胃閉塞 犬 嘔吐 症状 診断 治療 予防 対応

胃閉塞 犬

胃閉塞 犬:臨床で押さえる要点
⚠️

嘔吐+脱水は時間勝負

胃内容が排出できない状態は短時間で循環・電解質を崩し、状態が良さそうに見えても急変し得ます。

🩻

診断は画像+電解質

レントゲン・超音波で「閉塞の位置/原因」を絞り、低Cl・低Kと酸塩基で“閉塞らしさ”を裏付けます。

🧰

内視鏡と手術の選別

胃内異物は内視鏡が第一選択になり得る一方、幽門より遠位や線状異物は外科に傾きます。

胃閉塞 犬の嘔吐 症状 脱水

 

胃閉塞(胃の流出路障害)は、「食べたもの(または液体)が胃から先へ流れない」ために嘔吐が反復し、脱水と循環不全へつながる病態として理解すると臨床判断が速くなります。

特に注意したいのは、閉塞“直後”は一見元気・食欲が残る症例があり、飼い主の訴えが「吐くけどまだ動く」に寄りやすい点です。

一方で嘔吐が続くと水分摂取が成立せず脱水が進み、元気消失・ぐったり・末梢循環の低下が目立ってきます。

腹痛(触診で嫌がる)、腹部膨満、吐物が未消化フードや胆汁混じりになるなどは、閉塞を疑う“臨床の引き金”として共有しやすい所見です。

医療従事者向けの実務としては、次の所見を「待てないサイン」として院内で言語化しておくと、診断の遅れを減らせます。

胃閉塞 犬の診断 レントゲン 超音波

診断は「閉塞の存在」と「原因(異物か機能/器質疾患か)」を同時に追う必要があり、現場では画像診断の組み合わせが最短ルートになります。

腹部レントゲンは、異物や胃拡張胃捻転症候群などの検出、造影を含めた機械的イレウスの評価に役立つとされています。

腹部超音波は、腸管の蠕動、ガスや液体貯留、異物の有無などを観察でき、閉塞の有無確認として臨床で多用されています。

鑑別を急ぐときの現実的な流れ(院内プロトコル例)は次の通りです。

意外に見落とされがちなのが「原因が異物だけではない」点で、慢性嘔吐の背景に幽門狭窄などの胃排出遅延が潜むと、急性増悪時に“閉塞っぽい嘔吐”として来院することがあります。

参考)長期的な嘔吐・食欲不振…もしかして幽門狭窄が隠れているかも!…

胃閉塞 犬の血液検査 電解質

胃内容の喪失(嘔吐)が続く症例では、低クロール血症・低カリウム血症を伴う代謝性アルカローシスが示唆され、閉塞性の消化管異物(上部消化管の閉塞)を鑑別に入れるべき、という整理が実務的です。

この“電解質パターン”は、画像で閉塞所見がはっきりしない初期や、他疾患(膵炎など)との境界で迷う場面で、疑いを強める補助線になります。

したがって、胃閉塞を疑う犬では「血液ガス/電解質(Cl、K)+腎前性変化(脱水)+炎症反応」を同時に見て、治療(補液・補正)と診断の優先順位を組み立てるのが安全です。

補正の実際では、嘔吐で低K・低Clに傾くことがあるため、輸液設計の段階で“どの電解質をどの速度で戻すか”が転帰に直結します。

参考)http://dogwan.jp/information/index.php?%E6%B6%88%E5%8C%96%E5%99%A8%E7%B3%BB%E3%81%AE%E7%96%BE%E6%82%A3%2F%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%A8%E6%96%B9%E9%87%9D

また、電解質異常が麻酔リスクを押し上げるため、内視鏡でも外科でも「処置前の補正(可能な範囲で)」はチームで共有すべき前提になります。

参考)内視鏡検査【みなみ野動物病院(八王子みなみ野)】誤飲・誤食の…

胃閉塞 犬の治療 内視鏡 手術

胃内に異物が留まるケースでは内視鏡での摘出が適応となり得て、開腹に比べて侵襲を下げられる可能性があります。

一方で、誤飲から時間が経過して異物が胃より先に流れている場合は内視鏡では届かず、外科的対応へ移行する、という線引きが臨床上の要点です。

鋭利物などで催吐が危険な場合、内視鏡で状態を見ながら摘出する選択が安全性の観点から語られています。

胃閉塞の“治療の迷いどころ”は、閉塞解除だけでなく、合併症(穿孔、腹膜炎、虚血)をどこまで疑うかです。

参考)消化管異物による酸塩基異常

線状異物(紐状異物)は若齢犬に多く、近位端が胃の幽門部に繋留する割合が約85%と報告され、腸管がアコーディオン状に束ねられ、壊死・穿孔から腹膜炎に至り得る、というメカニズムが整理されています。

このタイプは「内視鏡で取れそう」に見えても、十二指腸以遠へ連続していると処置選択が急に難しくなるため、画像で連続性を強く疑う所見があれば外科の準備を先行させるのが現実的です。

参考)口腔内および食道内~十二指腸の異物除去|カテゴリ|岐阜県岐阜…

胃閉塞 犬の予防 異物 幽門 独自視点

検索上位が“症状と治療”に偏りがちな一方、院内教育として効果が大きいのは「再発予防=環境と行動の設計」まで診療の範囲に含める視点です(独自視点)。

例えば線状異物では、近位端が幽門部に繋留し得るという報告があるため、家庭内で“ひも状のおもちゃ・布・リボン”を犬の生活動線から排除する指導は、単なる一般論ではなく病態に根差した予防になります。

また慢性嘔吐の背景に幽門狭窄など胃排出遅延がある場合、食後しばらく経ってから吐くという特徴が示されており、「吐くタイミング」や「未消化の内容」まで問診テンプレートに組み込むと拾い上げ精度が上がります。

臨床現場で役立つ“飼い主説明の型”も用意しておくと、救急でもブレにくくなります。

  • 「吐いている=胃腸炎」と決め打ちせず、閉塞は時間で悪化する可能性を伝える。
  • 「元気があるうちは様子見」ではなく、飲水が吐けるか・回数・ぐったりの有無で再受診基準を明確化する。
  • 異物が疑われる場合は、内視鏡適応のタイムウィンドウが狭くなること(胃から先へ流れると難しくなる)を共有する。

    参考)『犬と猫の内視鏡 〜異物摘出について解説!〜』

線状異物・穿孔など重症例の病態背景(若齢犬、幽門部繋留、腹膜炎リスク)を一次情報として確認したい場合。

線状異物による腸閉塞の機序(幽門部繋留、アコーディオン状変形、穿孔・腹膜炎)と外科的修復の選択肢が学べる

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvas/36/1/36_1_19/_pdf/-char/ja

チャイルド44 森に消えた子供たち(字幕版)