緊張性瞳孔 とは
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緊張性瞳孔 とは 定義と光・近見反応解離
緊張性瞳孔(瞳孔緊張症、Adie瞳孔)は、副交感神経系の障害を背景に、明所で患眼が散瞳しやすく、対光反応が欠如または著しく減弱する一方で、近見(調節)ではゆっくり縮瞳する「対光近見反応解離(光・近見反応解離)」を示す状態として整理されます。
臨床では、明所と暗所の両方で瞳孔径を観察し、明所で瞳孔不同が強くなる(大きい瞳孔が異常側)こと、さらに対光反応と近見反応の差を押さえることが診断の入り口になります。
細隙灯で虹彩括約筋の分節性の収縮(不規則な収縮)や、縮瞳後の再拡張が遅い「緊張性」の動きを捉えると、所見の説得力が上がります。
緊張性瞳孔 とは 原因と病態(毛様体神経節・過敏性獲得)
病態の中核は、毛様体神経節~節後副交感線維(虹彩括約筋・毛様体筋へ向かう経路)の障害で、脱神経後に受容体のアップレギュレーションが起こる「除神経過敏(過敏性獲得)」が関与すると説明されます。
その後の再神経支配が「異常再生」になり、毛様体(調節)に向かうはずの線維が瞳孔側へ迷入することで、光よりも近見で縮瞳が目立つ“光・近見反応解離”が生じる、という整理が臨床説明として有用です。
原因は特発性が多い一方、糖尿病などの全身疾患合併が報告され、またウイルス感染・外傷・眼手術・腫瘍などが背景になる可能性も挙医されています。
緊張性瞳孔 とは 症状と所見(羞明・瞳孔不同・経過)
患者訴えとしては、明所での羞明、鏡での瞳孔不同の自覚、暗所適応のしにくさなどが典型で、診察上は明所で患眼が散瞳しやすい点が手掛かりになります。
また、毛様体筋機能の影響で近方視の不自由や、見え方の移行時のぼやけを訴えることがあり、生活指導(サングラス、必要なら屈折矯正)に直結します。
経過としては時間とともに瞳孔が縮小していくことがあり、治療を要しないケースが多い一方、光反応が回復しないことで相対的に光・近見反応解離が目立つようになる可能性も述べられています。
緊張性瞳孔 とは 検査と診断(低濃度ピロカルピン、瞳孔不同)
診断では、明所・暗所での瞳孔径、対光反応、近見反応を系統的に評価し、明所での瞳孔不同増大と光・近見反応解離を確認します。
補助検査として低濃度ピロカルピン点眼試験が重要で、緊張性瞳孔では過敏性獲得により、通常なら反応しにくい低濃度でも縮瞳が起こり、診断の後押しになります。
ただし、過敏性は節後副交感の障害に特異的とは限らず、また急性期では過敏性がまだ明確でないこともあり得るため、所見の組み合わせと経過の読みが必要です。
緊張性瞳孔 とは 鑑別と現場対応(独自視点:救急連携の言語化)
瞳孔不同の鑑別では、アディ緊張性瞳孔以外に、第3脳神経麻痺(動脈瘤など)やホルネル症候群、薬物曝露、外傷性散瞳、生理的瞳孔不同などを常にテーブルに載せるべきで、所見の取り方がそのまま安全管理になります。
MSDではアディ緊張性瞳孔の示唆所見として「瞳孔が光より調節によりよく反応する」「拡張が収縮に遅れてみられる」と整理されており、問診・診察の短いフレーズとして現場で使いやすいです。
独自視点として、眼科・救急・神経内科の連携を滑らかにするには、「眼痛の有無」「眼瞼下垂・眼球運動障害の有無(第3脳神経麻痺を示唆)」「薬剤/点眼/貼付薬/エアロゾル曝露」「外傷」「急性発症か慢性か」を“紹介状にそのまま貼れるチェックリスト”にして言語化するのが有効で、鑑別漏れのリスクを下げられます。
治療は多くが経過観察で、羞明が強い場合の遮光(虹彩付きコンタクトなど)といった対症が提示されており、患者説明では「良性が多いが、初回は危険な原因を除外するため評価が必要」という二段構えが現実的です。
鑑別(瞳孔不同の原因整理に有用)。
疾患像(症状・検査・治療の要点がまとまる)。
アディー瞳孔 原因
アディー瞳孔 原因と副交感神経の障害
アディー瞳孔(Adieの緊張性瞳孔)は、典型的には片側の散瞳と対光反射低下(あるいは消失)を示し、近見時には遅い縮瞳が残る「光・近見反応解離」を特徴とします。これは日常診療では「瞳孔不同」の一病型として遭遇しやすく、症状が軽いと健診や別件受診で偶然見つかることもあります。
病態の核は、虹彩括約筋と毛様体筋へ向かう副交感神経(節後線維)の障害として理解すると整理しやすくなります。MSDマニュアル家庭版でも、アディ(緊張性)瞳孔を「光に反応して正常に収縮しない」「収縮後ゆっくり散大する」タイプとして挙げています。
原因については、臨床的には「多くは原因不明(特発性)」として説明されることが多い一方、節後線維障害の“入口”としては毛様体神経節~短毛様体神経領域の障害が想定されます。眼科クリニックの解説でも、光反応の乏しさと近見での縮瞳が残る点を重視し、アディ瞳孔をこの自律神経異常として説明しています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/efd9858b89ecfb54ba3a505a17ffc6464237d2f6
「原因不明」と言っても“何も_attachable_な機序がない”わけではなく、患者説明や紹介状では「副交感神経支配の機能低下(除神経)」という言い方に落とし込むと、鑑別や検査計画(危険な病態の除外)と矛盾しにくくなります。semanticscholar+1
アディー瞳孔 原因の所見:対光反射と近見反応解離
現場で最初に押さえる所見は、「光に対する反応は弱い/ない」一方で「近くを見るとゆっくり縮瞳する」という組み合わせです。自由が丘清澤眼科の説明では、これを診断の大きな手がかりとして明示し、「光・近見反応解離」という名称で整理しています。
この所見があると、単なる散瞳や薬剤性の瞳孔異常から一歩進んで、アディー瞳孔(あるいはそれに近い緊張性瞳孔)を疑う根拠になります。
臨床的に“意外と落とし穴”になるのは、患者が訴える症状が瞳孔の見た目ほど派手でないことです。眼科解説では、羞明やピントが合いにくい(調節力低下)を訴えることがある一方、軽症では本人が気づかないケースもあるとされています。
医療従事者向けには、問診で「まぶしさ」「近くの見えにくさ」「左右差に気づいたタイミング」を押さえ、診察では明所・暗所それぞれの瞳孔不同の変化と、近見負荷後の再散瞳が遅いか(緊張性)を観察しておくと、記録の質が上がります。semanticscholar+1
アディー瞳孔 原因の検査:低濃度ピロカルピン
確定診断の補助として頻用されるのが、低濃度ピロカルピン点眼試験です。自由が丘清澤眼科の説明では、アディ瞳孔では神経の働きが低下しているため「通常の瞳孔では反応しないほど薄いピロカルピンでも縮瞳する」ことが確定診断を助ける、とされています。
この“低濃度で縮瞳する”という現象は、臨床的には除神経後の感受性亢進(いわゆる過敏性)を示唆するものとして扱われ、薬剤性散瞳や構造異常と切り分ける際の武器になります。
一方で、ピロカルピン試験は万能ではなく、検査の前提として「危険な散瞳(特に動眼神経麻痺や頭蓋内病変の可能性)」を臨床所見で先にふるい分ける必要があります。MSDマニュアルは瞳孔不同の評価として、他の症状がある場合は原因に応じてMRI/CTなど画像検査が必要になりうることを述べています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/45cb53639f53cbbb769aaac0910ab0aa83d7afb4
現場の運用としては、まず神経学的なred flags(複視、眼瞼下垂、眼球運動障害、頭痛など)を確認し、問題が薄い場合に眼科的な機能検査として低濃度ピロカルピンを位置づけると安全です。semanticscholar+1
アディー瞳孔 原因の鑑別:動眼神経麻痺
「片側の瞳孔が大きい」という情報だけでアディー瞳孔に寄せすぎるのは危険です。自由が丘清澤眼科は、片側散瞳を安易にAdie瞳孔と片付けないよう注意喚起し、特に動眼神経麻痺を重要な鑑別として挙げています。
動眼神経麻痺が疑われる状況では、瞳孔散大に加えて眼球運動障害、眼瞼下垂、複視などを伴い得るため、眼科単科の枠を超えて緊急度が上がります。
さらに重要なのは、その背景に動脈瘤など致死的リスクを含む病態があり得る点です。自由が丘清澤眼科は、内頸動脈と後交通動脈分岐部の動脈瘤(IC-PC動脈瘤)を例に挙げ、破裂すれば命に関わることがあると説明しています。
したがって医療従事者向けの記事としては、アディー瞳孔の“原因”を語るときに、同時に「除外すべき原因(危険な原因)」をセットで提示するのが実務的です。MSDマニュアルも、まぶたの垂れ下がりや複視などがある場合、より重篤な病気の可能性があるとしています。
アディー瞳孔 原因の独自視点:古い写真と瞳孔不同
検索上位の一般的な説明では「原因」や「検査」に焦点が当たりがちですが、実臨床で役立つ“地味な工夫”として、発症時期の推定があります。MSDマニュアルは、左右差が以前からあったかを確かめる手段として、運転免許証などの古い写真で瞳孔不同や眼瞼下垂の有無を確認することがある、と述べています。
これは救急外来や当直帯で特に有用で、「急性発症の片側散瞳」か「以前からの左右差」かの見立てを、患者・家族の記憶だけに頼らず補強できます。
アディー瞳孔は良性経過が多いとされ、自由が丘清澤眼科も「基本的に良性の病気」で多くは経過観察で十分と記載しています。
ただし、良性であることと、最初から“良性と断定できる”ことは別です。古い写真確認→神経学的red flagsの確認→必要なら画像検査、という流れをチームで共有しておくと、「アディー瞳孔の原因は多くが特発性」という情報を安全に使えるようになります。semanticscholar+1
瞳孔不同の原因分類・危険徴候・評価手順(明所/暗所の見方、画像検査の適応)がまとまっている:MSDマニュアル家庭版:瞳孔不同
アディ瞳孔の臨床所見(光・近見反応解離)、低濃度ピロカルピン試験、動眼神経麻痺との鑑別の注意点:自由が丘清澤眼科:片方の瞳孔が大きい(アディ)

☆瞳孔計測表 意識レベルスケール表