ホスホジエステラーゼ5阻害薬の一覧
代表的なホスホジエステラーゼ5阻害薬(以下PDE5阻害薬)には、バイアグラ(シルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、レバチオ、アドシルカ、ザルティアなどがあります。
- バイアグラ(シルデナフィル):先発品と多数のジェネリック、錠剤・ODフィルム剤がある。ED治療や肺高血圧症治療に使用。
- シアリス(タダラフィル):持続時間が長く、生活スタイルに合わせやすい。前立腺肥大症の排尿障害にも適応。
- レビトラ(バルデナフィル):即効性の高いED治療薬として人気。
- レバチオ、アドシルカ:肺高血圧症に特化した薬剤。
薬価も商品ごとに細かく設定されており、ジェネリックの登場で患者負担が軽減しつつあります。
参考(日本で承認の主な薬剤と価格)。
薬剤名 | 主成分 | 剤形 | 適応症 | 薬価(例) |
---|---|---|---|---|
バイアグラ | シルデナフィル | 錠剤、ODフィルム | ED | 25mg:775円、50mg:1150.2円 |
シアリス | タダラフィル | 錠剤 | ED、排尿障害 | 5mg:1078.3円、20mg:1300.6円 |
レビトラ | バルデナフィル | 錠剤 | ED | 調査時点で品薄・不安定 |
レバチオ | シルデナフィル | 錠剤、ODフィルム、懸濁用 | 肺高血圧症 | 20mg:690.7円 |
アドシルカ | タダラフィル | 錠剤 | 肺高血圧症 | 20mg:810.9円 |
ザルティア | タダラフィル | 錠剤 | 排尿障害 | 5mg:96.2円 |
製薬企業や商品によってジェネリックも多く、剤形や薬価設定の細かさが医療現場では重視されています。
主なPDE5阻害薬それぞれに特徴があり、ED治療では即効性や持続性で選択される一方、排尿障害や肺高血圧症では患者背景や生活習慣、合併症の有無による使い分けがされています。持続時間が長いシアリスは日常的な使用に適するため高齢者の排尿障害治療にも使われます。バイアグラ・レビトラは即効性重視の患者に好まれます。肺高血圧症ではレバチオやアドシルカが選ばれますが、同一成分でも剤形・投与経路で選択が変わります。タダラフィルは心血管疾患合併症例でも比較的安全と評価されています(英語論文:PDE5阻害薬の最新レビュー)。
- 一般的副作用:頭痛、ほてり、鼻づまり、消化不良、めまいなど。
- 頻度は少ないが重篤例:持続性勃起症、視力・聴力障害、低血圧(特に硝酸薬・NO供与薬、抗凝固療法併用時は要注意)。
- 禁忌:硝酸剤・NO供与薬を服用中の患者には禁忌。心血管疾患の既往歴がある場合は慎重に投与。特に高齢者や腎機能障害例で投与量調整が必要。
副作用管理ポイント:副作用には早期対応が重要で、患者へ説明・啓発が必須です。ジェネリック品は薬剤ごとに添加物や吸収特性が異なる場合があるため現場で適切に選択が行われています。PDE5阻害薬の作用と副作用詳説(参考リンク)
2025年現在、ホスホジエステラーゼ阻害薬はED・肺高血圧症だけでなく、心不全、免疫系疾患、認知症領域など、幅広い疾患で新規適応が模索されています。
日本でもPDE5阻害薬の個々の剤形や投与経路が多様化し、患者ごとに最適な個別化治療がスタンダードに。
今後は副作用低減・効果増強のためのバイオマーカーによる選択、薬剤耐性への新たな作用機序薬の登場などが注目されています。肺高血圧症や難治性疾患への応用研究も進行中です。肺高血圧症治療での新規PDE5阻害薬レビュー
参考:薬効・副作用比較表や詳しい薬価データは医療薬剤データベースで随時更新中。
PDE5阻害薬でわからないことは日本新薬や製薬メーカーの公式情報も参考になる。
(薬効・剤形リストはKEGG薬剤DB、臨床での比較はMSDマニュアル、最新適応症はセマンティックスカラーやMDPI論文)
PDE5阻害薬の使い分けや副作用情報は、必ず医療専門職の監督のもと確認を!