる原因は?
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耳自体の問題

外耳炎や中耳炎など、耳の感染症が原因で痛みが出ている可能性があります。

🦠

ウイルス・細菌感染

おたふく風邪や耳下腺炎、リンパ節炎など、感染による炎症が痛みを引き起こします。

🦷

耳以外の関連痛

顎関節症や虫歯、神経痛など、耳以外の場所の問題が耳の下の痛みとして感じられることがあります。

耳の下が痛い時に考えられる主な病気と症状

 

片方の耳の下がズキズキと痛む場合、いくつかの病気が考えられます。症状を正しく理解し、適切な対処につなげることが重要です。安易な自己判断は危険な場合もあるため、専門医の診断を仰ぐことを推奨します。 ここでは、代表的な病気とその特徴的な症状について詳しく解説します。

代表的な病気と症状のチェックリスト

  • 👂 急性中耳炎外耳炎: 耳の穴の中や奥に強い痛みを感じます。 ズキズキとした拍動性の痛みが特徴で、耳だれや発を伴うこともあります。 特に、急性中耳炎は風邪などをきっかけに発症することが多いです。
  • 🦠 耳下腺炎(じかせんえん): 耳の下にある唾液腺「耳下腺」の炎症です。
    • 流行性耳下腺炎おたふく風邪): ムンプスウイルスが原因で、片側または両側の耳の下が腫れて痛みます。 発熱を伴い、食事の際に痛みが増すのが特徴です。
    • 化膿性耳下腺炎: 細菌感染が原因で、主に片方の耳の下が赤く腫れて強く痛みます。 膿が出ることもあります。免疫力の低下が原因となることが多いです。
    • 反復性耳下腺炎: 主に子供に見られ、何度も腫れと痛みを繰り返します。 ストレスやアレルギーが関与している可能性も指摘されています。
  • 🩸 リンパ節炎: 細菌やウイルス感染により、耳の後ろや首のリンパ節が腫れて痛みます。 風邪や虫歯などが原因で起こることが多いです。
  • 😬 顎関節症(がくかんせつしょう): 顎の関節やその周りの筋肉に問題が起こる病気です。 口を開けるとカクカク音がしたり、痛みで口が開けにくくなったりします。 耳の痛みと間違われることが非常に多いのが特徴です。
  • 神経痛:
    • 後頭神経痛: 後頭部から耳の後ろ、頭頂部にかけて、片側にピリピリ、ズキズキとした電気が走るような痛みが特徴です。
    • 舌咽神経痛・三叉神経痛: 喉や舌の付け根、顔面に激しい痛みが走り、それが耳に放散することがあります。
  • 🔴 帯状疱疹(たいじょうほうしん): 水ぼうそうのウイルスが原因で、片側の神経に沿ってピリピリとした痛みと発疹が現れます。 耳の周りにできると、顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)を引き起こすことがあります。
  • 💎 唾石症(だせきしょう): 唾液腺の中に石ができる病気で、食事の際に唾液腺が腫れて痛みます。
  • ⚠️ 悪性腫瘍: まれですが、耳下腺やその周辺の悪性腫瘍が原因で痛みが出ることがあります。 しこりが硬く、動きにくい、顔面神経麻痺を伴うなどの場合は注意が必要です。

これらの病気は症状が似ていることもあり、鑑別が重要です。 特に、痛みが長引く場合や、発熱、めまい、顔の動きにくさなど他の症状を伴う場合は、早急に医療機関を受診してください。

耳下腺炎の詳しい分類や原因については、以下の専門医監修の記事も参考になります。

【医師監修】耳の下が痛い原因とは?片側だけ痛むのはなぜ?ズキズキ、しこり、腫れているなど症状別に考えられる病気を解説 | メディカルドック

耳の下の痛みはストレス?大人と子供で異なる原因

「最近忙しくてストレスが溜まっているから、耳の下が痛いのかな?」と感じる方も少なくないでしょう。 実際に、ストレスは体の免疫力を低下させ、様々な病気の引き金になる可能性があります。 しかし、「ストレスが直接的な原因」と断定する前に、大人と子供それぞれで考えられる背景を理解することが大切です。

大人の場合:ストレスと生活習慣の乱れが複合的に影響

大人の場合、ストレスが自律神経のバランスを乱し、筋肉の緊張や血行不良を引き起こすことがあります。 特に、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、首や肩、顎周りの筋肉が凝り固まり、それが耳の下の痛みとして感じられることがあります(筋緊張性の痛み)。 また、ストレスは顎関節症の悪化要因とも言われています。無意識の歯ぎしりや食いしばりが増え、顎関節に負担をかけてしまうのです。

さらに、ストレスによる免疫力の低下は、化膿性耳下腺炎や帯状疱疹といった感染症のリスクを高めます。 疲労や睡眠不足が重なると、普段は抑えられている細菌やウイルスが活性化しやすくなるのです。 ストレスは直接的な原因とは言えなくても、多くの病気の間接的な誘因となっていることは否定できません。

ストレスによる身体症状について、以下の記事で詳しく解説されています。

え?あごの痛みも!?気が付かないうちにストレスで起こる身体のサイン | Healthist

子供の場合:繰り返す「反復性耳下腺炎」に注意

子供、特に幼児期から学童期の子供が耳の下の腫れと痛みを繰り返す場合、「反復性耳下腺炎」の可能性があります。 これは、おたふく風邪とは異なり、細菌感染やアレルギー、唾液を出す管の未熟さなどが原因と考えられています。 ストレスや疲れが発症のきっかけになることもありますが、人にうつる病気ではありません。

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)は一度かかると免疫ができますが、反復性耳下腺炎は何度も繰り返すのが特徴です。 症状は比較的軽いことが多いですが、年に何度も繰り返す場合は、耳鼻咽喉科で相談することをおすすめします。

大人と子供の主な原因の違い
大人の主な原因 子供の主な原因
ストレスとの関連 筋緊張、顎関節症の悪化、免疫力低下による感染症(化膿性耳下腺炎、帯状疱疹など)の間接的な誘因 反復性耳下腺炎の誘因となることがある
特徴的な病気 化膿性耳下腺炎、顎関節症、神経痛、帯状疱疹 流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、反復性耳下腺炎

このように、同じ「耳の下の痛み」でも、年齢によって考えられる原因は異なります。ご自身の年齢や生活習慣、症状の経過をよく観察し、適切な対応を心がけましょう。

耳の下が痛い時の病院受診の目安と何科に行くべきか

耳の下に痛みを感じたとき、「このくらいで病院に行くべきか」「何科を受診すればいいのか」と迷うことがあるかもしれません。 しかし、中には早期治療が必要な病気も隠れているため、適切なタイミングで専門医に相談することが非常に重要です。 ここでは、受診の目安となる症状と、症状に応じた診療科の選び方について解説します。

こんな症状はすぐに病院へ!受診の目安

以下の症状が一つでも当てはまる場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診してください。

  • 😱 痛みが非常に強い、我慢できない: 急性中耳炎や化膿性耳下腺炎、神経痛など、強い炎症や神経の異常が考えられます。
  • 🌡️ 高熱を伴う: 細菌やウイルスによる感染症の可能性が高いです。
  • 🤢 耳だれや膿が出ている: 外耳炎や中耳炎、化膿性耳下腺炎が疑われます。
  • 👄 口が開きにくい、顎を動かすと痛い: 顎関節症の可能性があります。
  • 😵 顔の半分が動きにくい、麻痺している: 悪性腫瘍や帯状疱疹による顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)など、緊急性の高い病気が考えられます。
  • 🔴 皮膚に赤い発疹や水ぶくれがある: 帯状疱疹の可能性が高いです。
  • Lump しこりがあり、だんだん大きくなっている: 腫瘍の可能性があるため、精密検査が必要です。
  • 🤕 痛みが1週間以上続く、または悪化している: 慢性的な炎症や、他の病気が隠れている可能性があります。

症状別:何科を受診するべき?

原因によって専門とする診療科が異なります。どの科に行けばよいか迷った際の参考にしてください。

診療科 主に診る症状・病気
耳鼻咽喉科 耳の痛み、耳だれ、耳の腫れ、めまい、顔面神経麻痺など、耳・鼻・喉に関する全般的な症状。まず最初に受診を検討すべき科です。

(対象疾患:中耳炎、外耳炎、耳下腺炎全般、リンパ節炎、帯状疱疹、神経痛、唾石症、耳下腺腫瘍など)
歯科・口腔外科 口を開けると痛い、顎がカクカク鳴る、歯ぎしりを指摘されたことがあるなど、顎や歯に原因があると考えられる場合。
(対象疾患:顎関節症、虫歯、歯周病、親知らずの問題など)
内科・小児科 発熱や全身倦怠感など、全身症状が強い場合。子供の症状でかかりつけ医がいる場合。
(対象疾患:風邪に伴うリンパ節炎、流行性耳下腺炎など)
ペインクリニック脳神経外科 電気が走るような激しい痛みが特徴的な場合。他の科で原因が特定できない神経痛。

(対象疾患:後頭神経痛、三叉神経痛、舌咽神経痛など)
皮膚科 耳の周りに発疹や水ぶくれを伴う痛みがある場合。
(対象疾患:帯状疱疹など)

判断に迷う場合は、まずは耳鼻咽喉科を受診するのが最も一般的です。 耳鼻咽喉科は耳、鼻、のど、頸部(首)の専門家であり、耳の下の痛みの原因となる多くの疾患に対応できます。そこで診断がつかない場合や、より専門的な治療が必要な場合に、他の科を紹介してもらうのがスムーズです。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のウェブサイトでは、お近くの耳鼻咽喉科専門医を探すことができます。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

耳の下の痛みと顎関節症の意外な関係|歯科医が解説

「耳の下の痛みなのに、歯医者さん?」。そう思われるかもしれませんが、実は耳の下のズキズキとした痛みの原因が「顎関節症(がくかんせつしょう)」であることは少なくありません。 耳と顎の関節は非常に近い位置にあるため、顎の問題が耳の痛みとして感じられる「関連痛」が起こりやすいのです。 耳鼻咽喉科で異常がないと言われた場合、一度、顎の専門家である歯科・口腔外科の視点から症状を見直してみることが解決の糸口になるかもしれません。

なぜ顎関節症で耳の下が痛くなるのか?

顎関節症は、以下の3つの主要な症状が特徴です。

  1. 顎の痛み: 口を開けたり、食べ物を噛んだりするときに顎やその周りが痛む。
  2. 関節音: 口を開け閉めするときに「カクカク」「ジャリジャリ」といった音がする。
  3. 開口障害: 口が開きにくい、または閉じにくい。

顎関節や、顎を動かす筋肉(咀嚼筋)に過度な負担がかかることで、炎症や機能障害が起こります。この咀嚼筋の一つである「外側翼突筋」などが緊張すると、その痛みが耳の奥や耳の下に響くように感じられることがあります。これが関連痛のメカニズムです。

CTやMRIなどの画像診断技術の進歩により、このような関連痛の診断がより正確に行えるようになってきました。

あなたは大丈夫?顎関節症セルフチェック

以下の項目に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。

  • ☑️ 口を大きく開けると、人差し指・中指・薬指の3本が縦に入らない。
  • ☑️ 口を開け閉めするときに、耳の前あたりで音がする。
  • ☑️ 硬いものを食べると顎が疲れる、または痛む。
  • ☑️ 朝起きた時に、顎やこめかみにこわばりや痛みを感じる。
  • ☑️ 無意識に歯を食いしばったり、歯ぎしりをしたりする癖がある。
  • ☑️ 肩こりや頭痛に悩まされている。

これらの項目に複数当てはまる場合は、顎関節症の可能性があります。

見過ごされがちな「TCH」という癖

顎関節症の大きな原因の一つとして、近年注目されているのが「TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)」です。これは、食事の時以外に、上下の歯を”無意識に”接触させ続ける癖のことです。通常、リラックスしている状態では上下の歯の間にはわずかな隙間(安静空隙)がありますが、TCHのある人は、集中している時やストレスを感じている時に、持続的に歯を接触させてしまいます。このわずかな力でも、長時間続くと咀嚼筋を緊張させ、顎関節に大きな負担をかけ、結果として耳の下の痛みを引き起こすことがあるのです。

「自分は食いしばっていない」と思っていても、TCHは無意識下で行われるため自覚がないケースがほとんどです。PC作業中やスマホを見ている時など、ふとした瞬間に上下の歯が触れていないか意識してみてください。

顎関節症に関する詳しい情報は、日本顎関節学会のウェブサイトで確認できます。

日本顎関節学会

耳の下の痛みがなかなか改善しない場合、それは耳自体の問題ではなく、隣接する「顎」からのサインかもしれません。一度、歯科・口腔外科で相談してみることを強くお勧めします。

耳の下の痛みに隠されたスピリチュアルな意味とは?

医療的なアプローチとは別に、心と体のつながりに目を向けるスピリチュアルな観点では、体の特定の部位に現れる不調は、内面的なメッセージであると捉えることがあります。耳の下の痛み、特にズキズキとした痛みは、エネルギー的な観点から見るとどのような意味を持つのでしょうか。これは医学的根拠に基づくものではありませんが、ご自身の心の状態を振り返る一つのきっかけとして参考にしてみてください。

喉のチャクラ(第5チャクラ)のブロック

スピリチュアルな考え方において、体には「チャクラ」と呼ばれる7つの主要なエネルギーセンターがあるとされています。耳の下や喉の周辺は、第5チャクラ(喉のチャクラ)の領域にあたります。このチャクラは、コミュニケーション、自己表現、創造性、そして真実を語ることを司る場所です。

この第5チャクラのエネルギーの流れが滞ったり、ブロックされたりすると、喉や首、耳、顎周辺に物理的な不調として現れることがあると言われています。

  • 🗣️ 言いたいことを我慢している: 本当の気持ちや意見を飲み込み、表現することを恐れていませんか? 周囲に合わせすぎて、自分の本音を偽っているかもしれません。
  • 🙅 聞きたくない情報への抵抗: 誰かの批判や、受け入れたくない現実から耳を塞ぎたいという無意識の抵抗が、耳の痛みとして現れることがあります。
  • 😢 表現されない悲しみ: 泣きたいのに泣けない、悲しみを外に出せずに溜め込んでいる状態も、喉のチャクラを詰まらせる原因となります。
  • 🤥 自己不信と嘘: 自分自身や他人に対して誠実でない時、その矛盾がエネルギーの不調和を生み、痛みとしてサインを送ることがあります。

痛みが伝えるメッセージを受け取る

もし、耳の下の痛みが medical checkup で異常なしと診断されたり、ストレスが原因かもしれないと感じたりしたときは、少し立ち止まって自分の心に問いかけてみてください。

「最近、言いたいことを言えずに我慢していないだろうか?」
「誰かや何かの意見に対して、頑なになっていないだろうか?」
「自分の本当の望みや感情を無視していないだろうか?」

このような内省を通じて、自分の内なる声に耳を傾けることが、不調を和らげる第一歩になるかもしれません。自分の感情をノートに書き出したり、信頼できる友人に話を聞いてもらったり、歌を歌ったりするなど、自己表現を促す行動が、滞ったエネルギーを解放する助けとなるでしょう。

もちろん、これはあくまで一つの視点です。スピリチュアルな解釈に偏りすぎず、まずは医療機関で適切な診断を受けることが大前提です。 その上で、心と体の両面から自分自身をケアする意識を持つことが、健やかな毎日へと繋がっていくのではないでしょうか。


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