高周波電気メス ほくろ
高周波電気メス ほくろ 切除の適応と選択
高周波電気メス(電気手術器)は、高周波電流で組織を切開・凝固させる機器で、外来小手術の止血や切除に広く使われます。
ほくろ(黒子)に対しては、隆起性・扁平性などの形状により「切除(削る/切る)」と「焼灼(凝固)」のバランスを変えるのが現実的です。
特に7〜8mm程度以下の病変では、金属メスの船形切除よりもラジオ波手術(高周波ラジオ波メス)で簡便かつ仕上がりが良い、とする臨床向けテキストもあります。
一方で、医療従事者として最初に押さえるべきは「見た目がほくろでも、悪性腫瘍が紛れている」ことです。
参考)ほくろの盛り上がりは悪性?危ないほくろの見分け方、除去の方法…
変化(急に大きくなる、色に濃淡、左右非対称など)がある場合は、病理で確定診断する必要性が高く、単純焼灼のみで終える判断は慎重であるべきです。
実務上の選択肢(外来想定)を整理すると、次のようになります。
- ループ電極で「切除(削り取り)」:隆起した黒子で、まず形を整えつつ出血コントロールを狙う流れ。
- ボール電極/焼灼用電極で「凝固・焼灼」:脂漏性角化症など角化病変で、白色変化→擦過→再凝固を繰り返す手順が紹介されています。
- 悪性疑い:切除生検して病理提出、という大前提を外さない。
参考:美容医療領域で「シミ・イボ・ホクロ」等を含む項目が追補された診療指針(公的資料)
(どの疾患が指針の対象か:シミ・イボ・ホクロ等の範囲の確認に有用)
高周波電気メス ほくろ ループ電極と凝固の基本手技
ループ電極を用いた黒子処置の要点として、「通電してから病変に当てて切り始める」「一度に全部取ろうとしない」「病変を強くつまんで引っ張った状態でループ切除しない」などが、手技テキストで明確に注意喚起されています。
強い牽引や深い削り込みは、陥没や瘢痕、治癒遅延のトリガーになり得るため、“削り過ぎない勇気”が仕上がりを左右します。
止血は、出血点にボール電極等を軽く当てる、もしくは鉗子で小さく摘んで間接止血を行う、といった基本が提示されています。
またバイポーラは小さく凝固でき、モノポーラの間接止血よりおすすめ、という記載もあり、部位と出血量に応じた選択が実務的です。
高周波出力モードや電極の当て方は、単なる「機械設定」ではなく熱変性のコントロールそのものです。
- 接触面積が小さいほど通電効率が上がる(=切れ味が出やすい)
- 組織に接触する前に通電を始める(モノポーラのタイミング)
- 同部位を重ねるときは間隔をあけて冷ます/湿ガーゼで冷却しながら行う
参考:皮膚外科における電極操作・モード・術後注意までまとまった手技テキスト(詳細が多く、スタッフ教育にも流用しやすい)
(ループ電極・ボール電極の具体手順、通電のタイミング、術後の色調変化の説明ポイントが有用)
高周波電気メス ほくろ 熱損傷と瘢痕を減らすコツ
高周波手術で患者満足度を落とす原因は、「取り切れなかった」よりも、むしろ“周辺組織の熱損傷が作る目立つ跡”であることが多いです。
そのため、熱の水平拡散(水平熱)を、操作速度・出力・電極サイズ・出力モードで管理するという考え方が、実務上かなり役立ちます。
意外と見落とされがちなのが、電極の汚れ(凝血や組織片)です。
通電性が落ちる→出力を上げたくなる→炭化や熱損傷が増える、という悪循環に入りやすいため、「凝血が付着した電極をそのまま使わない」という運用は地味ですが効きます。
テキストには、生食ガーゼで通電しながらこすって蒸気で組織を除去する“蒸気クリーニング”が紹介されており、外来では即効性のある小技です(アルコールガーゼは引火注意)。
術後経過の説明も、医療安全とクレーム予防の観点で重要です。
- 2〜3週間はピンク、その後褐色調になり、3〜6か月で消退することがある(色白では1か月目が濃く見える場合がある)。
- かさぶたを無理に取ると色素沈着の原因になる。
- 体が温まる行為(入浴・運動・飲酒)で炎症を起こしやすいので、初期は注意喚起する。
なお、患者が自己処置(焼く・切る)を試すケースが一定数あり、熱傷や瘢痕、感染、炎症後色素沈着につながり得るため、受診時に確認して記録すると後々の判断に役立ちます。
参考)ほくろ除去自分でできる?失敗例とリスクを解説 – カンナム美…
高周波電気メス ほくろ 病理と検体の運用
悪性の可能性が否定できない場合、病理検査で確定する必要があり、病変を切除して顕微鏡で確認する、といった一般的な説明が医療機関向け情報としても示されています。
ここで現場的に問題になるのが、「焼灼で熱変性が強い」「組織が断片化している」「そもそも検体として提出できていない」などで、診断精度が落ちるリスクです。
そのため、少しでも怪しい所見があれば、最初から“病理に出す前提の取り方”に寄せ、焼灼は止血・整容の補助に留める、という設計が安全側です。
検体提出では、取り違え・ラベル誤貼付が重大事故につながります。
参考)https://pathology.or.jp/news/pdf/manual_all_160719.pdf
日本病理学会系の「病理検体取扱いマニュアル」では、容器本体への患者情報ラベル貼付、提出時の再確認、複数検体は容器を分ける、などの具体策が列挙されています。
また“避けるべき手技”として、複数検体を同じガーゼにまとめる、膿盆そのものにラベルを貼る、などが挙げられており、外来小手術でも踏むべき地雷が明確です。
外来で実装しやすいミニ運用(例)です。
- 検体は「容器本体」にラベル、蓋には貼らない運用に統一する。
- 1患者1検体袋、複数部位は容器を分ける(同一容器にまとめない)。
- 受付前に術者・介助者で患者情報と部位を声出し確認(“提出直前”が有効)。
参考:検体取り扱いの標準化(ラベル、複数検体、避けるべき提出方法)がまとまった資料
(病理検体の取り違え防止・提出時の禁忌が具体的で、院内手順書に落とし込みやすい)
高周波電気メス ほくろ 独自視点としての冷却とスタッフ連携
検索上位の一般向け記事は「電気メスは焼く」「ダウンタイム」「傷跡」など患者目線に寄りがちですが、医療者側の成果を左右するのは“冷却を手技として組み込む”設計です。
テキストでは、麻酔前の冷却や、切除ごとに生食ガーゼでこまめに冷やすことが、術後痛みや色素沈着の軽減につながる、と具体的に述べられています。
つまり冷却は「最後に少し冷やす」ではなく、通電・擦過・清拭のサイクルの中に組み込むと、結果(炎症・色素沈着・患者満足)に直結します。
そこで、外来オペ室の連携ポイントを“動線”として決めておくと強いです。
- 介助者が常に冷凍生食ガーゼ/保冷材を手元に置き、切除サイクルごとに短時間冷却を挿入する。
- 術者は「一度に取り切らない」方針を宣言し、陥没と瘢痕の回避を優先する合意を先に作る(患者説明にも直結)。
- 電極汚染を見た介助者が“出力を上げる前に清掃”を提案できる雰囲気を作る(蒸気クリーニング手順を共有)。
最後に、患者説明の定型文を“リスク低減”として持つのも、現場ではかなり効きます。
- 「最初の2〜3週間はピンク、その後一時的に褐色になることがある」「3〜6か月で落ち着くことが多い」
- 「かさぶたは取らない」「遮光(サンスクリーン/テープ)を徹底する」
- 「一度で取れないことがあり、再治療は6か月以上あける場合がある」
(文字数要件に合わせ、臨床手技・熱損傷対策・病理運用・連携設計を深掘りしました。)
