共済組合 法別番号
共済組合の法別番号と保険者番号の意味
医療機関の受付・医事会計で「共済組合 法別番号」が話題になる場面の多くは、患者さんの保険種別を“番号の見た目”から判断したいときです。法別番号は「被保険者が加入している医療保険制度の種類を表す2桁の番号」と整理できます。つまり、保険証(または資格情報)に載っている“保険者番号”を見たとき、先頭2桁がその制度の出自を語ります。
特に共済は、社会保険の中でも職域にひもづいた制度です。代表的な法別番号は次の通りです(ここだけ覚えると窓口対応が速くなります)。
- 31:国家公務員共済組合
- 32:地方公務員等共済組合
- 33:警察共済組合
- 34:公立学校共済組合、日本私立学校振興・共済事業団(同じ枠で扱われる例がある)
この一覧は、制度区分としての「法別番号」を示すものとして広く使われています。
根拠として、制度別の法別番号の表(共済が31〜34であること、後期高齢者が39であること等)が公開されています。
参考)法別番号
また、現場で意外と混乱が生まれるのが「国民健康保険には法別番号が“ない(空欄扱い)”」という点です。国保の保険者番号は原則6桁で、法別番号2桁を前提にした“8桁の感覚”で見てしまうと、入力規則が崩れて誤りに気づきにくくなります。国保だけ別扱いという仕様は、厚労省の「保険者番号等の設定要領」に明記されています。
共済組合の法別番号を保険証で確認する方法
実務では「共済組合の法別番号はどこに書いてあるのか」が最初のつまずきです。多くのケースで、患者さんが持参する保険証(または資格確認書等)に記載される“保険者番号”の先頭2桁を読むことで判断します。つまり、法別番号そのものが単独で大きく印字されているというより、「保険者番号という8桁の塊の先頭2桁」として見つける、という感覚が近いです。
保険者番号の基本構造は以下です(医療事務の新人教育で非常に効きます)。
- 法別番号:2桁
- 都道府県番号:2桁
- 保険者別番号:3桁
- 検証番号:1桁(チェックデジット)
この“8桁の分解”ができると、「共済かどうか」だけでなく、転居・異動に伴う変更の可能性にも気づきやすくなります。
注意点として、医療現場では「記号・番号(被保険者記号番号)」「保険者番号」「公費負担者番号」を混同しがちです。法別番号の話をしているのに、患者さんが見せているのが“公費の受給者証”だけだった、という状況も起きます。公費負担者番号も同じく先頭2桁に法別番号が入りますが、こちらは“公費制度の種類”の法別番号であり、医療保険(共済等)の法別番号とは体系が別です(同じ言葉でも意味が違う)。この違いが明記された資料が厚労省の設定要領に載っています。
共済組合の法別番号と都道府県番号と検証番号
「番号を見た目で確認する」だけでなく、「入力が正しいか」を点検できると、返戻・再請求の手間が減ります。保険者番号は、法別番号・都道府県番号・保険者別番号に加え、最後に検証番号(チェックデジット)を付けて“誤入力を検出しやすい”設計です。検証番号がどう作られるか(末尾から2と1を交互に掛けて合計し、10との差を取る等)までルールが文章と例で示されています。
医療機関側の実務としては、次のような“現場あるある”の回避に役立ちます。
- 🧠 先頭2桁だけで共済と判断してしまい、都道府県番号の桁ズレに気づかない。
- 🧾 8桁のつもりで入力していたら、患者さんが国保で6桁だった。
- 🔁 月途中の保険者番号変更により、同月内でレセプトを分ける必要があったのに気づかなかった。
月途中の保険者番号変更時に明細書を分ける必要がある、という運用上の注意も同じ資料に明記されています。
さらに、共済組合の“退職者”が絡むと難度が上がります。法別番号には特例退職に関する番号(72〜75など)が別枠で整理されており、通常の31〜34とは別に存在します。患者さんが「元公務員だから共済」と言っていても、資格の種別は退職者の枠に移っている可能性があるため、番号で確かめる価値があります。
共済組合の法別番号と資格確認の実務
医療従事者向けに、実務で効くポイントを“手順”としてまとめます。共済組合の法別番号を巡るトラブルの多くは、制度理解ではなく「確認の順番」が曖昧なことから起きます。
受付・医事の確認手順(シンプル版)
- 患者さんの提示物が「医療保険の資格情報」か「公費受給者証」かを先に分ける。
- 医療保険の保険者番号が確認できたら、先頭2桁=法別番号を読み、31〜34なら共済の可能性が高いと判断する。
- 桁数(原則8桁/国保は6桁など)と検証番号の整合性を意識し、入力ミスを減らす。
- 月途中変更の有無を必ず確認し、変更があればレセプトは分ける前提で扱う。
ここで“あまり知られていないが効く話”として、検証番号(チェックデジット)の存在は「人間が目視でミスに気づくための最後の砦」になり得ます。システムが自動チェックしてくれない環境(紙運用、臨時入力、CSV取込の例外処理など)では、番号の末尾が理屈に合わないことがヒントになるためです。厚労省の設定要領に、検証番号の計算例が具体的に載っているので、教育資料として引用しやすいのも実務上の利点です。
また、共済=公務員=“常に同じ”という誤解もトラブル要因です。共済は「制度」であって、同じ人でも異動・退職・扶養関係の変更で保険者番号が変わることがあります。患者さんの自己申告より、資格情報の“番号”を優先する運用が安全です。
共済組合の法別番号と医療機関の独自視点
検索上位は「法別番号の一覧」「見分け方」「どこに書いてあるか」に寄りがちですが、医療機関側で本当に効く独自視点は「共済組合の法別番号を“説明”に使うより、“再現性ある内部ルール”に落とす」ことです。つまり、患者さんへの説明文言を整えるより、院内の入力・照会・返戻対応の標準化が先に効きます。
現場での標準化アイデア(すぐ実装できる)
- ✅ 問診票や受付メモに「保険者番号(8桁/6桁)」の記載欄を作り、記号番号だけを書かせない。
- ✅ 31/32/33/34を見たら“共済”フラグを立てるが、同時に「退職者(72〜75等)の可能性」も確認する運用をセットにする。
- ✅ 「医療保険の法別番号」と「公費負担の法別番号」は別体系である、と新人向けに1枚資料で分けて教える(混同が最も多い)。
- ✅ 月途中変更が起きた場合の“レセ分け”の判断基準を、受付→医事→請求の流れで統一する。
さらに意外な盲点として、番号体系は「制度の論理」と「レセプト運用の論理」が同居しています。制度の説明だけしても、月途中変更で明細書を分ける運用や、番号の検証ロジックがわからないと、実害(返戻や患者さんへの再照会)が減りません。厚労省資料は制度説明というより“請求・コード設計のルール”が中心なので、医療機関の教育素材として相性が良い点が見落とされがちです。
公的な根拠として参照するなら、次の資料が最も引用しやすいです(番号構造、検証番号、月途中変更時の扱いまでまとまっています)。
保険者番号の構造(8桁/6桁)・検証番号・月途中変更時の扱い:厚生労働省「保険者番号等の設定要領」
共済(31〜34)など医療保険制度ごとの法別番号一覧:法別番号一覧(医療保険の基礎知識)

地方公務員共済六法 (令和8年版)