泌尿器・生殖器系用薬の分類と使い分け
過活動膀胱の抗コリン薬は3ヶ月以上継続すると認知症リスクが1.3倍上昇します
泌尿器・生殖器系用薬の主要な薬剤分類
泌尿器・生殖器系用薬は、その作用機序によって大きく複数のカテゴリーに分類されます。これらの薬剤は排尿障害、前立腺疾患、性機能障害など、多様な泌尿器科領域の疾患に対して処方されています。
主要な分類はα1受容体遮断薬、抗コリン薬、β3アドレナリン受容体作動薬、5α還元酵素阻害薬、PDE5阻害薬などです。それぞれの薬剤は異なるターゲットに作用し、患者の症状や病態に応じて使い分けられています。
α1受容体遮断薬の特徴と適応
α1受容体遮断薬は前立腺肥大症治療の第一選択薬として広く使用されています。代表的な薬剤にはタムスロシン(ハルナール)、シロドシン(ユリーフ)、ナフトピジル(フリバス)などがあります。これらは前立腺や尿道の平滑筋に存在するα1受容体を遮断することで、筋肉の緊張を緩和し排尿障害を改善します。
タムスロシンはα1A受容体選択性が高く、尿道や前立腺に多く存在するα1A受容体に作用します。シロドシンはさらに選択性が高く、α1A受容体への親和性がタムスロシンの数倍とされています。効果発現は比較的早期で、服用開始から1~2週間程度で症状改善が期待できます。
副作用として起立性低血圧、めまい、射精障害などが報告されています。特に高齢者では血圧低下によるふらつきや転倒リスクに注意が必要です。
服用開始時は慎重な経過観察が求められます。
抗コリン薬とβ3作動薬の使い分け
過活動膀胱の治療には抗コリン薬とβ3アドレナリン受容体作動薬が使用されます。抗コリン薬には、オキシブチニン、ソリフェナシン(ベシケア)、トルテロジン、イミダフェナシンなどがあります。これらは膀胱平滑筋のムスカリン受容体を遮断し、膀胱の不随意収縮を抑制します。
β3作動薬のミラベグロン(ベタニス)やビベグロン(ベオーバ)は、膀胱のβ3受容体を刺激して膀胱を弛緩させます。抗コリン作用がないため、口渇や便秘といった副作用が少ないのが特徴です。
つまり副作用プロファイルが異なります。
抗コリン薬は効果が確立されていますが、高齢者では認知機能への影響が懸念されます。特に75歳以上の患者では、β3作動薬を第一選択とすることが推奨される場合もあります。残尿が多い患者や前立腺肥大症を併発している男性では、抗コリン薬により尿閉のリスクが高まるため注意が必要です。
日本老年薬学会が公開している「日本版抗コリン薬リスクスケール」では、各薬剤の抗コリン作用の強さがスコア化されており、高齢者への処方時の参考資料として有用です。
泌尿器・生殖器系用薬の重要な副作用と対策
泌尿器・生殖器系用薬には、処方時に必ず把握しておくべき重大な副作用や相互作用が存在します。患者の安全を守るために、医療従事者はこれらのリスクを正確に理解し、適切な対応を取る必要があります。
抗コリン薬による認知機能への影響
過活動膀胱治療に使用される抗コリン薬の長期投与が、高齢者の認知症発症リスクを増加させることが複数の研究で報告されています。英国ノッティンガム大学の研究によれば、オキシブチニン、ソリフェナシン、トルテロジンの服用者は、非服用者と比較して認知症リスクが1.25~1.29倍に上昇することが明らかになりました。
この作用機序は、抗コリン薬が血液脳関門を通過し、中枢神経系のムスカリン受容体を遮断することによります。脳内のアセチルコリンは記憶や学習に重要な役割を果たしており、その働きが阻害されると認知機能が低下します。特にオキシブチニンは脂溶性が高く、脳への移行性が高いため注意が必要です。
高齢者に抗コリン薬を処方する際は、日本版抗コリン薬リスクスケールを参考に、より中枢移行性の低い薬剤を選択することが推奨されます。
また、β3作動薬への変更も検討すべきです。
既に認知機能低下がある患者には、抗コリン薬の使用は原則として避けるべきとされています。
定期的な認知機能評価も重要です。
α1遮断薬と白内障手術のリスク
α1遮断薬、特にタムスロシンやシロドシンを服用している患者が白内障手術を受ける際、術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)を引き起こすリスクがあります。IFISは白内障手術中に虹彩がフニャフニャになり、水流でうねるように動いたり、虹彩が創口から脱出したり、進行性の縮瞳が起こる状態です。
発生頻度は、一般的な白内障手術では約2%程度ですが、α1受容体選択性遮断薬を服用している患者では40~60%と極めて高くなります。シロドシン内服例では特にIFISが好発し、重症化する傾向があるとの報告もあります。重症化すると後嚢破損や硝子体脱出などの合併症リスクが高まります。
眼科医との連携が不可欠です。白内障手術を予定している患者には、必ず前立腺肥大症治療薬の服用歴を確認し、眼科医に情報提供することが求められます。過去の服用歴も重要で、既に中止していてもIFISリスクは残存します。眼科医はこの情報を基に、手術計画や器具選択、散瞳薬の使用などを工夫します。
徳山医師会病院の患者向け資料では、α遮断薬服用中の白内障手術におけるIFISリスクと対策が詳しく解説されています。
ED治療薬の併用禁忌と注意事項
PDE5阻害薬であるシルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)は、勃起不全治療だけでなく、前立腺肥大症に伴う排尿障害にも使用されます。これらの薬剤には絶対的な併用禁忌薬が存在し、誤って併用すると死に至る危険性があります。
最も重要な併用禁忌は硝酸薬です。ニトログリセリン、硝酸イソソルビド(ニトロール、フランドール)、ニコランジルなどの狭心症治療薬が該当します。これは飲み薬だけでなく、貼り薬、吸入薬、注射、スプレーなど全ての剤形で禁忌です。併用すると血圧が急激に低下し、ショック状態や心筋梗塞、死亡に至る可能性があります。
その他、アミオダロン塩酸塩(抗不整脈薬)、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬も併用禁忌です。また、CYP3A4阻害薬(一部の抗真菌薬、マクロライド系抗生物質、グレープフルーツ)との併用は、ED治療薬の血中濃度を上昇させ副作用リスクを高めます。降圧薬との併用では血圧低下が増強されるため慎重投与が必要です。
処方前には必ず併用薬を確認し、患者にも併用禁忌について十分に説明することが重要です。緊急時の対応として、ED治療薬服用後に狭心症発作が起きても、硝酸薬を使用できないことを患者自身が理解しておく必要があります。
泌尿器・生殖器系用薬における5α還元酵素阻害薬の特性
5α還元酵素阻害薬は、前立腺肥大症の根本的な治療を目指す薬剤として重要な位置を占めています。現在日本で前立腺肥大症に適応があるのはデュタステリド(アボルブ)のみです。フィナステリドはAGA治療薬として承認されていますが、前立腺肥大症には適応外です。
デュタステリドは、男性ホルモンのテストステロンをより活性の高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換する5α還元酵素の1型と2型の両方を阻害します。DHTは前立腺細胞の増殖を促進するため、その産生を抑えることで前立腺の縮小効果が得られます。
効果発現には6ヶ月程度かかります。
前立腺体積が30ml以上の中等度から重症の前立腺肥大症患者に適しています。長期投与により前立腺体積を約25%縮小させ、急性尿閉や手術のリスクを約50%減少させることが示されています。α1遮断薬との併用療法も行われ、相乗効果が期待できます。
副作用としては性欲低下、勃起不全、射精障害などの性機能障害が約10%程度に認められます。また、乳房圧痛や女性化乳房の報告もあります。重要な注意点として、デュタステリドはPSA(前立腺特異抗原)値を約50%低下させるため、前立腺がんのスクリーニングに影響を与えます。投与中のPSA値は2倍にして評価する必要があります。
肝機能障害のリスクもあるため、投与開始後3ヶ月は月1回、以降も定期的な肝機能検査が必要です。妊婦や授乳婦、小児には禁忌で、女性が触れないよう注意が必要です。これ

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