化膿性虹彩炎 原因 診断 治療
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化膿性虹彩炎 症状 前房蓄膿とぶどう膜炎の臨床像
化膿性虹彩炎は、急性前部ぶどう膜炎の中でも炎症細胞やフィブリンが高度で、前房蓄膿(hypopyon)を形成する病態として理解されます。 強い眼痛、羞明、充血に加え、「白い水面が揺れる」ような前房蓄膿を認める場合には、単なる虹彩炎以上に重篤な炎症を疑う必要があります。
ぶどう膜炎ガイドラインでは、前房細胞・フレアの評価とともに、前房蓄膿や角膜後面沈着物、虹彩後癒着などの所見を系統的に観察することが推奨されています。 特に前房蓄膿は必ずしも細菌感染に限らず、ベーチェット病のような非感染性ぶどう膜炎でもcold hypopyonとして出現しうる点が臨床上の重要な落とし穴です。msdmanuals+3
臨床症状としては、霧視や飛蚊症、視力低下の訴えが目立ちますが、患者は「急に真っ赤になり、まぶしくて開けていられない」と表現することが多く、結膜炎との鑑別がしばしば問題になります。 毛様充血や瞳孔の異常(縮瞳、不整円)を注意深く観察することで、結膜炎との早期鑑別が可能になります。msdmanuals+3
化膿性虹彩炎 原因 細菌性眼内炎と全身感染の関与
化膿性虹彩炎の中で真に「化膿性」と呼ぶべきものは、多くが細菌性眼内炎や強毒菌による前部ぶどう膜炎と連続する病態であり、眼内液中での菌増殖や好中球優位の炎症が背景にあります。 白内障術後や硝子体手術後、抗VEGF薬の硝子体内注射後など、眼内手技に続発する眼内炎では、急激な疼痛と前房蓄膿が前景に立つことが少なくありません。
一方で、敗血症や心内膜炎、尿路感染などからの血行性播種による内因性眼内炎では、全身状態の悪化とほぼ同時期に化膿性虹彩炎様の所見が出現し、診断が遅れると失明に至ることもあります。 糖尿病や高齢、免疫抑制状態では、軽微な全身感染からでも眼内への播種を来しやすく、眼痛や視力低下を訴えた段階で積極的に眼科コンサルトを依頼すべきです。mdpi+2
薬剤性ぶどう膜炎の中にも前房蓄膿を伴う「hypopyon uveitis」の形で発症する例が知られており、リファブチンなど一部薬剤では投与後数週で典型的な化膿性虹彩炎様の臨床像を呈することが報告されています。 この場合、眼内感染を否定したうえで原因薬剤の中止とステロイド治療が奏功するため、内服歴の聴取は診断上のキーポイントになります。nichigan+1
化膿性虹彩炎 診断 眼内炎との鑑別と検査戦略
化膿性虹彩炎の診断では、急性前部ぶどう膜炎としての基本所見(前房細胞・フレア、虹彩後癒着)に加え、眼内炎との境界を意識した評価が必要です。 硝子体混濁や後極部の視認性低下が早期から目立つ場合には、単純な前部ぶどう膜炎ではなく、細菌性眼内炎として硝子体検査や緊急硝子体手術の適応を検討します。
細隙灯検査に加え、OCTや蛍光眼底造影を用いることで、黄斑部浮腫や脈絡膜病変の合併を評価し、治療方針の決定に役立てます。 感染性が疑われる場合には、眼内液(房水・硝子体)の採取と培養、あるいは病原体DNAを標的としたPCR検査が、ウイルス性や結核性、真菌性のぶどう膜炎との鑑別に極めて有用です。med.osaka-u+3
全身検索としては、血液培養、炎症反応、胸部X線、ツベルクリン反応やIGRA、梅毒・HIV検査などが、ぶどう膜炎ガイドラインや各施設のプロトコールで推奨されています。 ベーチェット病やサルコイドーシス、原田病などの全身性疾患に伴う前部ぶどう膜炎でもcold hypopyonを認めることがあり、皮膚・関節・消化器症状や神経症状の聴取を怠ると診断が遅延します。horiuchi-ganka+3
化膿性虹彩炎 治療 ステロイドと抗菌薬の使い分け
治療戦略の第一歩は、感染性か非感染性かを臨床的に推定し、その判定がつかない場合には「眼内炎を見逃さない」方針で抗菌薬治療を優先することです。 細菌性眼内炎が疑われる際には、広域抗菌薬の全身投与や硝子体内注射に加え、状況に応じて硝子体手術を組み合わせることが推奨され、ステロイドは原則として抗菌治療開始後に慎重に導入します。
一方、非感染性の前部ぶどう膜炎としての化膿性虹彩炎(ベーチェット病の虹彩毛様体炎型など)では、ステロイド点眼と散瞳薬が局所治療の基本となり、炎症のコントロールと虹彩後癒着の予防を目的とします。 再発例や両眼性、後部病変を伴う場合には、全身ステロイドや免疫抑制薬、生物学的製剤などを用いた全身治療が検討され、眼科と内科・リウマチ科の連携が不可欠です。med.kindai+3
薬剤性hypopyon uveitisでは、原因薬剤の中止だけでなく、再投与の是非や代替薬の選択について原疾患主治医と協議する必要があり、眼科側から積極的に情報提供することが望まれます。 また、長期ステロイド使用に伴う眼圧上昇や白内障進行のリスクを説明し、定期的な眼圧・視野検査や水晶体のチェックをフォローアップ計画に組み込むことが推奨されます。nichigan+2
化膿性虹彩炎 症例ベースの診療戦略と意外なピットフォール
臨床現場では、「結膜炎様に見えるが痛みが強い」「抗菌点眼で改善しない」という症例の中に、小規模なhypopyonを伴う化膿性虹彩炎が紛れ込んでおり、初期対応でのスリットランプ未施行が診断遅延の一因となります。 特にコンタクトレンズ装用者では、角膜感染症と前部ぶどう膜炎が併存することがあり、角膜所見と前房所見の両方を評価しないと治療ターゲットを見誤る危険があります。
意外なピットフォールとして、全身状態が重篤な集中治療室の患者で見逃される内因性眼内炎があります。敗血症や長期カテーテル留置中の患者で、意識レベル低下のため眼痛の訴えが乏しく、白瞳や前房蓄膿が発見された時点で既に予後不良であることが少なくありません。 こうした症例では、全身管理上の優先度から眼科介入が遅れがちですが、視機能温存だけでなく敗血症コントロールの一環としても、眼内の感染巣として早期に評価・治療すべき標的になります。mdpi+1
もう一つの見落としは、慢性反復性の前部ぶどう膜炎患者で、ある再燃エピソードのみが異常に強い炎症とhypopyonを伴う場合です。この場合、「いつもの再燃」とみなしてステロイドを増量するだけでは、偶発的に発症した細菌性眼内炎をマスクしてしまう可能性があります。 炎症パターンが「いつもと違う」と感じた時点で、感染性の鑑別を再検討し、眼内液採取や画像検査を追加することが、経験豊富な医師ほど陥りやすいバイアスを回避する鍵となります。hazawa-kubotaganka+3
化膿性虹彩炎の診療では、ぶどう膜炎の枠組みにとどまらず、「眼内炎」「全身感染症」「薬剤性」の三つの軸を常に意識し、症例ごとに重み付けを変えながら鑑別と治療方針を組み立てることが求められます。 そのうえで、前房蓄膿を見たときには、「感染を見逃さない」ことと「過剰なステロイドで病像を覆い隠さない」ことのバランスをどう取るかが、医療従事者にとっての最大の腕の見せどころになるでしょう。jvoc+2
化膿性虹彩炎と前房蓄膿を伴うぶどう膜炎の総論的な背景と診療指針について詳しく解説している日本語資料です(病態・診断・治療全般の参考)。
前部ぶどう膜炎としての虹彩炎とその治療、散瞳薬やステロイド点眼の実際について患者向けにわかりやすく解説したページで、症状と治療部分の参考になります。
感染性眼内炎の定義、原因、治療方針(硝子体内注射や硝子体手術を含む)を詳述した英語レビューで、化膿性虹彩炎との鑑別とマネジメント方針の検討に有用です。