片側顔面けいれん手術ブログ体験談

片側顔面けいれん手術ブログ

この記事でわかること
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手術の実際

微小血管減圧術の手術方法と体験談を詳しく紹介

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費用と入院期間

実際にかかる治療費や入院日数の目安

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成功率と合併症

手術の治癒率や起こりうるリスクについて

片側顔面けいれん手術の基本情報

片側顔面けいれんに対する根治的な治療法として、微小血管減圧術(神経血管減圧術)が広く行われています。この手術は、脳内で顔面神経を圧迫している血管を離して固定することで、けいれんの原因を直接取り除く方法です。典型的な片側顔面けいれんは、目の下部のまぶたがピクピクする症状から始まり、徐々に目の周りから口元にまで広がる特徴があります。

参考)脳血管障害 微小神経血管減圧術(三叉神経痛・顔面けいれん)


手術は耳の後ろを3センチ程度切開し、直径約1センチの頭蓋骨の穴から行われます。手術用顕微鏡や神経内視鏡を使用して、脳と頭蓋骨の間を通り、顔面神経と血管が絡んでいる部分に到達します。手術時間は通常1〜5時間程度で、症例によって異なります。

参考)鍵穴手術による治療 顔面けいれん(3) ※戦いつづける力 第…


治療費については、保険診療3割負担で約30〜35万円前後が目安となっており、高額医療費制度を利用すると実質負担額は約8万円程度になる場合もあります。入院期間は施設によって異なりますが、一般的に10〜12日間、短い場合は1週間程度で退院できます。

参考)鍵穴手術による治療 顔面けいれん(2) ※戦いつづける力 第…

片側顔面けいれん手術の体験談から見る経過

実際に手術を受けた患者さんのブログでは、術後の経過について詳細に記録されています。ある患者さんの体験談によると、手術当日は午前9時から開始され、手術着に着替えてスタンバイした後、手術室へ移動しました。手術後、麻酔から覚めた際には少し微熱があり耳に違和感を感じましたが、傷口の痛みや頭痛はまったくなく、顔のけいれんがぴたっと治まっていることに気づいて大きな喜びを感じたという報告があります。

参考)体験談 片側顔面けいれんの手術をして


しかし、術後の経過は人によって異なります。別の体験談では、術後3日間は寝たまま過ごし、めまい、吐き気、発熱、物が二重に見えるなど非常につらい日々を過ごしたケースもあります。この患者さんの場合、血管と神経の絡み方が3,000〜4,000人に一人という珍しいパターンで、手術時間も予定の4時間から5時間以上に延びました。術後7日目頃から院内を少しずつ歩行できるようになり、頭痛やめまいはあったものの、気になっていた顔面のけいれんはなくなっていました。​
多くの症例では、術直後からけいれんが消失する場合と、手術後少しずつけいれんが軽減して消失する場合に分かれます。後者の場合、完全消失までの期間は約5カ月で、症例によって様々です。ある患者さんは手術後1週間弱で退院し、さらに1週間休んだ後に仕事に復帰しており、経過も良好であったと報告されています。

参考)石川 眞実 (Mami Ishikawa) – 研究ブログ …

片側顔面けいれん手術の成功率と治療効果

微小血管減圧術の治療成績は非常に高く、多くの医療機関で優れた結果が報告されています。日本脳神経減圧術学会の複数施設による共同研究では、トランスポジション法を原則とした手術を行った片側顔面けいれんの改善率は手術後3年間で94.4%、治癒率は87.1%という結果が示されています。一般的には、治癒率は85〜95%、さらに施設によっては90〜99%以上の治癒率を報告しているところもあります。

参考)疾患① 片側顔面痙攣


ある医療機関では、三叉神経痛で90%、顔面けいれんで95%という非常に高い治癒率を達成しており、国内でも手術症例数が豊富な施設として知られています。また、正確な術前診断に基づく無駄のない手術により、典型的な片側顔面けいれんでは100%に近い治癒率を誇る施設もあります。別の大学病院の報告では、術後経過観察中の1例を除き、最近30例の手術で29例が治癒したという優れた成績も報告されています。

参考)三叉神経痛や顔面けいれんに対する手術 | 藤田医科大学 医学…


治癒率が100%にならない理由としては、手術用顕微鏡で見えない術野の裏側での細い血管による圧迫が根本的原因であったり、圧迫血管から脳を栄養する重要な血管が枝分かれしていることにより血管の移動が術中によく確認できず不十分になってしまう場合があります。そのため、神経内視鏡を導入して手術用顕微鏡では見にくい裏側の血管までよく観察し、さらに片側顔面けいれんに特徴的とされる異常筋電位モニターを術中に行う施設もあります。​

片側顔面けいれん手術の合併症とリスク

微小血管減圧術は比較的安全な手術ですが、いくつかの合併症のリスクが存在します。日本脳神経減圧術学会の共同研究によると、合併症率は3%と報告されています。最も起こりやすい合併症は聴力低下で、発生率は0.4〜数%程度とされています。これは手術中に聴神経の近くを操作することが原因です。

参考)顔面けいれん、三叉神経痛の手術|昭和医科大学病院


顔面神経の近くを操作するため、手術直後に顔面神経麻痺が起こる可能性がありますが、多くの場合、麻痺の程度は軽く、1〜2週間で消失します。ある大学病院の報告では、遅発性顔面神経麻痺が4.3%に見られたとされています。その他の合併症として、髄液漏、髄膜炎、創部感染、脳内血腫などが挙げられますが、発生頻度は低いとされています。

参考)顔面けいれんの外科的治療|診療科のご案内|洛和会音羽病院(京…


軽度の症状としては、ふらつき感、頭痛、創部痛、耳閉感などがあり、これらは時間の経過とともに改善することが多いです。三叉神経近傍を走行している静脈を損傷した場合、静脈還流異常を来して重篤な小脳出血を引き起こす可能性があり、海外の論文では損傷もしくは切離によって約5%前後の出血リスクとされています。しかし、経験豊富な施設では、この静脈をきれいに脳より剥離して処置を行うことで、リスクを最小限に抑えています。

参考)神経圧迫症候群の手術に伴う合併症 – 脳外科医 根本暁央

片側顔面けいれんの手術以外の治療法

手術以外の治療法として、ボツリヌス毒素療法が広く行われています。ボツリヌス毒素は、神経を麻痺させる作用があるボツリヌストキシンというタンパク成分を抽出した薬剤で、けいれんしている筋肉に直接注射することで、その筋肉がゆるみ、けいれんがおさまります。効果の持続期間は個人差がありますが、一般的に2〜4ヶ月程度で、その後再注射が必要になります。

参考)https://www.ymghp.jp/wp-content/uploads/2018/04/ganmenkeiren.pdf


ボトックス治療を受けた患者さんの約80%で症状の改善が得られるという報告があります。しかし、ボトックスは基本的に対症療法であり、症状を一時的に軽減させる治療なので、数ヵ月で薬剤の効果が薄れてきた際には繰り返し注射を受ける必要があります。副作用としては、蕁麻疹眼瞼下垂、口角下垂、抗体産生による効果の減弱などが報告されています。1回の治療費は保険診療3割負担で約3万円程度です。

参考)片側顔面けいれん – 脳・神経疾患


薬物療法としては、抗てんかん薬筋弛緩薬が用いられることもあります。抗てんかん薬ではカルバマゼピン、クロナゼパム、フェニトインガバペンチンなどが処方され、28日分の3割負担額は800〜3,500円前後です。筋弛緩薬ではバクロフェン、ダントロレン、チザニジンなどが用いられ、28日分の3割負担額は1,200〜2,000円前後となっています。​

片側顔面けいれん手術を受ける際の重要なポイント

手術を受ける際には、経験豊富な医療機関を選ぶことが重要です。年間30例以上の手術を行っており、治癒率が高い施設を選ぶことで、良好な結果を得られる可能性が高まります。術前のMRI検査では、異常に屈曲した動脈によって神経が圧迫されている様子を通常発見できるため、正確な診断が可能です。まれに血管の奇形、動脈瘤、腫瘍などが原因となることもあるため、これらの重大な病気が潜んでいないか確認することも重要です。

参考)片側顔面けいれん – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 – …


手術では術中モニタリングが重要な役割を果たします。多くの施設では、聴力障害が術後に起こらないように術中聴性脳幹反応(ABR)モニターを行い、さらに顔面異常筋電図(AMR)モニターを使用して、けいれんの原因となる異常筋電位が軽減消失するように神経減圧を行っています。これらのモニタリングにより、手術の安全性と治療効果が向上します。

参考)脳神経外科・脊髄脊椎外来・腰痛・しびれ外来(顔面けいれん・三…


術後の再発率は5〜9%程度と報告されており、再発した場合は再手術が検討されます。しかし、適切な手術技術と術中モニタリングを用いることで、再発率を最小限に抑えることが可能です。片側顔面けいれんは生命に関わる病態ではありませんが、日常生活に大きな支障をきたすため、信頼できる医師にきちんとした手術をしてもらうことで、術後の人生が一変するという体験談も多く報告されています。

参考)https://www3.kufm.kagoshima-u.ac.jp/ns/pdf/78.pdf


東京女子医科大学の片側顔面けいれんに関する詳細な説明

微小神経血管減圧術の詳しい手術方法と効果について解説されています。

三井記念病院の片側顔面痙攣治療情報

日本脳神経減圧術学会の共同研究データに基づく治療成績が掲載されています。

片側顔面けいれんの治療に関する医学論文

神経内視鏡を用いた手術の有用性について詳しく説明されています。