抗精神病薬 一覧と分類 副作用 作用機序 比較

抗精神病薬 一覧と分類

抗精神病薬 一覧と分類
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抗精神病薬 一覧と分類の全体像

抗精神病薬は主に「定型抗精神病薬(第一世代)」と「非定型抗精神病薬(第二世代)」に大別される。
定型抗精神病薬は1950年代から使用されてきた歴史があり、主にドパミンD2受容体遮断作用を持つ。代表薬はクロルプロマジン(コントミン)、ハロペリドール(セレネース)など。
非定型抗精神病薬は1990年代以降に登場し、ドパミンだけでなくセロトニン受容体にも作用する。代表薬はリスペリドン(リスパダール)、オランザピン(ジプレキサ)、アリピプラゾール(エビリファイ)など。

それぞれの薬剤は作用機序や副作用プロファイルが異なり、患者の症状や体質に応じて選択される。

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抗精神病薬 一覧(代表的な薬剤)

定型抗精神病薬(第一世代)
・クロルプロマジン(コントミン、ウインタミン)
・ハロペリドール(セレネース)
・レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン)
・フルフェナジン(フルメジン)
・スルピリド(ドグマチール)
非定型抗精神病薬(第二世代)
・リスペリドン(リスパダール)
・オランザピン(ジプレキサ)
・クエチアピン(セロクエル)
・アリピプラゾール(エビリファイ)
・ペロスピロン(ルーラン)
・ブロナンセリン(ロナセン)
・パリペリドン(インヴェガ)
・クロザピン(クロザリル)

それぞれの薬剤は、作用の強さや副作用の出やすさが異なる。

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抗精神病薬 作用機序と特徴

定型抗精神病薬は主にドパミンD2受容体遮断作用により、幻覚や妄想などの陽性症状を抑制する。一方、非定型抗精神病薬はドパミンD2受容体だけでなく、セロトニン5-HT2A受容体遮断作用も持ち、陰性症状や認知機能障害にも効果が期待される。

非定型薬は錐体外路症状(パーキンソン症状など)の副作用が少ないが、体重増加や糖尿病リスクが高い薬剤もある。

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抗精神病薬 副作用と注意点

定型抗精神病薬の主な副作用
・錐体外路症状(振戦、筋強剛、アカシジアなど)
・高プロラクチン血症
・鎮静、口渇、便秘、起立性低血圧
非定型抗精神病薬の主な副作用
・体重増加、糖尿病、脂質異常症
・眠気、口渇、便秘
・一部薬剤で錐体外路症状や高プロラクチン血症

副作用の出現頻度や重症度は薬剤ごとに異なるため、患者ごとにリスク評価が重要。

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抗精神病薬 一覧の比較と選択ポイント

抗精神病薬の選択は、症状のタイプ(陽性・陰性・認知障害)副作用プロファイル患者の既往歴や合併症剤形(内服・注射)などを総合的に判断して行う。
例えば、体重増加リスクが高い患者にはアリピプラゾール(エビリファイ)やブロナンセリン(ロナセン)が選択されやすい。
一方、急性期の強い興奮や幻覚にはハロペリドール(セレネース)やオランザピン(ジプレキサ)が用いられることが多い。

また、持続性注射剤(LAI)は服薬アドヒアランスが低い患者に有用。

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抗精神病薬 一覧の意外な使い分けと最新知見

抗精神病薬は統合失調症だけでなく、双極性障害の躁状態やうつ状態、難治性うつ病の補助療法、自閉スペクトラム症の易刺激性、認知症の行動・心理症状(BPSD)などにも応用されている。
近年は、クロザピン(クロザリル)が治療抵抗性統合失調症に対して唯一効果が認められており、定期的な血液検査が必須だが、社会復帰率の向上が報告されている。

また、抗精神病薬の多剤併用は副作用リスク増大のため、単剤治療が推奨される流れが強まっている。

【参考リンク】

・抗精神病薬の分類や作用、副作用の詳細解説(田町三田こころみクリニック)

抗精神病薬の効果と副作用|田町三田こころみクリニック

・統合失調症で使用される薬の一覧と作用(梅本ホームクリニック)

統合失調症で使用する薬の一覧と作用

・非定型抗精神病薬の最新動向や適応疾患(ファーマスタイルWEB)

特集 向精神薬のいま|ファーマスタイルWEB