逆流性腎症 大人 原因 診断 治療

逆流性腎症 大人

逆流性腎症(大人)で最初に押さえる要点
🧠

成人では「小児期の遺残」と「二次性」が混在

原発性VURの遺残に加え、神経因性膀胱や下部尿路通過障害など二次性VURが背景にあることがあり、問診・排尿機能評価が重要です。

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手掛かりは蛋白尿・高血圧・反復性腎盂腎炎

症状が乏しい例もあり、検尿異常や腎機能低下から拾い上げる視点が必要です。

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画像はVCUGだけでなく腎瘢痕・水腎水尿管も見る

VURの重症度評価に排尿時膀胱尿道造影が基本ですが、腎実質障害や閉塞/残尿の評価も並行して行います。

逆流性腎症 大人 原因

 

逆流性腎症は、膀胱尿管逆流(VUR)に随伴して生じる腎実質障害として定義され、成人でも末期腎不全の原因として「必ずしも稀ではない」と報告されています。特に重症例は小児期から緩徐に進行し、成人になってから腎不全として表面化することがあります。

VURは「原発性(尿管膀胱接合部の未熟性など)」と「二次性(下部尿路の機能的・器質的通過障害に続発)」に大別され、成人で見逃しやすいのは後者です。二次性の原因として、尿道狭窄や神経因性膀胱などが挙げられ、慢性的な残尿や高い膀胱内圧が、逆流と腎障害の悪化に関与し得ます。

またVURそのものは無症状でも、尿が腎盂へ上行しやすい状態をつくり、腎盂腎炎を反復することで腎瘢痕が蓄積していきます。小児期の「熱性尿路感染」の既往が問診で拾えない場合でも、成人で反復する腎盂腎炎や原因不明の腎機能低下があれば、背景にVUR/逆流性腎症を置いて鑑別する価値があります。

・臨床で拾いやすい背景(大人)

😊 既往:小児期の尿路感染・腎盂腎炎の反復、学校検尿で蛋白尿と言われたが放置

🚻 排尿:排尿困難、頻尿、尿失禁、残尿感(神経因性膀胱/閉塞性病変の示唆)

🧬 家族:家族内発生や多因子遺伝の指摘もあり、家族歴がヒントになることがあります。

参考)逆流性腎症 – 05. 腎臓と尿路の病気 – MSDマニュア…

逆流性腎症 大人 診断

VURの確定と重症度評価の基本は、膀胱内に造影剤を入れて排尿してもらう排尿時膀胱尿道造影(VCUG)で、I~Vの段階で評価します。

一方、成人の逆流性腎症は「腎機能低下が先に見つかる」「画像が別疾患に見える」という落とし穴があり、腎実質の菲薄化、水腎症・水尿管、残尿など“逆流を起こす土台”を同時に評価する必要があります。実際、重症例では超音波やCTで多発性嚢胞腎のように見えて鑑別を要した症例報告もあり、残尿の除去や追加画像で水腎症を見極めた経緯が示されています。

検尿では蛋白尿や血尿が手掛かりになり得ますが、腎障害の進行を早期に把握するため尿中α1-MG測定が有効とされ、腎瘢痕や機能評価に99mTc-DMSAシンチが有用とする記載もあります(施設の可用性・適応は要検討)。

・成人での実務的な評価の流れ(例)

🔎 1) 問診:小児期の熱性UTI、妊娠中/乳児期に水腎症を指摘、排尿障害・自己導尿歴

🧫 2) 尿検査:蛋白尿、血尿、尿培養(反復感染の有無)

🩻 3) 画像:腎エコーで皮質菲薄化・水腎症、必要によりCT/MRIで尿管拡張や閉塞を確認

🧪 4) 機能:eGFR推移、血圧、蛋白尿量(腎予後の層別化)

📌 5) VUR評価:VCUG(実施タイミングは感染沈静化後が基本)​

逆流性腎症 大人 治療

治療の考え方は「感染を起こさせない」「逆流や高圧排尿を減らす」「腎保護(蛋白尿・高血圧の管理)を徹底する」の3本柱で整理すると実装しやすいです。膀胱尿管逆流症では、軽度なら自然消失が期待でき、治療の第一段階として抗菌薬を少量で1年ほど内服し続ける予防投与が中心になる、という説明があります(ただし成人での適用は背景疾患とリスクで調整が必要です)。

重症の逆流や自然消失が期待できない例、予防投与中に腎盂腎炎を起こす例などでは手術が検討され、尿管と膀胱のつなぎ目を補強する逆流防止術(例:尿管を膀胱壁内に再埋没させる術式)が行われることがあります。

さらに逆流性腎症の進展にはレニン・アンジオテンシン系やTGF-βを介した線維化が関与する可能性が示唆され、進展抑制としてACE阻害薬/ARBが有効との報告に触れられています。大人の逆流性腎症では、泌尿器科的介入だけでなく、蛋白尿・血圧・腎機能低下速度を見ながら内科的腎保護を「長期で」回す視点が重要です。

・治療の実務ポイント(医療従事者向け)

💊 抗菌薬:反復性腎盂腎炎の既往がある場合、感染予防戦略を個別化(耐性菌・副作用も勘案)​
🚻 排尿管理:残尿が多い、神経因性膀胱が疑わしい場合は自己導尿などで膀胱内圧を下げる(腎への圧負荷軽減)

参考)膀胱尿管逆流症


🩺 腎保護:蛋白尿があればACE阻害薬/ARBを含め検討し、血圧目標も腎機能に合わせて設定​
📅 フォロー:逆流が消失しても腎障害が進行する例があるため、腎機能・血圧・蛋白尿は継続監視(“治った扱い”を避ける)​

逆流性腎症 大人 高血圧

膀胱尿管逆流症の長期的な合併症として腎機能低下が起こり得ることに加え、高血圧も合併症として挙げられ、思春期前後から明らかになることがあると説明されています。これは腎臓の発育不良や腎瘢痕が背景となり得る、という理解が重要です。

成人では「若いのに高血圧」「蛋白尿が少量でも持続」「腎エコーで左右差・瘢痕が疑われる」など、生活習慣病だけでは説明しにくい所見が並ぶときに、逆流性腎症を鑑別に入れると診断が前進します。特に腎実質障害が進むとレニン・アンジオテンシン系の亢進が関与し得る機序が示されており、血圧管理は腎予後の観点からも“症状治療”以上の意味を持ちます。

また、成人の末期腎不全の原因として逆流性腎症が一定割合を占め得る、という報告は「高血圧+腎機能低下」を見たときの臨床推論を後押しします。高血圧治療は一般的な降圧に加え、蛋白尿評価と腎保護薬の適応判断を同時に進めるのが合理的です。

逆流性腎症 大人 独自視点:多発性嚢胞腎 鑑別

検索上位では「原因・診断・治療」に集約されがちですが、臨床で痛いのは“見た目が似ている別疾患”への取り違えです。重症の逆流性腎症では、超音波で腎内に多数の嚢胞様構造が見え、多発性嚢胞腎を疑わせる像を呈し得るため、鑑別の視点を持っておくと診断の遅れを減らせます。

報告例では、CTやMRウログラフィで「嚢胞ではなく拡張した腎盂・腎杯(=水腎症)」と判明し、さらに両側尿管拡張など高度VURを示唆する所見につながっています。つまり、腎内の“丸い抜け”を見たら嚢胞と決め打ちせず、連続性(腎盂・腎杯とのつながり)や膀胱の残尿、尿管の拡張を必ずセットで確認するのが実務上のコツです。

意外と見落とされるのは「残尿で膀胱内圧が高い状態のまま撮像している」ケースで、残尿を十分に除去してから再評価すると所見が整理される可能性があります。成人の逆流性腎症は“泌尿器+腎臓内科の境界”に落ちやすいため、鑑別の段階から連携を前提に組み立てると安全です。

尿路のしくみ(VURの基本)と検査・治療の概要。

膀胱尿管逆流症 (ぼうこうにょうかんぎゃくりゅうしょう)とは | 済生会
膀胱尿管逆流症の原因や症状、治療法について解説。尿は腎臓という臓器(背中の左右腰のあたりの場所にあります)でつくられ、尿管を通って膀胱にためられます。通常、膀胱内に圧がかかると尿管と膀胱のつなぎ目(尿管膀胱接合部)が閉じます。

成人例での診断の落とし穴(多発性嚢胞腎との鑑別、二次性VUR、ACE阻害薬/ARB、DMSAなど)。

https://jsn.or.jp/journal/document/51_8/1086-1090.pdf



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