抗不整脈薬一覧
抗不整脈薬一覧のVaughan Williams分類と作用機序
抗不整脈薬は「どのイオンチャネル/受容体に作用して、伝導・不応期・自動能をどう変えるか」で理解すると、暗記よりも安全に使えます。代表的な整理としてVaughan Williams分類(I〜IV群+その他)が臨床の共通言語として広く使われています(ただし近年はSicilian Gambit的な“標的と基質”の考えも重要です)。
分類は「頻脈性不整脈の停止・予防」を主な対象にしており、徐脈性不整脈は薬で治すよりペーシングが中心になる点も臨床では混同しないのがコツです。
主要カテゴリ(例)
・I群:Naチャネル遮断(I a / I b / I c)
・II群:β遮断薬
・III群:Kチャネル遮断(活動電位持続時間延長、QT延長と表裏)
ポイント
✅ I群は「QRS(伝導)」「不応期」の動きで理解すると副作用を予測しやすい
✅ III群は「QT延長→TdP」の連想が安全管理の起点
✅ IV群は「AV結節依存性頻拍(PSVT等)」「AFのレート管理」での役割が中心
分類と代表薬の俯瞰に便利:MSDマニュアルの抗不整脈薬(Vaughan Williams分類)表

抗不整脈薬一覧の代表薬:Naチャネル遮断薬(I群)
I群は「Naチャネル遮断で脱分極(第0相)の立ち上がりを鈍らせる」ことで、伝導を遅くし、リエントリー性の頻拍に介入します。I群はサブクラスで効き方が違い、臨床では“心筋の伝導をどれだけ落とすか”と“再分極(不応期)をどう動かすか”が鍵になります。
またI群は「効いた結果としてQRSが延びる」ことがあり、延び方が過剰になると催不整脈(薬が不整脈を作る)に傾きます。
ざっくり理解(臨床イメージ)
・I a:伝導抑制+不応期延長(QTも延びうる)→効果は広いがTdPにも注意
・I b:不応期短縮寄り、虚血心筋で効きやすい→心室性期外収縮/VTの文脈で登場しやすい
・I c:伝導抑制が強い(QRS延長が目立つ)→器質的心疾患ではリスク評価がより重要
医療従事者向けの“一覧と整理”として、分類と作用機序をまとめた国内解説(製薬系の循環器教育資料)も参照価値があります。
不整脈の薬物治療(抗不整脈薬の分類表を含む)。

抗不整脈薬一覧の代表薬:Kチャネル遮断薬(III群)とQT延長
III群は再分極を遅らせ、活動電位持続時間(APD)や不応期を延長させることでリエントリーを断ちます。ここで重要なのが、治療効果と副作用が同じ方向(QT延長)に出る点です。つまり「効いている」ほど「TdP(torsades de pointes)」のリスクが上がる場面があり、心電図での監視が治療そのものになります。
臨床での具体的な注意点
⚠️ QT延長→TdPは、抗不整脈薬だけでなく非循環器薬でも起こり得るため、「抗不整脈薬を開始したから」だけでなく「電解質異常、腎機能低下、徐脈、併用薬」で一気に地雷化します。
⚠️ とくにIKr遮断作用を持つ薬はTdPの代表的な原因薬になりやすく、I a群とIII群は王道のハイリスク領域です。
意外に見落とされやすい点(現場あるある)
・「徐脈」そのものがTdPを助長することがある(レートが落ちた患者ほどQTは伸びやすい)
・「低K・低Mg」は“薬の副作用”ではなく“環境要因”としてTdPリスクを跳ね上げる
・「QTが少し延びた」段階で、追加投与・増量・併用が重なると一気に崖を越える
薬剤誘発性QT延長とTdPの解説(病態と臨床上の怖さが具体的)。
https://square.umin.ac.jp/saspe/news/15.pdf
抗不整脈薬一覧のアミオダロン:適応と相互作用とモニタリング
アミオダロンは「多チャネル遮断+抗交感神経作用」を併せ持ち、難治性不整脈の切り札として使われる一方で、肺・甲状腺・肝・眼など“心臓以外”のモニタリングが不可欠な薬です。現場では「不整脈が止まったから成功」ではなく、「止めた後に毒性を拾い続ける体制があるか」が処方の分岐点になります。
添付文書上も、他の抗不整脈薬が無効/使用不能な致死的不整脈患者に限定する趣旨や、重篤な副作用(例:間質性肺炎等)への強い注意喚起が明記されています。
相互作用で“刺さりやすい”観点
・代謝阻害・徐拍化・伝導抑制が重なりやすく、併用薬で房室ブロック/徐脈が顕在化する
・抗不整脈薬同士だけでなく、抗菌薬や抗ウイルス薬など「循環器以外」の薬が引き金になる
・「長い半減期」ゆえに中止しても影響が残り、薬歴が不十分だと原因薬探索が遅れる
アミオダロン添付文書(患者限定、警告、相互作用など一次情報)。
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00053546.pdf
抗不整脈薬一覧の独自視点:催不整脈を避ける「心電図の読み方」チェックリスト
検索上位の「一覧」記事は薬効分類の整理で終わりがちですが、実務では“投与後のECGで何を見て、どこで止めるか”が事故を減らします。ここでは、医師・薬剤師・看護師の共通チェックに落とし込める形で、催不整脈を避ける視点をまとめます(教育・カンファのたたき台にも使える形式です)。
チェックリスト(例)
✅ ベースライン:投与前にPR、QRS、QT/QTc、心拍数、電解質(K・Mg)、腎機能の“初期値”を必ず押さえる
✅ QRS:I群や一部の薬でQRSが延びてきたら「効いている」だけでなく「過量・蓄積・伝導抑制過多」を疑う
✅ QT/QTc:I a群・III群では“延びる前提”で、延び幅が想定を超えたら併用薬・徐脈・低K/低Mgをまず探索する
✅ リズム変化:単に期外収縮が減ったかではなく、「多形性VTの前兆(R on T様、ショートロングショート等)」を意識する
✅ 併用薬:追加された抗菌薬、制吐薬、向精神薬など「QT延長の地雷」を薬歴で拾う(処方医が循環器以外でも起きる)
この“読み方”は、薬理の知識というより「催不整脈の病態」を臨床で再現できるかに依存します。催不整脈の代表として、薬物性QT延長に伴うTdPが、特にI a群・III群で起こり得ることは循環器領域のレビューでも繰り返し強調されています。
催不整脈(QT延長とTdPの位置づけが明確な日本語PDF)。
(ガイドラインの根拠や推奨の読み込みに)日本循環器学会「2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン」PDF:推奨、薬剤各論、使用目的(症状改善だけでなく予後の視点)も含まれる
http://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/01/JCS2020_Ono.pdf

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