腓骨筋腱脱臒 手術 入院期間
腓骨筋腱脱臼の手術の適応と上腓骨筋支帯
腓骨筋腱脱臼は、スポーツなどで急な方向転換をした際に、腓骨筋腱が外くるぶし(外果)後方から骨の上に「乗り上げる」ように逸脱する外傷で、初回は捻挫として見逃されることもあります。
病態のコアは、腓骨筋腱を外果後方で押さえる「上腓骨筋支帯」が骨から剥がれる(または断裂する)ことで、足関節背屈時の腓骨筋収縮を契機に腱が前方へ跳ね上がる点です。
この支帯が元の位置で治癒しないと反復性(クセ)になりやすく、痛み・腫脹だけでなく「脱力感」「不安定感」「弾発音」などの訴えとして残るため、保存で安定化しない場合に手術が議論されます。
医療従事者の説明で大切なのは、「初回だから必ず保存」「反復だから必ず手術」と単純化しないことです。semanticscholar+1
日本足の外科学会の患者向け資料では、初回脱臼には4〜6週間のギプス固定で上腓骨筋支帯の治癒を狙う一方、ギプス固定で治癒するのは“約半数程度”とされ、残りは反復化し得ることが明記されています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/72b4ad5e51a39690adeb4deffb1c069487b9b712
また同資料では、反復して痛みや不安定感などで困る場合に手術療法を選択し、初回でも「確実な治癒」を求めて手術を選ぶことがある、と整理されています。
(意外に見落とされがちな点)腓骨筋腱脱臼では、患者が「外くるぶしの前側」ではなく「後側」の痛み・腫脹を訴えることがあり、いわゆる足関節外側靱帯損傷との鑑別の会話が重要です。
診断補助として、MRIや超音波(エコー)で、腱が動く空間である仮性嚢や脱臼腱そのものが確認される場合がある、と日本足の外科学会資料に記載があります。
外来での患者説明では「腱がズレる感触があるのにレントゲンが正常」というギャップが不安を増やすため、病態(支帯+腱溝)を図示して言語化すると同意形成が進みます。
腓骨筋腱脱臼手術の入院期間と費用
狙いワードで最も聞かれやすいのが「入院期間の目安」で、実臨床では施設の麻酔体制・術式・合併損傷・社会背景で幅があります。
一例として、AR-Ex尾山台整形外科では腓骨筋腱脱臼手術の入院期間を「3泊4日」とし、費用目安(3割負担)を「17〜25万」と案内しています(合併損傷などで変動・高額療養費の適用可能性に言及)。
別の総合病院系の情報では、足の外科疾患の手術は「入院期間は2、3日であることが多い」とされ、疾患によりギプス固定や免荷で松葉杖退院になるケースがある、と説明されています。
医療従事者向けに補足すると、「入院日数」だけを患者に提示すると、退院後の生活制限(免荷、通院頻度、創部管理)が過小評価されやすい点が落とし穴です。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/8aa9b9c3e10a0585f60e8e40a7fc65d205197faa
同じ“短期入院”でも、退院時点でどの程度荷重できるか、松葉杖がいつ外れるか、通院リハの頻度がどのくらいかで、患者の就労・家事への影響は大きく変わります。
したがって入院期間の説明は、「入院=急性期管理」「退院後=固定・荷重調整・創部と腫脹管理が続く」という2段階に分けて提示すると誤解が減ります。
腓骨筋腱脱臼手術の術式と腱溝を深くする方法
手術は「上腓骨筋支帯を修復する方法」と「腓骨筋腱の溝を深くする方法(腱溝形成・掘削)」などがあり、余分な筋肉や腱があれば切除する場合がある、と日本足の外科学会資料にまとめられています。
AR-Ex尾山台整形外科では、外くるぶしの骨に上腓骨筋支帯を縫い付ける解剖学的修復術を第一選択としており、腱鞘鏡を使用する場合と皮膚を大きく切開する場合がある(ケースバイケース)としています。
この“バリエーションの多さ”は、患者説明で「自分は重症なのか?」という不安に直結するため、術式選択の軸(支帯の損傷、腱の損傷、溝形態、反復性、競技復帰希望)を明示するのが実務的です。
(臨床で役立つ視点)腓骨筋腱脱臼は、純粋な“脱臼の整復・固定”というより、「腱が通る滑走路(溝)」「抑え(支帯)」「腱そのものの損傷」を同時に評価して、再脱臼・腱断裂・腱鞘炎のリスクを下げる設計問題として捉えると整理しやすいです。semanticscholar+1
また、腱鞘鏡視下で評価すると、正常では外果横に短腓骨筋腱と長腓骨筋腱が並び、上腓骨筋支帯が覆う一方、脱臼例では支帯が見えにくく、長腓骨筋腱が外果に乗り上げる所見が示されており、術中所見の言語化に使えます。
患者向けには「縫う」「削る」という単語だけが独り歩きしやすいので、画像(MRI/エコー)と模型的説明で“目的は安定化と再発予防”であることを繰り返すと同意が取りやすくなります。
腓骨筋腱脱臼手術後のギプス固定と免荷の目安
術後管理は、施設方針と合併損傷で変わりますが、AR-Ex尾山台整形外科では術後翌日からリハビリを開始し、初期は挙上とアイシング、松葉杖指導を行い、軽い接地から徐々に荷重を増やす流れを示しています。
同院では「なるべくギプス固定をしない方針」としつつ、腱損傷などの合併障害がある場合は2〜4週間のギプス固定を行ってから機能訓練を開始する、と具体的に説明しています。
また松葉杖なし歩行の目安は「腱鞘の処置のみなら術後2〜3週程度」だが、痛みや合併損傷により4〜6週程度になる場合があり、腱損傷が大きい場合は2〜3週間の免荷歩行を行う場合がある、とされています。
(あまり知られていないが重要な点)海外文献の系統的レビューでは、腓骨筋腱の手術後リハビリは研究間のばらつきが大きく、固定期間は0〜13週と幅があり、一次修復後の“総固定期間”の中央値が6.0週、NWB(免荷)の中央値が3.5週など、一定の傾向はあるものの一律プロトコルの提示が難しいと述べられています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4823352/
この“エビデンスのばらつき”は、患者にとって「医師によって言うことが違う」不信の原因になり得るため、医療側は「術式」「腱の損傷」「支帯の治癒を優先する期間」によって方針が変わる必然性を説明する必要があります。pmc.ncbi.nlm.nih+1
実務的には、免荷期間・固定期間・ROM開始時期・ジョギング開始の“4つのマイルストーン”を手術記録と一致させて外来共有し、患者の自己判断による前倒し荷重を防ぐことが再燃予防に直結します。
腓骨筋腱脱臼手術の仕事復帰とスポーツ復帰(独自視点)
仕事復帰の説明は、入院期間よりも“通勤と荷重制限”がボトルネックになりがちです。
AR-Ex尾山台整形外科では、デスクワークなら術後約1〜2週を目安に復帰可能としつつ、痛み・腫れ、通勤手段や距離などを含めた総合判断が必要としています。
スポーツに関して同院は、腱鞘の処置のみで済んだ場合は術後4〜6週目からジョギング開始、術後12週以降でスポーツ復帰を目指す、という具体的なタイムラインを提示しています。
ここからが医療従事者向けの“独自視点”です。
腓骨筋腱脱臼の患者説明では、「入院は短い=軽い手術」という誤解が起きやすく、退院後の腫脹管理(挙上・アイシング)と歩行量調整が守れないと、疼痛増悪→活動低下→リハ遅延という悪循環に入りやすい点を強調すると転帰が安定します。
さらに、反復性脱臼の患者は“足関節の背屈や切り返し動作”に恐怖回避が残りやすく、機能的には同じ可動域でも競技動作が戻らないことがあるため、復帰判定を「時間」だけでなく「動作の質(切り返し、片脚カーフレイズ、ジャンプ着地)」で段階化すると説明が通りやすくなります。
術後通院頻度についても、退院当初は週2回程度の受診・リハを勧め、その後に状態で頻度を減らす方針が示されているため、“最初の1か月は通院負担がある”と先に伝えると、キャンセル増加や自己流リハを減らせます。
参考:病態(上腓骨筋支帯、保存療法4〜6週ギプス固定、治癒は約半数、手術の選択肢)を患者説明用に整理する部分
https://www.jssf.jp/general/download/pamphlet_hkt.pdf
参考:入院期間3泊4日、術後の荷重・固定、ジョギング開始やスポーツ復帰時期、仕事復帰目安など実務情報

参考:術後固定・免荷期間のばらつき(中央値の提示)を根拠として“個別化が必要”と説明する部分
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4823352/

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