ヘルパンギーナの症状
ヘルパンギーナの初期症状と発熱パターン
ヘルパンギーナは2～4日間の潜伏期間を経て、突然の発熱で発症するのが特徴的なんです。発熱は39～40℃の高熱となることが多く、この急激な体温上昇に伴って熱性けいれんを起こすケースも報告されています。
発熱は通常1～3日間持続しますが、2～4日程度で自然に解熱することがほとんどなんですよ。発熱と同時に、全身倦怠感、頭痛、食欲不振といった全身症状も現れます。
参考）ヘルパンギーナ
初期段階では、咽頭部に発赤が目立つようになり、その後特徴的な水疱が形成されていくんです。症状が強く現れる急性期には、ウイルスの排出量が最も多くなるため感染力が特に高くなります。
参考）ヘルパンギーナに感染したら何日休む？｜世田谷区のあのねコドモ…
ヘルパンギーナの口腔内症状の特徴
ヘルパンギーナの最も特徴的な症状は、口腔内に出現する水疱性の発疹なんです。水疱は主に軟口蓋から口蓋弓にかけての咽頭粘膜に複数個出現し、直径1～2mm程度、大きいものでは5mm程度のサイズになります。
参考）大人のヘルパンギーナの特徴について【症状や喉の痛みの期間など…
水疱は発赤を伴った小さな白色または灰白色の病変として観察され、破れやすい性質を持っているんですよ。破れた後は浅い潰瘍を形成し、口内炎のようなえぐれたような状態になります。
この潰瘍は強い疼痛を伴うため、特に飲み込む際の痛みが顕著で、患者さんは食事や水分摂取を嫌がることが多いんです。小児では不機嫌になったり、哺乳障害を起こしたり、よだれが増加したりする症状も見られます。
参考）ヘルパンギーナ
手足口病との大きな違いは、ヘルパンギーナでは水疱が口腔内のみに出現し、手足には発疹が現れない点なんです。
参考）ヘルパンギーナと手足口病の違いは？ 症状・原因・治療法・予防…
ヘルパンギーナの大人と子どもの症状の違い
ヘルパンギーナは5歳以下の小児が全体の90%以上を占めますが、大人にも感染することがあるんです。子どもと大人では症状の現れ方に違いが見られます。
参考）ヘルパンギーナとは？手足口病・溶連菌感染症との違いも解説 -…
子どもの場合は、口腔内の痛みによって不機嫌にぐずる、食事や水分を摂らない、哺乳しない、よだれが増えるといった特徴的な行動変化が現れます。これらの症状により、脱水症を起こしやすいのが小児の特徴なんですよ。
大人が感染した場合、のどの痛みは「非常に強い痛み」として自覚されることが多く、強い違和感が持続します。頸部リンパ節の腫脹も見られることがあります。
また、大人では症状が軽度または無症状の場合も多いという特徴があるんです。しかし子どもの看病をする保護者は感染リスクが高くなるため、感染対策が重要になります。
参考）ヘルパンギーナは大人もかかる？子どもから親に感染することもあ…
ヘルパンギーナの合併症リスク
ヘルパンギーナは一般的に予後良好な疾患ですが、いくつかの注意すべき合併症が存在するんです。最も頻度が高い合併症は熱性けいれんで、特に高熱に伴って発生します。
参考）ヘルパンギーナ
脱水症も重要な合併症の一つなんですよ。口腔内の痛みにより水分摂取が困難になることで発生し、特に乳幼児では注意が必要です。ぼんやりしている、おしっこの量や回数が少ない、口の中が乾燥している、泣いたときの涙が少ないといった症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
参考）ヘルパンギーナ・手足口病（大人もなる？）｜よいこのわくわくク…
まれな合併症として、無菌性髄膜炎、脳症、心筋炎などの重篤な病態が報告されています。無菌性髄膜炎では頭痛、発熱、首のこわばりといった症状が現れ、脳症では意識障害、けいれん、行動の変化などの神経症状が見られます。
心筋炎は胸痛、息切れ、不整脈などの症状を伴い、特に小児や免疫力の低下した患者では重症化リスクがあるため、これらの症状が現れた場合は早期の医療介入が不可欠なんです。
参考）手足口病とヘルパンギーナの症状と治療方法 – 海老原おとなこ…
参考: 厚生労働省によるヘルパンギーナの公式情報では、主な症状と合併症について詳しく解説されています。
ヘルパンギーナの診断方法と鑑別診断
ヘルパンギーナの診断は、主に臨床症状と診察所見に基づいて行われるんです。一般的には特別な検査を必要とせず、流行期や臨床症状による診断で十分なことがほとんどなんですよ。
参考）http://www.kanazawa-med.ac.jp/~kansen/situmon/herpangina.html
診察では問診が非常に重要な役割を果たし、発症時期、主な症状、症状の経過、周囲での同様の症状の有無などが確認されます。身体診察では特に口腔内の観察が重視され、医師は直径2～4mmの灰白色または乳白色の水疱、浅い円形で赤い潰瘍などの特徴的な所見に注目します。
確定診断を行う場合は、患者の咽頭ぬぐい液、水疱病変部、糞便などからウイルス分離を行いますが、特別な設備が必要で手技も煩雑なため、一般にはあまり行われません。PCR法による遺伝子診断も可能ですが、ヘルパンギーナに対する特効薬が存在しないため、原因ウイルスの確定は通常必要とされていないんです。
鑑別診断では手足口病との区別が重要で、ヘルパンギーナは40℃近い高熱が出るのに対し、手足口病は熱が出ない、または38℃以下の微熱で済むことが多いんですよ。また、ヘルパンギーナでは水疱が口腔内のみに出現しますが、手足口病では手のひら、足の裏、膝、臀部などにも水疱性発疹が現れるという明確な違いがあります。
参考: 国立感染症研究所のヘルパンギーナ情報ページには、診断と疫学に関する詳細なデータが掲載されています。
ヘルパンギーナの治療と対処法
ヘルパンギーナに対する特効薬は存在しないため、治療は症状に応じた対症療法が中心となります。エンテロウイルスそのものに効果がある抗ウイルス薬は開発されていないんです。
参考）ヘルパンギーナの症状・原因・治療法を解説 大人がかかるとどう…
発熱や頭痛に対しては、解熱鎮痛作用のある薬剤が使用されます。口腔内の痛みが強い場合は、のど越しの良い食事を選択することが推奨され、刺激の少ない食品や冷たい飲み物が適しているんですよ。
脱水症の予防が非常に重要で、こまめな水分補給を心がける必要があります。水分摂取が困難な場合や脱水症状が見られる場合は、医療機関での点滴治療が必要になることもあります。
家で安静にすることが治療の基本で、熱が下がるまでは幼稚園・保育園・学校は休むべきなんです。ヘルパンギーナの主な感染経路は接触感染を含む糞口感染と飛沫感染で、症状が強い急性期はウイルスの排出量が最も多いため感染力が特に高くなります。
参考）ヘルパンギーナの感染経路・症状・潜伏期間を解説！大人もうつる…
回復後も2～4週間の長期にわたって便からウイルスが検出されることがあるため、手洗いの徹底が重要なんですよ。ヘルパンギーナにはワクチンや特別な予防法がないので、感染者との密接な接触を避ける、こまめに手洗いをするといった一般的な予防策を心がけることが大切です。
参考: 東京都感染症情報センターのヘルパンギーナページでは、治療と予防に関する実践的な情報が提供されています。