クラミジア男性症状の特徴と診断
クラミジア男性の初期症状と発症時期
男性がクラミジアに感染した場合、感染から1~3週間程度で初期症状が現れることが一般的です 。しかし、男性の約半数は無症状のまま経過するため、感染に気づかないケースも多く見られます 。
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クラミジアの初期症状として最も多いのが 排尿時の軽い痛みや違和感 です 。この痛みは淋病のような強い痛みではなく、チクチクした刺激や灼熱感、尿道がしみるといった比較的軽度な症状が特徴的です 。そのため風邪や一時的な体調不良と誤認されることも少なくありません。
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尿道からの分泌物も重要な症状の一つです。透明から乳白色のサラサラとした膿が少量出るのが特徴で、特に朝の起床時にパンツに付着しているのを発見することがあります 。この分泌物は淋病の場合と比較して量が少なく、水っぽい性状をしています 。
参考)男性のクラミジア性尿道炎
クラミジア男性尿道炎の診断と鑑別
クラミジア性尿道炎の診断では、尿検査による抗原検査 が主要な方法として用いられます 。男性の場合は初尿(出始めの尿)を採取し、PCR法やSDA法などの核酸増幅法によってクラミジアのDNAを検出します 。
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検査の際は中間尿ではなく、十分に尿を溜めた状態での 最初の尿を採取することが重要 です 。これは中間尿では抗原が見つからない可能性があるためです。検査結果は通常1週間程度で判明し、最短30分で結果が分かるスピード検査も利用可能です 。
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クラミジア性尿道炎は淋菌性尿道炎との鑑別が重要で、症状の程度や分泌物の性状に違いがあります。クラミジアは症状が軽く、分泌物も薄くて量が少ないのに対し、淋病は強い排尿痛と多量の濃い膿が特徴的です 。
参考)クラミジア性尿道炎
クラミジア男性の無症状感染の実態
男性のクラミジア感染で特に注意すべきは 無症状感染の頻度の高さ です。症状のない20歳代男性にクラミジア検査を実施したところ、4~9%でクラミジア感染が確認されたという報告があります 。
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無症状感染が問題となる理由は、感染に気づかないまま 性的パートナーへの感染を拡大させるリスク があることです 。また、治療を受けずに放置することで、後述する精巣上体炎などの合併症を発症する可能性も高まります。
特に複数のパートナーと性的関係を持つ場合や、パートナーがクラミジア陽性と判明した場合は、症状の有無に関わらず検査を受けることが推奨されます 。定期的な検査により早期発見・早期治療が可能となり、合併症の予防にもつながります。
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クラミジア男性症状の重症化サインと合併症
クラミジア感染を放置した場合、男性では 精巣上体炎(副睾丸炎) が最も重要な合併症として挙げられます 。精巣上体炎では陰嚢の腫れ、痛み、発熱などの症状が現れますが、クラミジアによる精巣上体炎は他の病原体による場合と比較して腫れや発熱の程度が軽いことが知られています 。
参考)精巣上体炎
前立腺炎も重要な合併症の一つで、排尿時の痛み、頻尿、残尿感、会陰部の不快感や痛みなどが症状として現れます 。稀にライター症候群(反応性関節炎)を発症し、関節炎、尿道炎、結膜炎といった複数の症状が同時に現れることもあります 。
最も深刻な長期的影響は 男性不妊症のリスク です。長期間にわたるクラミジア感染が精巣上体や精管に炎症を起こし、精子の通り道を塞いだり精子の質に影響を与えることで、不妊の原因となる可能性があります 。
クラミジア男性の治療法と予防対策
クラミジアの治療は 抗生物質の内服 が基本となります 。第一選択薬としてアジスロマイシン(ジスロマック)などのマクロライド系抗生物質が使用され、1回の内服で治療が完了する場合もあります 。
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治療期間は通常1~7日間で、症状が改善したからといって服用を中断してはいけません 。治療効果の判定は治療開始2週間後に核酸増幅法を用いて行い、完全な治癒を確認します 。
参考)https://osaka-kojima.jp/chlamydia
予防対策として最も重要なのは コンドームの正しい使用 です。性行為の際に最初から最後まで正しくコンドームを着用することで、クラミジアを含む多くの性感染症のリスクを大幅に減らすことができます 。また、性的パートナーの数を制限し、パートナーとの性の健康についてオープンなコミュニケーションを図ることも重要な予防策となります 。