変形性足関節症ストレッチと可動域改善とリハビリ痛み

変形性足関節症とストレッチ

この記事の概要(医療従事者向け)
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「詰まり感」は病態のサイン

足関節前方インピンジメントを前提に、背屈を「ただ伸ばす」から「衝突を減らしつつ出す」へ設計します。

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荷重位で評価し直す

非荷重位で改善しても、荷重位で背屈が出ないと歩行・階段で困るため、評価姿勢を変えて介入を調整します。

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ストレッチ+装具+運動療法

後方組織の柔軟性、距骨下関節を含む可動域、インソール等でのストレス分散を組み合わせて継続性を上げます。

変形性足関節症ストレッチの目的と可動域

 

変形性足関節症は、距腿関節の軟骨摩耗に伴って骨硬化や骨棘増生が起き、疼痛や動作制限につながる変性疾患です。

臨床でストレッチを処方する目的は「柔軟性を上げる」だけでなく、背屈時の足関節前方インピンジメント(前方の“つまる”痛み)を減らし、歩行や階段で必要な可動域を取り戻すことにあります。

特に足関節症では関節裂隙の狭小化がインピンジメントを起こしやすく、後方組織の柔軟性を改善することが背屈をスムーズにする、という整理が実務的です。

現場で共有しやすい説明として、患者には「骨の変形そのものをストレッチで戻すのではなく、衝突を増やす硬さ・動き方を減らして痛みの出にくい可動域を作る」と伝えると納得が得やすいです。

また、距腿関節だけでなく距骨下関節など隣接関節も評価し、必要なら可動域改善を図る、という流れを最初から計画に入れると、ストレッチが“効かない”症例の見立てが早くなります。

医療従事者向けには、背屈制限を「腓腹筋・ヒラメ筋の短縮」だけに還元せず、骨棘、関節包、距骨下関節、足部アライメント(内反型など)まで含めて仮説を持つことが重要です。

変形性足関節症ストレッチの背屈とインピンジメント

変形性足関節症では、骨棘形成を伴う場合に背屈時インピンジメントによる疼痛が出やすく、底屈時には伸筋腱など軟部組織への刺激で痛みが生じることもある、と整理されています。

したがって背屈を狙うストレッチは、単純に「背屈角度を最大化する」よりも、疼痛誘発の閾値(詰まり感が出る角度)を把握し、その手前で反復して“使える背屈”を増やす発想が安全です。

医療者が見落としやすいのは、背屈で痛むからといって背屈を完全に避けると、結果として日常生活でさらに詰まりやすい動作(代償)を招く点で、疼痛の出方を観察しながら段階付けする必要があります。

具体的には、後方組織(下腿後面)を狙うストレッチは「背屈を通す準備」として位置づけ、実際の背屈動作は“衝突を減らすフォーム”で荷重位練習に繋げます。

さらに、荷重位では距腿関節だけでなく距骨下関節の可動域も評価する必要があるため、背屈が詰まる症例で「距骨下関節が硬い/足部が内反に偏る」などの所見があれば、背屈ストレッチ単独で押し切らない判断ができます。

なお、足部・足関節領域では関節モビライゼーションが歩行中の最大背屈角などの改善に寄与しうる、という報告もあり、ストレッチだけで反応が薄いときの追加カードになります(禁忌や疼痛反応の確認は必須)。

参考)303 See Other

変形性足関節症ストレッチの荷重位と非荷重位

足関節背屈の評価は、体重をかけない姿勢よりも体重をかけた姿勢で測定した方が、背屈可動域制限の有無をより判別できる、という多施設研究の結果が紹介されています。

これは変形性足関節症のストレッチ指導にも直結し、ベッド上で背屈が改善しても、立位・歩行での背屈(機能的背屈)が改善していないケースを“見逃さない”ための視点になります。

加えて、変形性足関節症のリハビリでは「非荷重位と荷重位の可動域は必ずしも相関しない」という指摘があり、非荷重位での可動域改善後に荷重位の評価と改善を図る必要性が明記されています。

臨床上の運用例としては、初期評価で次をセットにすると説明と記録が一貫します。nuhw-pt+1​

✅ 非荷重位:疼痛の出方、関節終末感、後方組織の硬さ(介入ターゲットの仮説)​
✅ 荷重位:実用背屈(例:壁を使ったランジ動作などの範囲)、詰まり感の再現性、足部の回内外(代償)

参考)【業績】足関節背屈制限の有無を判別するためには荷重位での測定…

“意外と効く”工夫として、患者のセルフエクササイズは非荷重位ストレッチだけで完結させず、短時間でもよいので荷重位で「痛みゼロ〜軽度」でできる背屈課題を併用すると、日常動作へ転移しやすくなります。nuhw-pt+1​

ただし、荷重位課題はフォームが崩れると内反捻挫の再受傷や不安定性を助長しうるため、初回は医療者が“荷重のかけ方”を視覚的に指導しておくと安全です。

また、慢性足関節外側不安定症が残存しうる点(足関節外側靭帯損傷後の20〜40%に残存という記載)を踏まえ、背屈練習の前に不安定性の所見を拾うのは重要です。

変形性足関節症ストレッチの装具とインソール

変形性足関節症の保存療法では、生活指導・薬物療法・装具療法・運動療法が柱になり、サポーター固定やインソールで患部ストレスを減らす考え方が示されています。

特に、関節内側へのストレス集中が問題になりやすいという整理のもと、外側wedge等で内側集中のストレスを分散させる、ただし外側だけを持ち上げればよいわけではなく足底アーチ全体をバランスよく支えることが大切、という説明は臨床での装具選定にそのまま使えます。

ストレッチ単独で痛みが落ちない症例でも、装具で“痛みが出る条件(荷重・衝突)”を減らせると運動療法の実施量が上がり、結果的に可動域や機能改善のスピードが上がることがあります。

医療従事者向けのチェックポイントとして、インソールは「硬いほど効く」ではなく、患者の足部アライメントと疼痛部位の再現動作(歩行、階段、しゃがみ)で当たりを確認しながら微調整するのが現実的です。

装具・インソールを導入したら、同じ荷重位背屈テストで“詰まり感が出る角度”と“運動後の疼痛”を再評価し、ストレッチ量(回数・保持時間・頻度)を増減します。nuhw-pt+1​

患者教育の一言としては「装具は治す道具というより、ストレッチと運動を続けるための補助輪」と言うと受け入れられやすいです。

変形性足関節症ストレッチの独自視点と距骨下関節

検索上位で語られがちな“ふくらはぎを伸ばす”だけでは、距腿関節以外の要素がボトルネックの症例に届かないことがあります。

変形性足関節症のリハビリでは、荷重位で距腿関節のみならず距骨下関節の可動域を評価し、必要に応じて可動域改善のアプローチを行うこと、さらに距骨下関節の可動域改善には屈筋支帯のリリースが効果的という記載があり、ここは医療者の介入価値が出やすい部分です。

独自視点としては、患者の主訴が「足首前が痛い」でも、距骨下関節の硬さが足部の回内外を変え、結果として距腿関節の衝突パターンを作っている可能性を常に疑うことです。

この観点を入れると、ストレッチ処方が「筋を伸ばす」だけでなく、①距骨下関節の可動性、②足部アーチ支持(インソール)、③荷重位での背屈課題、の三つ巴で組み立てられます。

また、CTは距舟関節や距骨下関節など隣接関節を同時に評価でき、骨棘や軟骨下骨嚢胞の形態把握に有用で手術検討例では必須の検査となる、という整理もあるため、保存療法で伸び悩む症例の“次の一手”を医師と相談しやすくなります。

さらにMRIでは靱帯や腱の描出、BML(Bone Marrow Lesion)の描出が可能とされ、痛みと関連が示唆される記載もあるため、「痛みが強いのにX線所見が軽い」などのギャップ説明にも役立ちます。

足関節前方インピンジメントの病態整理(概要の参考)

変形性足関節症について

荷重位で背屈制限を判別しやすいという研究紹介(評価姿勢の参考)

【業績】足関節背屈制限の有無を判別するためには荷重位での測定…

関節モビライゼーション介入で歩行中の最大背屈角などの改善を報告(手技併用の参考)

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