白内障の症状と視力低下の進行や初期症状の見分け方

白内障の症状について

白内障の主な症状

👁️

視力低下

水晶体の濁りにより、徐々に視力が低下します。初期では気づきにくいことも。

まぶしさの増加

光の散乱により、明るい場所や夜間の光源に対してまぶしさを感じやすくなります。

🔍

かすみ・ぼやけ

物がかすんで見える、ぼやけて見えるといった症状が現れます。

 

白内障は目の水晶体が白く濁る病気で、主に加齢によって発症します。80代になるとほぼ100%の人が何らかの白内障を発症するといわれています。水晶体はカメラのレンズのような役割を果たしており、これが濁ることで光の透過性が低下し、様々な症状を引き起こします。

白内障の症状は濁りの程度や場所によって個人差があり、進行の速度も人によって異なります。初期段階では自覚症状がほとんどないことも多く、気づかないうちに進行していることもあります。

白内障の初期症状とその特徴

白内障の初期症状は非常に微妙で、自覚しにくいことが特徴です。多くの場合、以下のような初期症状が現れます:

  • 目がかすむ感覚がある
  • なんとなくすっきり見えない
  • ピントが合いにくい
  • 眼鏡の度数が合わなくなる

初期の白内障では、水晶体の外側から中心部に向かって濁りが進行していくことが多いため、濁りが中心部に到達するまでは視力低下を実感することはほとんどありません。そのため、自覚症状がないまま10年以上進行することもあります。

また、片目が少し見えづらくなっても、もう一方の目が見やすさを自然とカバーするため、日常生活に大きな支障をきたさないことも多いです。このことが早期発見を難しくしている要因の一つです。

白内障による視力低下の進行と特徴

白内障が進行すると、視力の低下が顕著になってきます。しかし、視力の低下と白内障の進行度は必ずしも比例するわけではありません。

白内障の種類によって視力低下の現れ方は異なります:

  • 後嚢下白内障:早期から濁りが中央部に出るため、視力低下を感じやすい
  • 核性白内障:主に黄色く濁るだけで水晶体の透明性は比較的保たれるため、進行しなければ視力は低下しないこともある

また、核白内障では白内障の進行とともに近視が進むケースがあります。水晶体が膨らむことで近視化し、眼鏡の度を合わせても1年ほどで合わなくなることもあります。

興味深いことに、老眼鏡が必要だった人が突然老眼鏡なしで新聞が読めるようになるという「老眼の改善」のような現象が起こることもありますが、これは老眼が治ったわけではなく、白内障の進行による近視化が原因であることが多いです。

白内障のまぶしさと光の散乱症状

白内障の特徴的な症状の一つに、光に対するまぶしさの増加があります。水晶体が濁ると光がまっすぐ網膜に届かず、光の散乱が生じるためです。

特に以下のような状況でまぶしさを強く感じます:

  • 夜道で明るい街灯や信号を見たとき
  • 夜間の運転中に対向車のヘッドライトを見たとき
  • 晴れた日の屋外で日光を浴びたとき

皮質白内障や後嚢下白内障では水晶体が白く濁るため光の散乱が生じやすく、夜間の運転中にヘッドライトをまぶしく感じやすくなります。この症状は交通事故のリスクを高める可能性があるため、夜の光がまぶしすぎると感じたら、早めに眼科医に相談することが重要です。

白内障による複視(二重視)と眼精疲労

白内障が進行すると、ものが二重や三重に見える「複視」が現れることがあります。これは水晶体の濁っている部分と透明な部分で光の進行方向が変わるために起こる現象です。

複視が白内障によるものかどうかを簡単に確認する方法として、以下のテストがあります:

  1. 眼鏡をかけている場合は、眼鏡をかけた状態で
  2. 片目ずつ月を見てみる
  3. 月が二重三重に見える場合は白内障の可能性がある

また、白内障になると目が疲れやすくなります。水晶体が濁ることでピント合わせが難しくなり、目の筋肉が常に働いている状態になるためです。さらに、ものが見えづらい、まぶしさを感じる、ぼやけて見えるといった症状すべてが眼精疲労の原因となります。

白内障と他の眼疾患との症状の違い

白内障の症状は他の眼疾患と似ていることがあるため、正確な診断が重要です。白内障と混同されやすい眼疾患との症状の違いを理解しておきましょう。

症状 白内障 緑内障 加齢黄斑変性
視力低下 徐々に進行 視野欠損が主 中心視力の低下
痛み なし あることがある なし
まぶしさ 増加する 特になし 特になし
複視 あることがある ない ない
充血 なし あることがある なし

白内障の大きな特徴として、痛みや充血を伴わないことが挙げられます。急激な視力低下や激しい痛み、充血などがある場合は、白内障以外の眼疾患の可能性があるため、すぐに眼科を受診する必要があります。

また、白内障は通常、両眼に発症しますが、進行度は左右で異なることが多いです。片方の目だけに症状がある場合は、他の眼疾患の可能性も考慮すべきでしょう。

白内障の症状と生活への影響

白内障の症状は日常生活にさまざまな影響を及ぼします。症状が進行するにつれて、以下のような生活上の困難が生じることがあります:

  • 読書や細かい作業が困難になる
  • 夜間の運転が危険になる(特にまぶしさや複視の症状がある場合)
  • 色の識別が難しくなる(特に青と緑の区別)
  • コントラスト感度の低下により、階段や段差の認識が難しくなる
  • テレビの視聴や人の顔の認識が困難になる

特に高齢者では、これらの視覚障害が転倒リスクの増加や社会的孤立、うつ症状の発現などにつながることもあります。白内障の症状が日常生活に支障をきたし始めたら、手術を検討する時期かもしれません。

白内障手術は現在、非常に安全で効果的な治療法となっています。手術により濁った水晶体を取り除き、人工レンズを挿入することで、多くの患者さんの視力が改善します。手術のタイミングは症状の程度や生活への影響、患者さんの希望などを考慮して決定されます。

白内障の症状を早期に発見するためのセルフチェック

白内障は初期段階では自覚症状が乏しいため、定期的なセルフチェックが重要です。以下のような簡単なチェックポイントを参考にしてみましょう:

✅ 最近、視力が低下したと感じることがある

✅ 明るい場所や夜間の光源に対してまぶしさを感じる

✅ ものがかすんだり、ぼやけて見えることがある

✅ 色がくすんで見える、または色の識別が難しくなった

✅ 眼鏡の度数が合わなくなった

✅ 夜間の運転中に対向車のヘッドライトがまぶしく感じる

✅ 読書や細かい作業が以前より困難になった

✅ ものが二重に見えることがある

これらの症状が一つでもあれば、白内障の可能性があります。特に40歳以上の方は、症状がなくても定期的な眼科検診を受けることをお勧めします。早期発見により、適切な時期に治療を開始することができます。

白内障の症状は進行が緩やかなため、自覚しにくいことが多いですが、適切な時期に手術を行うことで視力を回復させることができます。症状に心当たりがある方は、眼科医に相談することをお勧めします。

日本眼科医会による白内障の詳細な解説と症状チェックリスト

白内障は進行性の疾患ですが、現代の医療技術では効果的に治療することができます。症状に気づいたら早めに専門医に相談し、適切な対応を取ることが大切です。