胃瘻用皮膚保護材とスキンケアと観察

胃瘻用皮膚保護材とスキンケア

胃瘻用皮膚保護材で押さえる要点
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目的は「漏れ・摩擦・湿潤」を遮断

皮膚保護材は治療よりも予防で真価が出ます。刺激物(胃液・栄養剤)を皮膚に触れさせない設計にすると、発赤やびらんの悪循環を断ちやすくなります。

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観察は「毎食」と「毎日」で分ける

注入ごとに出血・発赤・浸出液をチェックし、毎日ストッパーのゆとりや皮膚の乾燥/湿潤を確認すると、重症化前に手が打てます。

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ガーゼ運用の落とし穴を回避

ガーゼは湿潤・栄養付着で真菌の温床になりやすい場面があります。交換頻度と素材選択を工夫し、必要な時だけ「吸収」を担わせます。

胃瘻用皮膚保護材と観察のポイント

 

胃瘻周囲のスキントラブルは、生命に直結しにくい一方で本人・家族の苦痛が大きく、現場では看護側が板挟みになりやすい領域です。だからこそ「毎食ごとの観察」をルーチン化して、出血・発赤・浸出液の有無を短時間で拾う体制が重要です。注入のたびに胃瘻部を見て、変化を早期に捉えることが予防の一歩とされています。

また、毎日の観察では「カテーテルが抵抗なく回転できること」「ストッパーと皮膚の間隔が概ね1〜1.5cmあること」を確認し、圧迫や摩擦の兆候を先回りして潰瘍化を防ぎます。ストッパーがきつい状態は皮膚への食い込みを招き、逆に緩すぎてもチューブの遊びが増えて摩擦が増えるため、“適正なゆとり”を数値で共有すると教育効果が高いです。観察は、胃瘻から少し離れた健常皮膚と比べて、腫脹・熱感・疼痛・掻痒・湿潤・乾燥などを系統立てて記録すると、対応が属人化しにくくなります。

【観察チェック例(毎食)】

  • 🩸 出血:新鮮血か、痂皮の剥離か
  • 🔴 発赤:輪郭がガーゼ形か、漏れ形か
  • 💧 浸出液:量・臭い・色(透明/白濁/膿性)

【観察チェック例(毎日)】

  • 📏 ストッパー間隔:目安1〜1.5cm
  • 🔁 回転可否:抵抗なく回るか(固定され過ぎていないか)
  • 🧴 皮膚状態:乾燥/落屑、湿潤/浸軟のどちらに傾いているか

胃瘻部は「第二のお口」と説明されることがあり、観察と清潔保持を“歯磨き・洗顔の延長”として理解してもらうと、在宅でも継続しやすくなります。

有用:日常の観察とスキンケア(消毒不要、ストッパー間隔、ガーゼの注意)がまとまっている

PDNレクチャー:スキンケア(普段の手入れと入浴など)

胃瘻用皮膚保護材とスキンケア(洗浄・消毒)

日常のスキンケアの基本は「洗浄」であり、普段の手入れとして消毒は不要とされています。皮膚は無菌ではなく常在菌がいるため、消毒で“無菌化”を狙うより、洗浄で汚れ・分泌物を除去して清潔を保つ方が理にかなっています。具体的には、ぬるま湯で湿らせた不織布ガーゼ等で毎日丁寧に汚れを取り、乾燥して固着した粘液や血液は無理にこすらず、入浴や湿潤でふやかして除去します。

ここで胃瘻用皮膚保護材の役割が出てきます。洗浄しても、漏れ(胃液・栄養剤)や汗で皮膚が湿潤に傾くと、浸軟→わずかな摩擦でびらん、という流れになりやすいため、洗浄後に「撥水性クリームや白色ワセリン」を薄く広く塗ってバリアを作る考え方が有効です。さらに漏れがある場合は、創傷被覆材で刺激物が直接皮膚に触れないようにし、少量の漏れなら被覆材で吸収も可能だとされています。

意外と見落とされがちなのが「洗浄後の乾かし方」です。入浴後はタオルで水分を拭き、自然乾燥が基本で、ドライヤーは皮膚ダメージやカテーテル破損につながるため避けるべきとされています。つまり、皮膚保護材を塗る前に“過乾燥”でも“濡れっぱなし”でもない状態を作ることが、トラブルを減らす土台になります。

【洗浄〜保護の流れ(例)】

  • 🚿 洗浄:ぬるま湯(必要なら石鹸)でやさしく洗い、十分にすすぐ
  • 🧻 水分除去:押さえるように拭く(擦らない)
  • 🧴 保護:乾燥傾向→保湿、漏れ傾向→撥水性クリーム/ワセリン薄塗り+必要時に被覆材

有用:日常ケアは洗浄が基本、消毒不要、入浴の考え方、ドライヤー禁止、漏れ時の撥水性クリーム/ワセリン

PDNレクチャー:スキンケア(普段の手入れと入浴など)

胃瘻用皮膚保護材と漏れと発赤・びらん

胃瘻周囲の発赤・びらんを繰り返す症例で、最も難渋しやすい原因の一つが「漏れ」です。漏れを放置すると瘻孔拡大につながり、さらに漏れが増える悪循環になり得るとされ、対策は“皮膚だけ”で完結しないのがポイントです。皮膚側の対策としては、胃液や栄養剤が皮膚に直接触れないよう、創傷被覆材で保護したり、撥水性クリームを広く薄く塗ってバリアを作る方法が挙げられます。

一方で、漏れが続くときは「漏れそのもののコントロール」が必要です。漏れ対策として、栄養剤の半固形化投与や、医師管理下での小腸挿管(PEGJ)などが紹介されており、皮膚保護材はあくまで“時間を稼ぐ”手段として位置づけると現場で判断しやすくなります。言い換えると、びらんが改善しない時に“保護材を厚く塗り重ねる”だけでは限界があり、投与方法・カテーテル・ストッパー設定の再評価にスイッチする合図になります。

また、漏れがある皮膚は湿潤と浸軟に傾くため、同じ材料でも貼付方法で結果が変わります。皮膚保護材や被覆材を使う際は、皮膚を乾かし過ぎて亀裂を作らないこと、逆に湿ったまま密閉し過ぎて浸軟を増やさないことのバランスが重要です。

【漏れが続くときの整理(例)】

  • ✅ 皮膚側:撥水性クリーム/ワセリン薄塗り、創傷被覆材で遮断・吸収
  • ✅ 機械側:ストッパー圧迫の有無、チューブ長・固定、摩擦点
  • ✅ 投与側:注入速度、体位、半固形化の適応、必要ならPEGJ相談

有用:漏れが難渋点であること、創傷被覆材・撥水性クリーム、半固形化やPEGJといった漏れコントロールの考え方

PEGのトラブルA to Z:②スキントラブル

胃瘻用皮膚保護材と肉芽と圧迫

肉芽は、カテーテルという異物刺激による反応で形成されることがあり、小さな肉芽は必ずしも処置が必要ない場合があります。一方で、巨大化して痛みが強い、浸出液が多い、出血するなどのときは治療対象になり、現在はステロイド軟膏が有用で簡便として紹介されています。ここで重要なのは“薬を塗る技術”で、健常皮膚に広げず肉芽だけに塗り、長期連用を避けて2週間程度を目安にする、といった副作用回避のポイントが示されています。

肉芽や感染様の悪化を招く大きな要因として「圧迫」があり、ストッパーがきついと皮膚に食い込み潰瘍を形成するため、まず緩めることが基本対応になります。円背など体形の影響でストッパーが当たりやすい場合には、ゆとりを大きめに確保し、ストッパーと皮膚の間に切り込みを入れたスポンジを挟むなど、圧を分散する工夫が紹介されています。胃瘻用皮膚保護材を使う際も、圧迫が原因のまま上から覆うと悪化し得るため、圧の調整が最優先になります。

さらに、日々の運用としては「カテーテルが抵抗なく回転できるか」を見ることで、圧迫・固定過多の兆候を早期に拾えます。皮膚保護材は、圧迫調整とセットで初めて“守り”として機能し、肉芽を繰り返すケースの再発予防に寄与します。

【肉芽対応の考え方(例)】

  • 🟥 小さい肉芽:経過観察+摩擦/圧迫/漏れの原因修正
  • 🩹 症状が強い肉芽:医師指示で外用(肉芽だけ、期間は短め)
  • 📏 再発予防:ストッパー間隔、回転可否、接触圧の分散

有用:肉芽の考え方、ステロイド軟膏の塗布ポイント、圧迫(ストッパー)と潰瘍、スポンジでの工夫

PEGのトラブルA to Z:②スキントラブル

胃瘻用皮膚保護材とガーゼとティッシュ(独自視点)

検索上位でも触れられることが多い一方で、現場で“運用の差”が最も出るのが、ガーゼの使い方です。胃瘻周囲に滅菌ガーゼは必須ではなく、ガーゼ固定の粘着テープや、発汗でガーゼ下が湿潤することがスキントラブルの原因になり得るとされています。さらに、栄養剤や漏れが付着したガーゼが長時間接触すると、温度・湿度・栄養がそろって細菌や真菌の温床になりやすく、ガーゼ形に皮膚炎が起きるのが特徴的だと説明されています。

この“ガーゼ形の皮膚炎”を見たら、胃瘻用皮膚保護材を追加する前に、まず運用を疑うのが合理的です。例えば、滲出液があるときに「こより状にしたティッシュペーパーをカテーテル周囲に巻いて、汚れる都度交換する」方法が紹介されており、粘着テープ不要で吸収も比較的よいという考え方は、在宅指導で実装しやすい工夫です。皮膚保護材(撥水・被膜)と、交換頻度の高い吸収材(ティッシュ等)を“役割分担”させると、過度な密閉を避けつつ、漏れの刺激から皮膚を守りやすくなります。

もう一段踏み込むと、ケア用品を増やすより「交換しやすい設計」にする方が、結果として皮膚が落ち着く症例があります。上司チェックで突っ込まれやすいのは「何を貼ったか」より「なぜその運用にしたか」なので、湿潤・摩擦・漏れのどれを減らす狙いかを言語化しておくと、チーム内の合意形成にも役立ちます。

【運用で差が出るポイント(例)】

  • 🧻 吸収材:交換頻度を上げやすい素材を選ぶ(汚れたら即交換)
  • 🧴 保護材:薄く広く(厚塗りで“べたつき→汚れ付着”を増やさない)
  • 🩹 被覆材:少量漏れの吸収・遮断に使い、浸軟が増えるなら貼り方を見直す

有用:滅菌ガーゼ不要、ガーゼがスキントラブルや真菌の温床になり得る、ティッシュこよりの工夫

PDNレクチャー:スキンケア(普段の手入れと入浴など)

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