管内増殖性糸球体腎炎 原因
管内増殖性糸球体腎炎 原因:感染後 免疫複合体
管内増殖性糸球体腎炎の原因で最も頻度が高い枠組みは、「感染後に形成された免疫複合体が糸球体に沈着して起こる」という理解である。特に溶連菌感染後は古典的で、咽頭炎・扁桃炎・膿痂疹などの感染から時間をおいて発症し、腎糸球体の毛細血管内(管内)で炎症細胞浸潤と内皮細胞増殖が目立つ病理像をとることがある。
原因微生物は溶連菌だけに限定されず、ブドウ球菌や各種ウイルス、慢性炎症性病変(持続感染巣)を背景に免疫複合体が供給され続けるケースも原因として挙げられている。
臨床の実務では「先行感染の聴取(皮膚・上気道・心内膜炎など)」と「感染巣の探索」が原因検索の出発点になり、抗菌薬適応の判断や、免疫抑制を急ぎすぎないための安全策にもなる。
管内増殖性糸球体腎炎 原因:溶連菌感染後と補体 C3
溶連菌感染後の急性糸球体腎炎では、血清補体C3の低下がしばしばみられ、原因推定の重要な手がかりとして扱われる。
補体の「どの成分が、どのくらい、どの期間」低いかが鑑別に効き、典型例ではC3低下が中心で、時間経過とともに改善していくことが多い(改善が乏しい場合は別疾患を疑う、という使い方ができる)。
医療従事者向けの実践ポイントとして、C3低下を見たら“感染後=溶連菌”と短絡せず、腎機能の推移、尿所見(血尿・蛋白尿の程度)、感染の持続性(発熱、CRP、心雑音、皮膚病変など)を合わせ、原因の層別化を行うのが安全である。
管内増殖性糸球体腎炎 原因:感染関連(ブドウ球菌)とIgA
近年の原因として重要なのが、ブドウ球菌感染などに関連して起こる感染関連糸球体腎炎(IRGN)で、病理で「管内増殖像」を取りつつ、IgAが優位に沈着するタイプ(IgA-IRGN)が報告されている。
このタイプは「感染が持続している最中に腎障害が進行する」臨床像をとりやすく、溶連菌感染後のように感染が終わってから発症する“ポスト感染”像とズレることが、原因を疑う実地のヒントになる。
原因検索は腎臓だけで完結せず、皮膚・骨関節・血管内(カテーテル、シャント)・心内膜炎など“慢性に燃え続ける感染源”のスクリーニングが診断精度と予後に直結しうる。
管内増殖性糸球体腎炎 原因:腎生検とMPGN・C3腎症
管内増殖性は「病理学的パターン(形態)」なので、原因を確定するには腎生検で免疫沈着の性状(IgG/IgM/C3の優位性や分布)を確認し、感染関連・自己免疫・補体介在性などを振り分ける必要がある。
鑑別で話題になりやすいMPGNは、同じく増殖性変化をとるが、基底膜の肥厚・二重化などが特徴とされ、管内増殖性主体の所見とは区別される。
さらに“意外に見落としやすい”落とし穴として、補体第二経路の制御異常によるC3腎症が、光顕ではMPGN様あるいは管内増殖性の像をとり得るため、C3優位沈着や補体検査(自己抗体や制御因子)まで視野に入れると原因検索が一段深くなる。
管内増殖性糸球体腎炎 原因:尿沈渣で原因を推定(独自視点)
原因を探る際、腎生検や血清学は強力だが、現場で最初に得られる“低コストで高密度な情報”が尿沈渣である(特に赤血球円柱の確認は糸球体由来血尿を強く示唆し、病態の確度を上げる)。
実務的には、尿沈渣で「糸球体性血尿の濃さ」を掴んだうえで、原因候補に応じて追加検査を最短距離で組むと効率がよい(例:先行感染+低C3なら感染関連を優先、全身所見があれば膠原病も並走、C3低下が遷延するなら補体介在性を疑う)。
また、感染関連が疑わしいのに免疫抑制を先行すると感染制御が遅れ得るため、尿所見・炎症所見・補体の“整合性”を取る作業自体が、原因検索であり同時に治療安全管理になる。
原因(感染関連/補体介在性)と鑑別の考え方の参考。
補体介在性腎疾患(C3腎症)の診断の要点(腎生検の必要性、光顕像の多様性、補体評価の考え方)
感染後糸球体腎炎の所見(管内増殖、C3沈着、humpなど)の参考。