カテーテルドレッシング材と交換
カテーテルドレッシング材の交換タイミングと観察
カテーテルドレッシング材は「◯日ごとに必ず交換」と決め打ちすると、観察が形式化しやすく、かえって異常の見落としにつながります。実臨床では、湿っている・緩んでいる(浮いている)・目に見えて汚れている、といった“局所の変化”を根拠に交換する考え方が軸になります。
一方で、異常がなくても患者背景(発汗・皮脂、ドレーンやストーマ近接、せん妄で自己抜去リスクが高い、皮膚脆弱など)により、交換頻度を調整する判断は必要です。成人では状況に応じた最低週1回程度の交換が示されることがある、という整理も現場の目線では実用的です(「毎週必ず」ではなく「患者状況に応じて最低ラインを意識」)。
観察は「発赤・腫脹・疼痛・硬結・熱感・浸出液・出血」だけでなく、ドレッシング材そのものの状態(浮き、しわ、端のめくれ、フィルム内の結露・液体貯留)も同列に扱います。透明ドレッシング材の利点は“視認性”なので、貼付後も「見えること」を活かし、毎日同じタイミングで短時間にチェックできる仕組みにすると強いです。
カテーテルドレッシング材の交換手順と消毒
交換手順は、手指衛生→手袋→剥離→刺入部と剥がしたドレッシング材の確認→消毒→乾燥確認→新しいドレッシング材貼付→手袋除去→手指衛生、という“流れ”で標準化するとチームのばらつきが減ります。特に「剥がした後に刺入部だけでなく、剥がしたドレッシング材自体も確認する」という発想は、滲出や血液付着を見逃しにくく、次の選択(ガーゼ併用に切り替える等)にもつながります。
皮膚消毒は、中心静脈カテーテルや末梢動脈カテーテルで「挿入前およびドレッシング交換時」に、0.5%を超えるクロルヘキシジン濃度のアルコール製剤が推奨度の高い推奨として示される、という整理が知られています。ここで重要なのは、薬剤名の暗記ではなく「選択した消毒薬の効果が出る前提条件=十分な塗布と乾燥」です。乾燥前に貼ると、皮膚刺激・粘着不良・密閉環境でのトラブルの温床になるため、“乾燥確認を工程として言語化”しておくと事故が減ります。
また、消毒範囲は刺入部の点だけで終わらせず、貼付するドレッシング材のサイズに合わせて「周囲まで」準備する方が、貼付直後から端が浮く事態を避けやすくなります。透明・半透過性のドレッシング材は“やや大きめを選ぶ”という発想も、結果として貼り直し回数を減らし、皮膚への反復刺激を下げる方向に働きます。
皮膚消毒(ドレッシング交換時)でクロルヘキシジン濃度>0.5%アルコール製剤が推奨とされる背景の解説。
カテーテルドレッシング材の固定方法と透明
固定方法は、感染だけでなく「抜去」「屈曲(キンク)」「皮膚障害」を同時に減らす設計として扱うのがコツです。透明ドレッシング材では、空気が入らないように密着させること、切れ込み(スリット)があるタイプならカテーテル位置に合わせること、フレーム構造を活かして均一に貼ることが基本になります。貼付の瞬間に“皮膚が引っ張られている”状態だと、動作時にテンションがかかって端が浮きやすいので、関節近傍(上腕・前腕)では特に肢位を整えてから貼る価値があります。
また、カテーテルをループさせてテープ等で押さえる「張力を逃がす固定」を入れると、ドレッシング材の端に牽引力が集中するのを避けられます。ドレッシング材が剥がれると、交換回数が増え、皮膚の角質剥離(医療関連スキン-トラブル)リスクも上がるため、「貼り方=皮膚保護」でもあります。
透明で見えることはメリットですが、見えるからこそ「結露のような水滴」「フィルム内の液体」「端の白化(浮きのサイン)」も拾いやすいです。視認性を“観察の短縮”に変換するのではなく、“観察の質”に変換する意識が大切です。
カテーテルドレッシング材の記録と実施日と実施時刻
カテーテル管理は、誰が見ても同じ判断に近づけるほど安全になります。そのため、ドレッシング交換は「実施担当者・実施日・実施時刻」を含めて記録する運用が推奨され、標準化した手順のもとで管理する、という考え方が提示されています。記録は監査のためだけでなく、発赤や浸出が出たときに“いつから変化したか”を追える材料になります。
実務的には、次の3点をミニマム項目としてテンプレ化すると回りやすいです。
- 刺入部所見:発赤、腫脹、疼痛、浸出液、出血、硬結、熱感(該当なしでも「なし」と書く)
- ドレッシング材所見:浮き、しわ、剥がれ、フィルム内の液体、汚染
- 対応:交換実施、皮膚保護材の追加、固定方法の変更、医師報告の有無
さらに一歩進めるなら、「剥がしたドレッシング材の裏面の状態(血液・浸出の跡)」も簡単に触れると、にじみ出しや漏れの見逃しが減ります。ここは記録文化としては地味ですが、チームでの申し送りに強く、夜勤帯や多職種間の認識ズレを減らします。
カテーテルドレッシング材の独自視点:粘着と皮膚と湿潤のトレードオフ
検索上位では「交換手順」「消毒薬」「固定のコツ」までは多く語られますが、実際に現場の差が出るのは“粘着と皮膚と湿潤”のバランスです。固定力を上げようとして強粘着・追加テープを増やしすぎると、剥離時に角質がはがれて微小な皮膚損傷が起き、そこから刺激・疼痛・掻破につながることがあります。反対に、皮膚負担を恐れて貼付圧を弱めると、端が浮いて早期交換になり、結局は皮膚刺激が増えるという逆転も起こります。
このトレードオフを小さくする現実的な工夫は、以下のように「工程で吸収」することです。
- 皮膚準備:発汗や皮脂が多い部位は、貼付前に十分に皮膚を乾かし、貼付面の水分を残さない(“乾燥確認”をルール化)。
- 貼付技術:フィルムを引っ張って貼らず、中心→外側へ空気を逃がすように密着させ、端の浮きを作らない。
- 剥離技術:急に引っ張らず、皮膚を押さえながら低角度でゆっくり剥がし、皮膚へのせん断力を減らす。
- “交換の理由”を言語化:湿潤、浮き、汚染のどれで交換したかを書き、同じトラブルが続くときは固定方法や材質選択の見直しにつなげる。
意外に見落とされるのは「湿潤は感染の話だけではなく、粘着不良の話でもある」点です。湿潤→浮き→頻回交換→皮膚障害→貼れない→さらに浮く、という悪循環に入る前に、観察で早期に拾い、“貼り替え”ではなく“貼り方・固定方法・皮膚準備”の是正で止める視点が重要です。
(医療従事者の現場運用に直結する、ドレッシング材交換の判断・手順・記録の考え方)
【中心静脈カテーテル】消毒方法とドレッシング材の使い方・交換…

腹部防水フィルム 傷防水フィルム 透析 手術後の傷に 入浴用 カテーテルウォーターバリア 腹膜透析患者へ ポリウレタン材質 0.03mm薄さ 15x18cm 大判 30枚入